アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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欧米ではイクメンが当たり前?

先日、私の旦那のイクメンっぷりを紹介した。

www.heidima-blog.com


これを読むと、「欧米人は日本人に比べてイクメンが多いのかな」という印象を受ける人がいるかもしれない。
結論からいうと、私の印象ではおそらく皆様のご察しの通り。
「日本よりは多いが、そうでない人ももちろんいる」

スイスにおけるその理由を考えてみた。






日本よりイクメンが多い理由


男性の残業が日本よりはるかに少ない


日本に帰国して驚いたのが、女友達とお互いの旦那の話になると、毎日のように終電まで働いているという話を未だによく聞くこと。
昔の職場の友達から聞いた話が特にひどかった。彼女の旦那さんは職場と家が近いせいで終電も関係なく深夜2時まで会社にいるという。

こんな話はスイスでは聞いたことが無い。

と言ったとたんに思い出したが、そんな長時間労働している上司が2人いたが、2人とも日本人男性だった。


とにかく子供がとっくに寝ている時間まで会社にいなければいけない父親たちが育児に参加できるはずがない。土日だって疲れて休むことになるだろう。
たまに、そんな疲れ果ててあくびが止まらない父親が土日の公園で無理やり子供と遊んでいるのを見かけて、よっぽど

「私がお子さんと一緒に遊んであげますから木陰で寝ててください」

と声をかけようかと思うが、不審者扱いされても切ないので心の中で全力で声枯らしてエールを送るに留めている。
(最近、自分のこの「たまたま出会った見知らぬ人に声かけたい欲」とどう付き合っていいかわからずにいる。)


一方のスイスでは、私の周りで日をまたいで働いていた知り合いは、バーで朝方まで働いている男性と、ホテルに勤めている彼の奥さんのカップルだけだった。飲食店やホテルなど深夜まで働く職種ももちろんあるが、彼らは一日に15時間も働いているわけではない。バー勤めの男性は自分の出勤前に息子を保育園に迎えに来ていた。


スイスの残業の実態について旦那に聞いてみたところ、仕事によってはプロジェクトのために残業を強いられたりする職種もあるが、それはあくまでも期間限定の話で、日本のように長時間労働を連日のように強制したらすぐに訴えられて問題になるそう。
ちなみに私の旦那の職種は就労時間が比較的フレキシブルなので、私は大変助かっている。



そんなスイスの労働環境下ではプライベートな時間が多いので、もちろん父親だって子供と過ごせる時間が長い。日本でよくいそうな「たまに家にいて遊んでくれる人」にはなりにくいと思う。


欧米にもいる『非イクメン』

自分の旦那のイクメンっぷりを目の当たりにし、(ラッキー!)と当たりくじを引いた気になっていたら、周りのスイス人夫を持つ日本人妻たちも口々に言っているのを聞いた。「やっぱりこっちは日本人夫に比べて家事と育児に協力的だからいい」と。

ふむふむ、ウチだけではないのね。やっぱり日本より男女平等に関する意識の高い欧米の男性はイクメンだらけなのかと認識しそうになっていた矢先、そうでない人たちにも出会った。

スイス人もそれ以外の国の人も見た。たまたまかもしれないが、彼らに共通していたのは【趣味を諦めきれない】ということだった。

子供ができても自分の趣味を最優先にしてしまう。依存性のある趣味だったりするので本人だけの力ではどうすることもできなかったのかもしれない。

そしてもうひとつ彼らに共通していたのが、【子供が成長し、ある程度コミュニケーションがとれるようになると、それ以前より積極的に子供に関わろうとする】ことだった。

やはり母親には『妊娠』という母性本能を目覚めさせる期間が十分に与えられるが、父親が自分が目の前にいる赤ん坊の父親であることを“自覚”するまでに要する時間の長さには相当な個人差があるように感じた。



確かに笑いもしない新生児の相手は辛いと感じるのも理解できる。
どんなに美味しい母乳を出そうがどんなにキレイにお尻を拭いてあげようが、うんともすんとも言わない。
喋れないなら目で伝えてくれてもいいんじゃないかと思ったりするが、母乳をあげ終わると寝てしまっていたり、お尻をピカピカに拭いて新しいオムツを装着したとたんにブリっと音がすることだってある。
当てつけかよと言いたい気持ちになるが、彼らに罪はない。
私はある日の午前2時にこれを3回繰り返されたことがある。私は何とも言い表せない気持ちで、ただオロオロと涙を流した。
いや、正しくは大声で泣きわめき、その声で目覚めたオムツ替え大好きな旦那にバトンタッチした。


ちなみに、そんなうちの旦那は子供が生まれる前から父親になる準備のため本を読んだり母親学級にも同伴した。


そして、私と一緒に妊婦していた。






なぜこの写真が存在するのか今となっては謎である。



最後に、私は日本に帰国して、日本の父親が思っていたより育児に参加している印象を受けた。
父親が子供を連れているのもよく見かけるし、うちのイクメン旦那の上をいく日本人のスーパーパパも知っている。
本当に頭が下がる。あたしにゃでぎねぇ。


とりあえず私は育児を頑張っているお父さんたちを見たら、心の中で腕もげるほど振り回してエールを送っている。


(そんなことするより自分もっとやれ)

嫌われる『イクメン』と、我が家のイクメン

イクメンフォトプロジェクトというのがあるらしい。
IKUMEN PHOTOS|育児を楽しむ|育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト

ツイッターでハッシュタグを付けてイクメンの瞬間を投稿することで参加できるコンクールのようだが、これに対する批判的なツイートが多くて驚いた。

『イクメン』という呼び名を嫌う人々

まずやたら目につくのは「『イクメン』っていう言葉が嫌い」という一文。
嫌いな理由として多いのは、
「父親が育児をするのは当たり前のことだから」。

そして私が興味深いと思ったのは、女性だけでなく実際に『イクメン』張本人である男性たち自身の中にもその言葉に嫌悪感を抱いている人がいること。「『アイドル』じゃなくて『アーティスト』って呼んで欲しい」と言うアイドル歌手みたいだ。


それはさておき、父親が育児をするのは当たり前のことというが、『当たり前』の定義ってなんだろう。
それができない人が多数である状況で『当たり前』とは言えないのではないだろうか。もちろん当たり前になって欲しいし当然のことであるべきだが、共働きの家庭でも家事と育児は女性が担当なんて話はよく聞く。そんな夫に「育児に参加しろ」と言ったところで何をどうしたら『育児』と名のつくものになるのかさえピンとこないのかもしれない。
そう考えると、『イクメン』という言葉があった方がアイコンとして目指すべきイメージが湧いてイイんじゃないかと思ってしまう。

嫌われる要因になっていそうなイクメンたち

ツイッターでイクメンアカウントをちらほら見かけるが、中にはアピール強めなイクメンがいるのも確か。
育児参加が当たり前でないからアピールしてもいいに違いないが、確かにそれを毎日当たり前にやっている母親たちに嫌悪感を抱かせてしまいそうだなと思う。
例えば「めちゃくちゃ疲れて帰ってきたけど子供たちをお風呂に入れてあげた」とかいう類のツイートは、「いや、そんなんいつもやってるし、いちいちアピールうざい」と思われそうだ。


そのほかにイクメンフォト関連のツイートで見かけたのが、投稿された写真のほとんどが「遊んでるだけじゃん」という批判。
きっと「遊んだだけで子育てした気になってるんじゃねぇぞ」ということなのだろう。

私は旦那が子供と遊んでくれるから自分のやりたいことができるわけで、是非遊んでやってくれと思う。
夫が家事をしても、子供が起きている時間帯に自分の趣味に没頭するのは不可能。
むしろ私は今一日中子供といるので、もう遊びつくした子供たちと旦那の帰宅後も遊び続けるより、私は1人でダラダラと静かに洗濯物を畳むからあっちで遊んどいてねと思う。
いや、できれば洗濯物も畳みたくないけどね。

そんな私の旦那はどこに出しても恥ずかしくないイクメンである。

我が家のイクメン

あらかじめ断っておくが、別に旦那自慢をする気はない。
しかし非常に協力的というかむしろ向こうが主導権を握っているほど子育て熱心な旦那なので、これから書くことは自慢みたいに聞こえるかもしれないのであしからず。
(そんなんだから今のところ可能性は低いが、もし近いうちに離婚なんてことになったら親権は旦那にもってかれるであろうと思っている。)


私は彼がこんなに子煩悩になるだなんて、結婚する前は予想していなかった。基本的に落ち着いていて人間はできているほうだと思っていたが、子供がほしいと熱望したこともなかった。
しかし、3年半前に長男が産まれてからそれは始まった。
生後すぐに、いきなり2週間の育児休暇を取った。職場もそういったことに理解があったのでラッキーだったが、彼は「自分は母乳は出ない(あげれない)から」と言って、オムツをめちゃくちゃ替えた。
そして暇さえあれば抱っこをし、見つめては微笑みかけ、後ろ髪を引かれる思いで2週間後に職場に戻ったが、その日帰宅した旦那はニコニコ笑いながら第一声こう言った。

「今日、仕事中にズボンにシミが付いてると思ったら、昨日の夜○○(息子)を抱っこしたときに付いたウンコのシミだったよ!あははは!」


こいつヤバイぞと思った私の予感は的中した。



その後も仕事を終え帰宅するとすぐに子供に走りより、オムツのチェックをし、お風呂に一緒に入り、着替えさせ、寝る前は本を読む。
私はかろうじて食事を作って洗濯は洗って干すが、それ以外は食事の後片付けも洗濯物を畳むのも、部屋の掃除も彼に任せきりだった。

ある晩、私が寝ているとふと暗がりの中に大きな影がユッサユッサと揺れているのに気付き全身の毛が逆立ったが、それは子供の夜泣きに私よりもはやく目覚めた彼が子供をあやしている姿だった。
よく「夜泣きで起きてるとなりで旦那が爆睡してるの見るとムカつく」という母の声を聞くが、私は夜泣きで起きなかったりすることもある、奇跡的にマイペースな母親になった。


とりあえずどんどんやる彼、そしてどんどんやらなくなる私。


そんな私たちを知る友人の一人が旦那を見て「もうそろそろ乳出るんちゃう?」と言うのも無理はない。
私は彼が母乳を出せないことを可哀想に思う。
出すべき人は私でなく彼だ。


彼がこうなったのは私がズボラ過ぎるからなのではと思ったこともあった。私が図らずも彼を「育ててしまった」のではないかと。
それも少なからずある気はするが、それだけならもっと文句が出そうである。

文句はほとんど無いが、たまに彼から出る“提案”は躾に関すること。

「ねぇ、子供に大きい声で怒るのやめない?」

「子供が片付けないからって毎回『おもちゃ捨てるよ!!』って言うのやめない?だって、本当は捨てないんでしょ?」




はい、すいません。


でもうちの旦那って本当にすごいなと思うことが、私が専業主婦なのに家事も適当にしかやらないことに関して全く文句も言わず、それどころか私が子供たちを見ているおかげで自分は働けていると真顔で言えてしまうこと。
家事を完璧にして家で私たちが彼の帰りを待っているときより、子供たちと土にまみれて公園で遊んできたため帰宅時にご飯ができていないときのほうが嬉しそう。
そして彼は帰宅すると自分も空腹なのに子供たちに率先してご飯を食べさせ、床の食べ散らかしたものを掃除し、洗い物も自分がやるから私に休んでいろと言う。

ちなみに彼はたぶん、「ツイッターでイクメンツイートする時間があるならその分もっと子供と一緒に話したい」とか言いそう。
げ。本気で言いそう。



改めて文字にすると怖いな。
数年後にものすごい見返り求められるかも。

とりあえず愛想尽かされない程度に家事しないと。

そして「おもちゃ捨てるよ!!」って言いそうになったら「おもちゃ隠すよ!!」って言わないとな。
これ子供がらみだからポイント大きそうだぞ。



次回、『欧米ってこんなイクメンだらけなのか!?(仮)』に続く。

男児の親になって学んだこと

3年半前に男児の親になった。

私はスイスで妊娠・出産をしたため、日本に住む母親からわざわざ『はじめての男の子育児』という育児本まで送ってもらって勉強した。


月齢ごとに子供が何を食べ、どんなものに興味を持ち、どんな遊びをしてあげるのがよいか細かく説明してある。
初めて親になる人間にとってはとても有難い。

子育てをしていると毎日のように気づきがある。
思うように行かないことがたくさんある。このやり方は間違っていないのだろうかと心配して後悔しての繰り返し。
そして子供と一緒に多くのことを学んでいく。
子供と共に親も人として成長するのだ。

そして、育児本に載っていないけど日々の生活の中で『私が親になって学んだこと』もたくさんある。
これから男の子を望んでいる方は予習しといてもいいんじゃないかという3つを選んでみた。

1、電車のこと

息子が電車に目覚めたのはまだスイスにいた頃。2歳を待たずに電車にハマった。
木製の電車のおもちゃを友人から譲ってもらい、朝から晩まで一日中遊んだ。保育園でもよく遊んでいるおもちゃは電車だった。

そして長男が2歳半のとき、我々は東京に引っ越した。
東京にはたくさんの電車が走っている。
スイスでは電車のデザインは統一されており、国際線以外の電車の色はほぼ同じである。

一方、東京の電車はカラフル。一目見ればそれが何線かわかる。長男はスイスにいた頃から日本の電車の本を愛読していたので、山手線や総武線、京浜東北線を見ただけで大興奮。
憧れの湘南新宿ラインまで目の前を走っているのだ。

そして何といっても電車界のスターは新幹線。
エメラルドグリーンのはやぶさ、赤いこまち、そして実物はまだ拝めていないが新幹線の点検用車両であるドクターイエローは眩しい黄色の車体。子供が気に入らないわけがない。
しかも大人気なはやぶさとこまちは、なんと連結までしてくれちゃう大サービス。

私はその域まで達していないが、中には電車をみると『○○系!!』と車両番号で呼んでしまうママまでいる。
電車の博物館へ行くと、飽き始めている子供をよそに怖いくらい真剣な顔してプラレールを組立てているパパが必ずいる。

そしてここにも一人、レアそうな(客乗ってない系)電車に遭遇すると、手が勝手に動き携帯で写真を撮ってしまう母親がいる。



2、アンパンマンのキャラクターの描き方

アンパンマン?そんなの描けるわ!と私も思っていた。そして実際になんとなく描けていた。
しかし息子にアンパンマンを描いてあげると矢継ぎ早にリクエストが飛んでくる。
「次は、カレーパンマンね」
「バイキンマンとドキンちゃんも」

これをはいはい分かったよと描ける私、これは客観的に見ても結構イケてる親なんじゃないかと思う。
ショッピングモールなどにある『お絵描きコーナー』で息子がアンパンマンのキャラクターをリクエストしてきたら、私はささっとアンパンマン、しょくぱんまん、バイキンマンを描きあげる。
その場にいる子供たちの熱い視線をしっかり背中に浴びながら。

「ハンバーガーキッド描いて〜」などとハイレベル且つ脇役キャラを要求する子が出てきたら、
「あ、ごめん。そろそろ帰る時間なの。ほらっ、行こ!」
と息子たちを連れて退散する。
これは見栄っ張りではなく、あくまでもお絵描きママに対する子供たちの夢を壊さないためである。

何を隠そう、私がアンパンマンのキャラクターを練習し始めたのは、まさにアンパンマンのキャラクターをスラスラ描きあげるかっこよすぎるパパを見てからだ。
彼は『あかちゃんまん』まで描けていた。
彼は描いた絵を消さずに立ち去り、その後そこにはその場に居合わせた子供たちで人だかりができていた。

か、かっけーぇ。


3、きかんしゃトーマスのキャラクター、実はめちゃくちゃ多いこと

トーマスといえば昔ポンキッキーズでやってたなという覚えがあるだけで、まさか自分の子供が見ることになるとは思っていなかった。
しかし未だに人気がある以上、電車が好きな息子にとっては避けては通れないものだった。

しかしこのトーマス、エピソードをいくつか観ていくうちに、毎回違う機関車が登場することに気づく。
蒸気機関車だけでもものすごく多いのに、ディーゼル車、そして作業車なども結構ある。
THOMAS & FRIENDS -きかんしゃトーマスとなかまたち-

そして機関車に関しては、顔が似すぎていて私には見分けることができない。
車体の色が違えばそれで見分けがつくが、トーマスと同じ水色の機関車が主要メンバーに3台(3人!?)いる。
トーマス、エドワード、そしてゴードン。
確かに真顔だとそれぞれ見分けがつくかもしれないが、ちょっと表情を変えるともうお手上げ。
トーマスが過労で疲れ気味な日はエドワードの顔になるし、エドワードが二日酔いの日はゴードンの顔になると思う。

そしてキャラが多いので事件もたくさん起きる。つまり、きかんしゃトーマスは機関車版『渡る世間は鬼ばかり』なのだ。




以上、私が男児の親になって学んだことは、
電車
アンパンマン
そして
トーマス
でした。(森本レオの声色で。)



スイスと日本の服装やファッション、そして外見に関する嗜好の違い

先日ツイッターで『海外で女性が太ももを見せながら歩くのは「私を買って!」と言ってあるくのと同義』という内容のツイートに対し、多くの海外在住者が反論していて話題になっていた。


そこで今日は私の住んだスイスの都市の人々と東京の人々の服装や外見について、私が気づいたことをお伝えしたい。

スイス人の服装

上記のツイートに関しては、結論から言うとスイスでも当然そんなことはない。

スイスの気候は東京に比べると気温も湿度も全体的に低く、夏も比較的過ごしやすい。そしてスイス人たちはこの短い夏を謳歌するため、早い段階から薄着になり始める。

若い女子中高生たちは皆こぞってキャミソールやタンクトップにデニムのショートパンツとサンダルになる。夏はもうコレばっかり、それ制服か!?とツッコミを入れたくなるほど。
もちろん個性的なファッションを楽しむ人たちもいるが、日本人に比べるとスイス人のほうがシンプルな人が多い印象。

そして、スイス人のファッションは見た目より動きやすさ重視なのかもしれないと察する。
幅広い年齢層で人気なのがアウトドアテイストな“もうそのまんま山に行けますね!”スタイル。

具体的に何を着ているかというと、Tシャツやタンクトップにジーパンやショートパンツとここまでは普通だが、夏以外はその上にウインドブレーカーのようなものを着ている人がやたら多い。
日本で、特に若い年齢層の女性で街中でウインドブレーカーを着ている人はジョギングしている人くらいな気がするが、スイスではよく見かける。

あとはハイキングシューズのような靴を目にする機会も多い。
たまたまこれから山に出かける人がはいているだけなのかもしれないが、スイスでは自然が身近にあるので 着るものも自然とカジュアルでアウトドアテイストになる傾向があると思う。

日本でよく見るけどスイスでそんなに見ないアレやコレ

1、スーツ姿の人々

はい、もちろんスイスにもいます、スーツの方々。でも日本の都市に比べたら格段に少ない。チューリッヒはやや多めな印象。
スイスで普段からスーツ姿で働いている職業で真っ先に思い浮かぶのが銀行だが、(その次はZARA)それ以外のいわゆる普通の会社員でスーツで出勤している人たちは日本に比べるとかなり少ないのではないだろうか。それかスーツで出勤するような会社に勤めている人は自家用車で通勤するため街中を歩かないのかもしれない。

2、制服姿の学生

こちらもたまーに見るが珍しい。制服があるのは裕福層の外国人が多く通う私立の学校がほとんどなイメージ。
日本で女子高生がブランド化されるのは制服に因るところが大きいに違いない。
日本人の私にとってはスイス人の若者を見ても、それが小学生か中学生か高校生かそれ以上なのかを見分けるのは困難を極める。


スイスでよく見るけど日本であんまり見ないアレやコレ

1、タトゥー

日本にももちろんいるが、あのイメージが付きまとうし、それに伴い様々な規制があるため(温泉や銭湯に入れない等)ファッションタトゥーを入れている人もそんなにたくさんは見かけない。

一方、スイスではタトゥーを入れている人を本当によく見かけるし、当然タトゥーショップもちらほらある。日本より人々が気軽にタトゥーを入れていることが伺える。
そして日本人の我々を喜ばせる漢字タトゥーも大人気。
今でも夏が来るたびに蘇るスイスの思い出のひとつは、屋外プールに泳ぎに行ったら隣のレーンで美しいフォームで平泳ぎをする女性のうなじに大きく『安全』という文字が彫られていたのを目撃したこと。
うん、絶対に溺れなそう。

2、オバサマやふくよかな体系の女性の肌見せ

これもスイスと日本の大きな違い。欧米諸国はどこもそんな感じだと思うが、オバチャンだろうが暑ければ肌を見せるし、それが当たり前なので周りの人たちも全く気にしない。

また、ぽっちゃりした女性やぽっちゃりを上回っている女性もショートパンツを履いている。
以前、勤め先のスイス人女性の上司(細身)から「どうしてあなたはショートパンツ履かないの?ショートパンツかわいいし涼しいのに」と言われたことがあった。自分の脚が好きではない私は「人様に見せられるようなキレイな脚してないから」と答えると、「は!?それ本気で言ってんの!?」と訝しそうな目で見られた。

この『体型に対する他人の目を気にし過ぎる』日本人の悪習は、海外の人には本当に理解し難いようである。
また、日本では久しぶりに会った知り合いに対し挨拶代わりに「痩せたね!」「太ったね!」などとコメントする人がいるが、それにも私の旦那は驚いていた。

美白 VS 小麦肌

その他、見た目に関することで日本とヨーロッパで正反対だなと思ったのは肌の日焼けに対する人々の考え方。

日本の女性たちは美白にこだわり、いかに肌を白くするか日々頭を悩ませている人が多いが、スイスを始めヨーロッパの国々では夏になれば芝生やビーチに寝っころがって焼き始める人が多い。

もちろん紫外線は肌に良くないのを気にして無理に焼かない人や、私の旦那のように日に当たっても真っ赤になって終わるタイプの人もいるが、日本でよく見かけるようなアームカバーをしている人や、顔を覆いつくす黒いサンバイザーをしている人はまずいなかった。
私のスイス生活で一度だけ見たことがあるが、日本人かどうかは見分けられなかったがアジア人風の女性で、周りの人たちの注目を独り占めしていた。

また、以前フランスに住んでいたときは、フランス人の友人に「日本人の女の子はなんでそんなに肌を白くしたいの?病気みたい」と言われたこともあった。
日焼けすることに肯定的な人が主流だと初めて知り、目からウロコだった。

着たいもの着たい

今回のツイートに対するコメントで「日本でも着たいものを着よう!」と言っている女性も多く見られた。
私もそれに賛成だが、その一方、もとのツイートに対して「いいね」した人が多数いたのも事実。
暑くて薄着しただけで「触られてもしょうがない」などと見なされる社会は本当に悲しい。(触る人はどんなに着てても触るんじゃないだろうか。)

ところで私はスイスで本当にそういった仕事をされている『プロ』の女性たちを何度か見かけたことがあるが、私が見た人たちはキャミソールにショートパンツ姿などでは無かった。
彼女たちは本当にわかりやすい服を着ていた。
そして私がはいたらその瞬間に足首骨折間違いなしの嘘みたいにヒールの高い靴を履いていた。

しかも石畳の上で!!!

プロを舐めてはいけない。

知らなかった! 実はスイス人が発明したもの

欧州で大国に囲まれた小さな国スイス。
私の第二の故郷になってしまった国スイス。
若い頃から海外への憧れはあったけれどまさかヨーロッパのアルプスのイメージしかない国に住むとは思っていなかった。
今日はそんな山好き以外の日本人に馴染みの薄いスイスの株を上げるべく(←余計なお世話)、日本人の我々も慣れ親しんでいるアレやコレが実はスイス人による発明だったよ!というものをご紹介したい。

その前にスイスってどんな国?

このブログでもちょこちょこスイス情報を小出しにしているが、改めてスイスの基本情報を超簡単にご説明。

まずはいきなりどん。

国旗

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スイス人は国旗を多用しているイメージ。スイス製商品のパッケージにしつこいくらい国旗がついている。

そしてこの国旗、助けを必要としている方々が身につけている【ヘルプマーク】にそっくりで、スイス人旦那はこのマークを見かけるたび「あ、またスイスファンの人がいる」と小声で伝えてくる。彼はよく気づくのでいつでもヘルプする準備ができている。
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確かにハートまでついているので『I LOVE スイス』感あり。

面積

41,285 km2 (日本 377,972 km2)
参照:スイス - Wikipedia

人口 (2018年)

854.5万人
(日本 1億2652万人)

      

公用語

話者人口の多い順から ドイツ語フランス語イタリア語、そしてロマンシュ語(話者数は総人口の0.5%未満)

主要都市

ベルンが首都だが最大都市はチューリッヒ。その他、フランス語圏最大のジュネーブ、時計の見本市で知られるバーゼル、そして国際バレエコンクールで有名なローザンヌ等。
そして山に興味がある人なら聞いたことがあるであろう主な観光地はマッターホルンがあるツェルマット、ユングフラウの拠点になるインターラーケン等。
     

スイス人の素晴らしい発明品

ここまでのスイスに関する情報なんてぜーんぜん知らないわ。なんて言っている貴方もご心配なく。
『知らないなんて言わせないような日常に欠かせないものが実はスイス人による発明だった』
さあ、いってみよう。


1、ミルクチョコレート

スイス人の薬剤師アンリ・ネスレという人物が粉乳を発明しチョコレートに混ぜて作ったのがミルクチョコレート。
アンリ・ネスレ - Wikipedia

そう、このネスレさん、あの泣く子も黙る世界最大の食品・飲料会社ネスレの創業者である。ネスレがスイスの会社だと知らなかった人もいるのではないだろうか(スイスに行く前の私です)。
ネスレといったらネスカフェやキットカットのイメージだが、もともと乳児用の粉ミルクで成功した企業。
老若男女に大人気のご当地キットカットもこのスイス人がいなければ存在していなかったかもしれない。


2、アルミ箔

最初にアルミ箔を製造販売したのは1910年、スイスのアルミ精錬会社 J.G. Neher & Sons とされる。

引用元:アルミ箔 - Wikipedia

“とされる”という語末が怪しくないわけでもないが、他のサイトではアルスイスという会社が板チョコのラップ用にロール式アルミホイルを発案とある。
創造的なスイス - SWI swissinfo.ch

違う会社だがどちらもスイスってことで、やはりスイスが発祥のようだ。
もしスイスでアルミホイルが発明されていなければ、我々は未だに焼き芋大会で皮が真っ黒に焦げた苦い焼き芋を食べ続けていたことだろう。


3、マジックテープ

またの名をベルクロともいうが、これらは商標で正式名称は面ファスナーというようだ。

ベルクロはフランス語の velour(ビロード)+ crochet(鉤)の合成語である。商標権者は、1952年にスイスで Velcro S.A. として設立され、現在はアメリカ合衆国ニューハンプシャー州マンチェスターを根拠地とする、ベルクロUSA社(Velcro USA Inc.)である。

面ファスナー - Wikipedia

これはもう小さい頃からお世話になりっぱなしである。子供の靴といったらベルクロ付きが定番だ。
そして産後の骨盤ベルトもベルクロ付き。
もしスイスでベルクロが発明されていなければ、産後の妊婦の骨盤はいつまでもグラグラだったろうし、あの大人気なアディダスのベルクロスニーカーも存在しなかったのだ。



4、ドリア

これはうちのスイス人旦那もスイス人の発明だと知らなかった。彼の友達のスイス人たちも口をそろえて「知らない」と言う。
何故ならこのドリア、スイスには存在すらしないからであるぅぅ!

2018年現在知れ渡っているドリアの原型は、1930年頃横浜ホテルニューグランドの初代総料理長であったサリー・ワイルが、体調を崩した欧州の銀行家のために即興で提供した料理であると考えられている[2]。

引用元:ドリア - Wikipedia

このサリー・ワイルという料理人がスイス人なのだ。つまりこのドリアに限っては、スイス人が日本で発明したものとなる。
このスイス人の発明がなければ、あのサイゼリアの代名詞である超人気メニュー『ミラノ風ドリア』は存在しなかったのであるぅぅぅっ!
お金のない学生時代にミラノ風ドリアがあったからこそ今この世に生きているという人がどれほどいるだろうか。



以上、スイスの発明についてご紹介したが、皆さんのスイスに対するイメージアップに少しでも貢献できただろうか。
すごいのはスイス人の発明より『ミラノ風ドリア』の価格設定という印象を残してしまった気もしないではないので繰り返しておこう。

ドリアはスイス人の発明です!
周りにスイス人の知り合いがいる方はぜひ彼らに『ミラノ風ドリア』の存在を教えてあげて欲しい。

あ、どうしたってサイゼリア推しで終わるならついでにもうひとつ。

スイスの両親が遊びに来たとき、日本で連れて行ったレストランで彼らが一番喜んだのは、いい和食の店が見つからず仕方なく連れて行った『サイゼリア』だった。

(イタリアはスイスの隣国です。)

私が3歳の息子に「もうムリだぁ〜」なワケ

先日、3歳児の長男がある日突然「もうムリだぁ〜」と言い出したという話をした。
www.heidima-blog.com


そんなことをブログに書いてからまだ2週間と経っていないのにまた“もう無理”なシチュエーションが2回もあった。
うちの長男 a.k.a ミスター・あまのじゃくの事件簿。


1. アイスが食べたい事件

ショッピングモールに買い物に行った。
長男はショッピングモールのキッズスペースで遊ぶのは大好きだが買い物に付き合わされるのは大嫌い。でも私はいくつか必要なものがあったので、なんとか長男をなだめながら買い物を強行していた。すると痺れを切らした長男が泣き喚きだした。

「わ~ん!アイス食ーべーたーいーー!!」

残すは食料品の買い物だけになっていたが、このまま続行するのは厳しいと思った私はとりあえずアイスクリームを食べさせてご機嫌取りをすることにした。

モール内にあるサーティーワンに到着。
長男もアイスクリームにありつけることに安堵したのかすっかり泣き止んだ。
彼がイチゴ味のアイスがいいと言うのでそれを注文しに向かった。すると色とりどりのアイスクリームが並ぶショーケースの前に『チャレンジザトリプル』のキャンペーンの看板があった。これはアイス2つ分のフレイバーの値段で3つのフレイバーが頼める、つまりアイス1個分がサービスになるというキャンペーンである。
(長男と一緒に食べるといつも取り合いになるから多いに越したことはないだろう。)
私はチャレンジザトリプルを注文し、3つのアイスを長男と2人で分けることにした。フレーバーもリクエストがあったイチゴ味の他にも彼が好きそうなものをチョイスした。

「はい、お待たせ」
長男にアイスを渡すと嬉しそうな顔を見せる。やっと機嫌が直ったと安心したのも束の間、2口ほどアイスクリームを食べた彼は信じられない一言を口にした。

「アイス食ーべーなーいーー!!」

いやいやいや、3分前までアイスが食べたいと泣いていた子供はこの子にそっくりだったけど、あれ!?あれれ!?

とりあえず疲れて甘えん坊モードになっているだけかもと思い、スプーンですくったアイスクリームを彼の口元までもっていくが、ぶんぶんとものすごい勢いで顔を左右に振りアイスクリームを断固拒否する。無理やり食べさせようとしたらますます激しく号泣しだした。

彼に食べさせることは諦め、私は溶け出したトリプルなアイスクリームに向き合った。

ポップな色が眩しい。
なんでサーティーワンって名前なんだろう。私サーティーファイブだけど全然あなたに親近感沸かない。
もしかしたら『31歳までは美味しく食べられます』って触れ込みなのか⁈負けてたまるか。
食べ物を残すのが好きではない私は、文字通りトリプルにチャレンジした。5年前なら喜んで平らげたであろうアイスクリームが2つ目からなかなか喉を通らない。
うぅっ。

押し寄せる甘さに私は無の領域に達した。そして気づいたらそこには空になったカップがあった。チャレンジ成功だ!
すると隣りでふくれっ面でその様子を見ていた長男が言った。

「わぁーん!!アイスクリーム食べたかったのにぃぃぃーーー!!!うわあああぁーーーん‼︎‼︎!」

私(もうムリだぁ~)


2. 座りたい事件

先日、午後4時半くらいに息子たち2人を連れて電車に乗った。帰宅ラッシュの前だったので車内はそんなに混んでおらず、でも席は埋まっている状態だった。
電車に乗った瞬間、長男が駄々をこね始める。

「ママ~、座りたいよぉー!」

私たちはドアの近くに立っており、近くの席に座っている人たちは寝ていたり音楽を聴いていたり、とりあえず動く気配はない。その電車には30分くらい乗る予定だったが、私は長男に「もうちょっとで降りるから頑張ろう」と声をかけた。しかし長男はグズグズし続けて床に座ってしまう。別に周りの人に迷惑もかけていないししばらく床に座らせておこうと思い、私は彼の隣りにしゃがんでいた。

すると停車駅に着き、一番端の座席に座っていた男性が立ち上がった。
チャンスと思いその席を取りに行くと、同じタイミングで中年男性が席に座ろうとした。私は反射的に「どうぞ」と席を譲ろうとしたが、男性もふて腐れた長男に気づき逆に席を譲ってくれたので、有難く長男を座らせてもらうことにした。

長男が座席に座り後ろを振り向こうとしたので嫌な予感がした。
彼は電車に乗るとよく後ろ向きに立ち膝になり車窓からの風景を楽しんでいる。しかし一番端の席は後ろが壁になっていて窓がない。
そして案の定、始まった。

「外が見えない!外が見ーえーなーいーー!!」

気まずい。
せっかく譲ってくれたオジサンに申し訳ない。
長男の隣りには音楽を聞きながら眠っている若い女性。はい終了。代わってくれる可能性ゼロ。「ちょっとだけど外見えるよ~ほら~」などと何を言っても聞かないあまのじゃくモードになっている長男を一応諭してみる。いくら言っても反論が倍になって返ってくるだけなのだが。

すると私より年上と思われる優しそうな女性が長男に話しかけてきた。

「お兄ちゃん、一人でお座りできてえらいねえ。私あそこに座ってたんだけど、そこなら外が見えるから席交換する?」

奇跡としか言いようがない。こんなに優しい人が乗り合わせていたなんて。有難い気持ちと申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちと、いろいろな気持ちが混ざり合って、とりあえず私は腰を90度に折り曲げたまま促されるままに長男を連れて移動した。何度も頭を下げ、長男も彼女に無事に「ありがとう」が言え、やっと外の景色が思う存分堪能できる席を手に入れた。しかも外には綺麗な夕焼け雲が広がっている。
私、今なら泣ける。


しかし、本当の悪夢はここからだった。

「ママ~!おそとキレイじゃないー!外がぜんぜんキレイじゃなぁーいぃーーー!!!」

車内に響き渡る長男の鳴き声。先ほどの女性にも聞こえていないワケがない。
申し訳なさ過ぎる。気まず過ぎる。

デーモン閣下、私を今すぐ蝋人形にしてください。
でも閣下の姿は見当たらなかったので、(私は地蔵)と強く念じて目を閉じた。



こんなことが起きると私は「もうムリだぁ~」となるワケだが、世の母親たちはみんなこのようなエピソードを乗り越えて日々生活しているに違いないのだ。なんということだ。私はあまのじゃくの取り説が欲しい。


そのうち彼のショッキングな言動に頭がやられてバチンっとショートしてしまいそうだ。

頭から煙出てたら誰か教えてください。


しかしよく電車で人に助けられる。
生きにくい世の中かもしれないが、優しい人っているもんだなぁ。

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日本人のテレパシー

日本に帰国してからというもの他人と接することにやたら緊張するのだが、その原因のひとつがどうも日本人特有の「本音と建前」にある気がしてならない。

数年前に観たドイツのテレビ番組で「日本人はテレパシーが使える」と言っている人がいた。
何のこっちゃと思う人もいるかもしれないが、今日はそのことに関して私が経験したことを記録しておこうと思う。

1.母親とのテレパシー

最近実際に田舎に住む私と母が電話で交わした会話を例に挙げてみよう。


私「○○(次男)の保育園の入園が決まったから仕事探しはじめたんだよね」

母「そうなの?いつから保育園なの?」

私「8月の頭から」

母「△△(私の姉)はお盆に帰ってくるんだって」

私「そっかぁ。私たちも帰りたいけど、どうかなぁ……」

母「カボチャとトウモロコシも作ってるから」

私「……保育園は一週間とか休んでも問題ないらしいから、保育園に聞いてみるね」


母は一言も「実家に帰っておいで」とは言っていないが、彼女が帰ってきて欲しいと思っていることは私には十分すぎるほど伝わる。
本来テレパシーとは以心伝心のことだが、『日本人のテレパシー』とは言葉の裏をよんで気持ちを察することを意味しているようだ。つまり『行間を読む』ということ。
確かに私たち日本人はここにこだわりがある。あえて直接言わない。控えめが美徳。
しかし日本人の誰しもが行間を読む能力に長けているかどうかは疑問である。
私は一生懸命やろうとするが考えすぎてハズすこともあり、ただ無駄に疲れていることが多い。

話を母に戻すが、彼女は家庭菜園が趣味なので孫たちが好きな野菜を一生懸命に育ててくれていた。夏に彼らが来るのを楽しみにしながら。
それは私にとってもちろん嬉しいことだ。だが、このことについて知らされたのはこのつい先日の私からかけた電話が初めて。
確かにお盆は帰省する人が多い時期だが私は今のところ仕事もしていないので、子連れで帰ることを考えると帰省ラッシュを避けたほうがラクである。
でも彼女はぜひお盆に合わせて帰ってきて欲しいことを間接的にガンガン伝えている。
以下の【】内は母の心の声である。

①母「△△(私の姉)はお盆に帰ってくるんだって。【だからあなたたちもお盆に帰ってきたらいいじゃない】」

②母「【孫たちの大好きな】カボチャとトウモロコシも作ってるから【孫連れて帰っておいで】」


特に②は私たちの共通の認識があってこそ成り立つ会話だが、ここまで見事に『帰ってこい』と言わない母には恐れ入った。
そして彼女、電話中に自分に興味がなかったり都合が悪かったりする話題になってくると何のためらいもなく「じゃあ、切るね」とぶっこんでくる。直接的に「その話は興味がない」など決して言わないのでこの「じゃあ、切るね」は間接的なアプローチなはずなのに、相手に与えるダメージは直接言う場合よりかなり大きい。
これに関しては、彼女がそれをわかった上でわざと相手にダメージを与えるために言っているのかどうかは自分の母親なのに未だにわからない。
そう、彼女はかわいく言えば『不思議ちゃん』なのだ。
これもつい先日の話だが、彼女は電話でこんなことを言っていた。

「近所に住む奥さんで、やたらと私に親切にしてくれる人がいるんだよね。私が変わってるからかな。」

このとき私は初めて64歳になる母が自分が変わっていることを自覚していることを知った。
その人が親切にしてくれるのはあなたが変わっているからというより、未亡人で一人暮らしだからじゃないかなと言ってみたが、「他にもそんな人はいっぱいいるし」と納得がいっていないようだった。


2.男女間のテレパシー

私は今の旦那であるスイス人男性と知り合ってから約10年が経つが、知り合ってから5、6年までの間は数え切れないほどの喧嘩をした。喧嘩のほとんどは【彼がエスパーじゃない】から起きたといっても過言ではない。

私は日本人なのでテレパシーを使える。たまに失敗するけどそれでも“ほぼエスパー”なのだ。『熱々おでんニコニコ食い』はできなくたって会話の行間はちょっと読めるし、上手に読めなくとも読もうとしていることに意義がある。
一方のスイス人旦那、実は『日本人のテレパシー』については「そんなのは日本人に限らず誰にでもある。要は国民それぞれ共通認識があるということだろ」と豪語しているのだが、私はそれとはまた違うと思っている。
彼が私の気持ちを汲んでくれないせいで過去に腐るほど喧嘩を繰り返した。


日本人は思っていることをはっきり言わず、その後は“テレパシー”で情報処理をしているようなものだが、少なくとも私が知っているスイス人は思っていることをはっきり伝える人が多いし、私がやんわり3回断ったりしても懲りずに誘ってきたりする(付き合う前の旦那)。はっきりイヤだと伝えないとわかってくれない。
そしてもし彼が私のテレパシーを読み取って誘うのをやめていたら今の私たちはない。


例えば結婚する前、同棲中だった私たちのこんな会話。

彼「今夜、飲みに誘われたんだけど、飲んで帰ってもいいかなぁ?」

私「あ、そうなんだ。晩御飯作っちゃったけど、まあしょうがないね」

彼「ごめんね、あんまり遅くならないと思うから。じゃあまた後で~」


これ、帰ってきたら喧嘩のパターン。
私が機嫌悪くて彼が「え、どうしたの?」っていう。
私の「晩御飯作っちゃったけど」という一言で、「だったら飲みに行かないで帰るよ」という返事を期待してるのがわからんのかボケぇと内心思っているのにそれすら言わないで帰ってきた彼を前に黙りこくる私27歳。
今書いてて吐き気を催すほどめんどくさいヤツだった。オエー。

てかこれ日本人男子なら「じゃあ飲みに行くのやめるよ」となる人が大半なのだろうか。うーん。
女性の性格にもよるし個人差が大きそう。


それが今の私たちの会話だとこうなる。

彼「今夜、飲みに誘われてたの忘れてた!もう晩御飯作っちゃってた?ごめん!」

私「あ、そうなんだ。作ってるけど別に大丈夫だよ。行ってきなよ」

彼「作っちゃったなら帰ろうか」

私「いいよ!大丈夫、冷蔵庫に入れといて明日食べればいいんだし。行ってきな行ってきな」


これも解説すると、私は本当に思っているままを彼に伝えていて行間を読む必要なし。
もっと言うなら行間にあるとすれば(明日の晩御飯作る手間が省けるから是非帰ってくるな)となる。


日本人のテレパシー、ないほうが人生が何十倍もラクになるような気がするのは私だけだろうか。