アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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【バイリンガル子育て】なかなか攻めてるフランス語の絵本

私がハーフの子供を連れているとよく聞かれることがある。
それは「家では何語で話しているのか」ということ。

国際家族の言語事情

私:母国語は日本語。子供たちに日本語で話し、主人にはブロークンなフランス語で話す。

主人:母国語はフランス語。子供たちにも私にもフランス語で話す。日本語も結構話せると思っていたが、先日「やたら」の意味を聞かれて知らなかったことに驚いた。

長男:母国語は日本語とフランス語のバイリンガル。私には日本語で、主人にはフランス語で話すが、最近はフランス語の文章に日本語の単語が混ざることが多い。

次男:「おーじょ(どうぞ、どうも)」と「あっち(熱い、おいしい)」と「うっ(それ)」のほぼ3単語のみを駆使してこの世知辛い世を生き抜く。


ここで浮き彫りになる問題点は、子供たちのフランス語力が伸び悩んでいることである。

長男は3歳になる前までスイスのフランス語圏で生まれ育ったため、日本に越してくるまでは私が日本語で話してもほぼフランス語で受け答えしていた。それが日本に住み始めてからメキメキと日本語会話が上達し始め、日本生活丸1年が経とうとしている今では日本語のほうが流暢。主人にはフランス語で話し続けているが、語彙が増えていないのがちょっと心配なところ。

一方の次男は、まだ1歳なのであまり意味のある単語は出てこないものの、それでも出てくる単語はすべて日本語よりだ。ある日、仕事を終え保育園にお迎えに行くと、保育士さんが興奮気味にその日の出来事を伝えてくれた。「今日のお昼ご飯は『うどん』だったんですけど、○○(次男)くん、すごい勢いで食べ終わって、そのあと他の子が食べているうどんを指差しながら「うっ、うっ」って言ってたんですよ!もう『うどん』が分かるんですねぇ!」
「えと、何を差しても「うっ」なんです」なんて答えて場をしらけさせるのは心が痛むので、「そうでしたか、うどん大好きなんです~うふふ」と答えた。

それはさておき、多言語国家のスイスにはバイリンガルやトリリンガルの子供たちがたくさんいるが、やはり母国語が1か国語だけの子供に比べて話し始めるのが遅いという話をよく耳にする。次男は長男と比べると格段にフランス語に触れる機会が少ないので、このままではフランス語を話すための口や耳が育たないかもしれない。まだ間に合うか。

とにかく早めに手を打たなければ。

国際郵便で書籍を送る

主人に子供たちのフランス語に関して心配していることを伝えると、彼も同じように感じていたとのことだった。語彙を増やすためには本を読むのが一番効果的だろうということで意見が合致し、早速アマゾンでフランス語の本をまとめて十数冊購入し、送付先はフランスに住む義姉の家にして、彼女から日本の我が家まで転送してもらうことにした。

ちなみに日本から海外へ印刷物のみを送る場合、通常の国際郵便よりも安く送れる便利なサービスがある。
特別郵袋印刷物 - 日本郵便

そしてフランスから海外へ送る場合はこちら。(スイスではこのサービスがなく印刷物だろうが値段は変わらなかった。)
Livres et brochures – Entreprise – La Poste


あいつが家にやってきた

フランス語の本のセレクションは主人に任せていたのだが、家に届いた荷物の封を開けると私もスイスの本屋で何度も目にしたことのある青い本が入っていた。

その名も『Caca boudin(カカ ブダン)』
「カカ」とは「うんこ」のことで、普段からよく耳にする単語である。(ちなみに「おしっこ」は「Pipi(ピピ)」)
では「ブダン」とは何のことか。食通の方なら知っているであろう、そう、豚の血でできたソーセージである。
Wikipediaではブーダンとなっている。
ブーダン (料理) - Wikipedia

レバーすらあまり好きではない私は好んで食べないが、主人は大好き。
これ、ご想像の通りただ見た目がカカっぽいということでセットになっている模様。
日本の年頃の子供たちが意味もなく「うんこー!!」と叫ぶように、フランス語圏の子供たちは「カカブダン!!」と叫ぶ。
スイスでは同義語で「カカブチ」という言葉もよく耳にした。これはスイス特有の言葉なのかフランスでも話されているのか知らないが、初めて聞いたときは日本語っぽい響きに感じた。

そして肝心の本の内容だが、ネタバレしない程度にざっくり言うと、何を言われても「カカブダン」と答える子ウサギの話である。もうこの表紙の顔からして小生意気な雰囲気なのに、この子に何言っても「うんこ!」と返事されたら非常にムカつくんじゃないかと予想されるし、そのやり取りで子供を喜ばすだけの本かと思わせときながらちゃんとストーリーもある、なかなか楽しい内容に仕上がっている。

そして、この本が何か国語にも翻訳されているのを見れはその人気っぷりは一目瞭然である。
ちなみに日本語にもしっかり翻訳されており、そのタイトルは『うんちっち』


最初はこんな本を読ませたら四六時中「カカブダン!」と言い出しすのではないかと心配していたが、長男はこの本を気に入ってはいるものの読んでいるとき以外に「カカブダン」と言ったことは今のところない。しかし新しい本のおかげでフランス語の語彙は格段に増えた。

そしてカカブダンとは言わないが、その代わりに近ごろ突然「いっせんまん‼」と言い出した。これは「一千万」、つまり「10,000,000」を意味しているのであろうが、我々はそんな数を口にしたことはここ最近ないし、もしかしたら私が寝言で「一千万円欲しい・・・」とか呟いたりしたのか。郷ひろみなら「億千万」だし、でも郷ひろみ聞いてないし、本当に謎だった。
そんなある日、長男を幼稚園に迎えに行くと、長男がまた「いっせんまん!」と叫んだ。そしてそこをたまたま通りかかった担任の先生が私に言った。
「最近しょっちゅう言ってるんですよ、一千万って。あともう一人、M君(クラスメイト)もよく言ってるんです。なんでしょうね」
これはいい情報を手に入れた。

帰ってから主人にその話をすると、「次にM君のお母さんに会ったらちょっと聞いてみてよ!」と喜んで言った。でも親しい仲でもないただのクラスメイトのお母さんに、「お宅の息子さん、よく「いっせんまん」って言うらしいですね?うちもなんですよー!なんでだかわかりますかー?」なんて言えるか!?言えないよ。
一千万って聞いたらお金のこととしか思えない私は異常なのだろうか。
だって
「今日ね、一千万匹のアリを見たよ」多すぎ。
「お母さん、人口が一千万人の都市ってどこ?」難解すぎ。
お金だとしたら大金だけど家の値段にしては安すぎるし、車かな。どんだけ高級車かよ。
もしかして、借・・・


イエナイヨ。

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8年ぶりのディズニーランドで発見したミニーとスイス人の共通点

あっという間に前回の更新から1カ月が経とうとしていることに気付き、
部屋は散らかっているけどブログ更新を優先することにした。

夏休みも終わり子供たちの幼稚園と保育園も始まり、私も再就職までの短い時間を有意義に過ごそうと資格の勉強をしたり短期間のバイトをしたりしていた。
それに加えていつも家事育児を積極的にやってくれる旦那は出張続き。
ブログを書く時間が全く無かった訳ではない。しかし子供が寝静まった後あらためて散らかり放題のアパートを見渡すと、こんな状態でブログを書くわけにはいかないと気が滅入るのだった。


何度片づけても勢いよくひっくり返されるおもちゃ箱。

何度片づけてもあちこちで発見される不時着した紙飛行機。

そして雨続きだったせいでたまりにたまった洗濯物の山。
ごらん息子よ。まるでスイスのマッターホルンだよ。


立ち止まって現実を見るとあることを思い出した。
何を滅入っちゃってるんだ自分。もともとズボラでめんどくさがりで、それを誇りに35年も生きてきたじゃないか。
危うく真面目に主婦しそうになってた。旦那がいないことによりいつもは影を潜めている親としての責任感がひょっこり顔を出したのだろうか。
惑わされてはいけない。
家を片付けることよりも、忘れる前にこの夏のプレシャスな思い出をここに記すことを優先しなければ。


ディズニーランド事件簿

あまりにものどかなスイス生活によりその存在を忘れかけていた東京ディズニーランド。
なんと団体割引価格で行けるチャンスが到来した。
しかし今まで私と旦那はディズニーランドやディズニーシーに行くたびに喧嘩をしてきた。

10年前、スイス人の彼(現夫)とディズニーシーに行ったが、ディズニーリゾート初体験の彼はアトラクションのために長時間並ぶことが理解できなかったようで、こんなんにそんなに並ぶ意味が分からないと言われた私が文化の違いに泣いた。そして軽くキレた。(これだから田舎者は。ってスイス人のことバガにしったあだすもトーホグ人だっぺ。)

その後行ったパリのディズニーランドでは、電車で向かった際に降りる駅がわからず適当に切符を買ったら見事に間違えていて、結果、無銭乗車とみなされ罰金を払わされた。(このとき初めてフランスやスイスでは乗り越し精算システムがないことを知る。)
乗り越し精算すらさせてくれないフランスのシステムのイケてなさに立腹した私はディズニー入場前からプンプンしていた。(今となっては自業自得の極みだと過去の自分を恥じるが、当時フランス人に影響されていた私は怒れるチャンスを探してはプンプンしていた。)

こんな痛い思い出しかない私たちのディズニーランド。
旦那はもともとディズニーランドが好きなタイプでもないし、きっと行きたがらないんだろうなと聞いてみたところ、返事は意外にも
「行こうよ」
私が反対する理由はない。


雨のディズニーランド

団体割引料金で入場できる日程はあらかじめ決まっていた。
猛暑続きの8月。子連れということもあり、暑さや熱中症対策の心配ばかりして、現地で飲み物に散財してたまるものかとペットボトルに入れた麦茶を冷凍庫にこれでもかと放り込んでいたのに、当日は雨。気温も低めだった。
涼しかったけど、この日のために用意した麦茶だから意地でも持って行った。

ディズニー大好きな友人と現地で待ち合わせし、もう我々のプランは彼女についていくのみ。

彼女はネットでショーの抽選に応募してくれたりピザ食べたいといえばピザ屋に連れて行ってくれた。
ピザと一緒に家から持ってきた麦茶を飲もうかとバッグから取り出したがまだ半分以上凍ったままだった。
子供には足りるけど私の分は無いなと思ったので、ピザと一緒に私の分のスプライトだけ抜け駆けして買ったら、席に着いた瞬間にテンション上がってはしゃぐ長男がスプライトをぶちまけた。

ディズニーランドでは子供をないがしろにすると罰が当たるようだ。


雨のパレード

ディズニーランドでは、一日に何度かパレードが開催されているが、雨の日は雨の日用のパレードに変更になるようだった。
巨大な山車に乗ったミッキーその他のキャラクターたちがものすごいテンションで踊ったり手を振ってくれるのだ。
これには子供も大喜び。
キャラクターの周りでは、人間様のダンサーたちもパレードを盛り上げる。
しかしちょっと気になったのが、キャラクターもダンサーも手にホースのようなものを持っており、そこからすごい勢いで放水されていることだった。
確かに雨は降っている。私たちもレインコートやポンチョなどを着て濡れないようにはしているのだ。
でも、こちらに向かって容赦なく放水してくるニコニコのお姉さんダンサーズに手放しで喜べない自分がいた。
ちょっと目を背けて【こっちは間に合ってますオーラ】を出そうとしている自分に気づいた。これはマズかったと反省した。
相手は演者、私は観客。
観客が演者に忖度を求めてはいけないんだ。


ミニーの家

トゥーンタウンに行ってみた。ここは小さな子供向けのアトラクションが多め。
旦那と長男が車系アトラクションに行き、私は友人と次男とミニーマウスの家に行った。
ミニーマウスといえば、ミッキーマウスの恋人である。
家に入ると、目に入ってくるのは可愛らしい家具、そしてなんとミニーのTO DOリストまである。
気になったのは、『ミッキーのおべんとうをつくる』という項目。
ふむふむ。ミニーも男に尽くす系の女なのか。私とはタイプ違うな。
いや、リストには書くけどやらない人パターンもあるか。でもネズミってマメそうだよな。

そんなことを考えながら奥の部屋に進むと可愛らしいドレッサー。
そしてそこで写真を撮ろうと列を成す女子たち。待ってる人たちに遠慮なしに、口を尖がらせて結構な枚数を取り直してるお一人様もいる。彼女のハートの強さ分けてほしい。

さらに奥へ行くとそこはキッチン。
大きな冷蔵庫があったので無造作に開けてみると、そこにはアレが。



ご覧あれ、このスイス人やフランス人もびっくりのチーズのセレクション
旦那がもしここに居合わせたら目がくらんで倒れてしまったかもしれない。
よく見るとアイスクリームまでチョコチップならぬ"チーズチップ"入りではないか。

ミニーマウスはやっぱりネズミなんだ。マウスって言ってるし。
ムーミンはカバじゃないけど、ミッキーもミニーもネズミだ。
ちょっと気になってWikipediaを見てみたら、ミッキーマウスの愛読書に『チーズと平和』とあった。
ミッキーマウス - Wikipedia

もしこの本が実在するなら著者はおそらくスイス人だろう。
そしてミニーがミッキーに作るお弁当の想像がついた。それはかわいい顔のついたキャラ弁などではなく、パンとチーズ。これに違いない。
それなら毎日でも気軽に弁当作りを続けられる。
ミニーのアイディアを頂戴したいところだが、日本の現実世界で毎日これをやってしまうと破産する。
ヨーロッパのチーズが安く買える社会が訪れる日は来るのだろうか。

初めての子連れディズニーを振り返る

行く前は、次男が小さい(1歳3か月)ので乗れるアトラクションもだいぶ限られるだろうし、汽車と船くらいなら乗れるかと予想していたが、思いのほかたくさん乗れた。
リニューアルされたというイッツアスモールワールドを皮切りに、ジャングルクルーズ、カリブの海賊、ホーンテッドマンション、プーさんのハニーハントまで乗れた。もちろん汽車と船も乗った。結局朝の開園から閉園近くまでどっぷり楽しんだ。


最後に、今回のディズニーランドで個人的に印象に残ったことは、ディズニーランドにいるとやたらお腹が空くということだった。
レストランは高めだし混んでいそうだったので、ピザやラップサンドのような軽食を食いつないでいたが、食べても食べてもすぐにお腹が空いた。「あれ、本当に私たちさっき食べたよね?」ていうくらいすぐに減る。コンセプトが『夢と魔法の王国』らしいから、食べ物にも何かしらの魔法がかけられてるのかもしれない。
最終的にトゥーンタウンでフライドポテトをお代わりして食べたらちょっと落ち着いた。ポテトは普通のポテトらしかった。
夜もレストランでしっかり食べたが物足りなかった。

ミッキーの好物である乳脂肪分の多いチーズでも売ってくれたら腹にたまりそうなのにと不満を漏らさずにはいられなかった。

全体的な感想を言えば、ここでは普段の生活ではできない体験ができるので、たまに行くと脳への刺激になっていいと感じた。

来年も団体割引で行けるなら、凍った麦茶がほどよく溶けるくらい暑くて、ダンサーのお姉さんたちが放水ホースを持っていない日になるといいな。

もしまた雨ならゴーグルを持っていって顔いっぱいパレードの水を浴びてやろうじゃないか。

欲求不満か愛情不足?爪を噛み始めた我が子に焦る

久々になってしまったブログの更新。
その理由はいろいろある。

当たり前のことかもしれないが、長男が夏休みでずっと家にいるようになってから自分の時間を持つのが難しくなった。その後バタバタしながら実家に帰省。

そして更新が滞った最大の理由。それは息子が爪を噛み始めたこと。

爪を噛む子の心理

何を隠そう、この私も小さいころに爪を噛む癖があった。
そして私がハイティーンになったころ、私の母が急に私に打ち明けた。

「あなたが小さかったとき爪を噛み始めたから小児科で相談したら、娘さんは欲求不満ですからもっと遊んであげてくださいって先生に言われちゃったわよ」と。

長男が爪を噛んでいることに気が付いたのは夏休みに入る前だった。
気付くたびに手を口に入れないように軽く注意していた。
しかし夏休み入り、幼稚園では暇を持て余す間もなく園庭で友達と遊んだり工作したりしていたのが無くなり、爪を噛める時間も増え、母親は家事を終えると公園に連れて行ってはくれるもののすぐに「そろそろ帰ろう。(この暑さからあなたを守るために)」と言い出すし、寂しくて満たされなくてやっぱり時間もあるし手がお口に吸いこまれた。

その結果、気付いたときには全指が目を覆いたくなるような深爪になっていた。

やっぱりアレか、アレなのか

そこで我が母親からの呪いの言葉が脳内にこだました。


『欲求不満・・・』


もう30年も前の話だし、医学も日々進歩してるしきっと今は違う原因が解明されているはず。

でももし本当に爪を噛む原因が欲求不満だったとしたら、我が子が欲求不満な原因は明らかに私にあるのだ。
それを認めたくない自分がいた。めちゃくちゃ適当に育児してるくせに。

なぜなら私はこんな奴。

白米をお茶碗半分しか食べない私。
「そんなに食べてないのに産後の体重が戻らない」と言っている私。
おかずをその10倍くらい食べていることは普段は気に留めていない。

子供を毎日のように公園に連れていく私。
そのあと家に帰ってきてボケーっと携帯でニュースを眺めているうちに
子供そっちのけでニュースのリンクをハシゴしちゃってることもやっぱり普段は気に留めていない。
遠くから「ママ、ママー‼」と呼ばれて意味不明に真剣な顔で「ちょっと待って」とか言ってしまう私。
見てるニュースは存在すら知らなかった若い女優のスキャンダルとか。
もう何だってよくなっているーーー

これはまずいぞ。


ネットで恐る恐る調べる。
「子供 爪を噛む原因」

すると出てくるのは案の定『欲求不満』そして『愛情不足』。
自分の非を認めざるを得ない。だって思い当たる節だらけ。
ブログ書いてる場合じゃなーいw
という訳ではないんだが、焦って余裕無くなった器がおちょこ大な私。


今のうちにやれる欲求不満対策

こんな私もついにパートタイムで仕事を始めることが決まり、息子の夏休み明けには一緒に過ごせる時間が少なくなることに。
再び働くことは望んでいたことなので嬉しいが、こんな状態のままでは息子の爪を気にして仕事が手につかないなんて状況にもなりかねない。
時間のある今のうちに何とかしなければ。


そう思ってこの3週間は息子とたくさん出かけた。
欲求を出来るだけ満たしてあげられるように楽しいことをたくさんしよう。
公園は私が飽きるので、もっと大げさにアクティビティーをした。

めちゃくちゃ久しぶりに東京ディズニーランドにも行った。

暑くてしんどいときは室内で楽しめることをしようと水族館へ行った。
結果、この夏は3か所の水族館に行って息子がアジとサバ以外の魚の名前を覚えた(マグロ)。

一度は天気予報を確認せずに猛暑日の中うっかり動物園に行ってしまった。
ぐったりと横たわる動物たちを堪能し、最後に訪れた小動物コーナーにいたウサギのうちの1羽が姿勢よく座って前を向いたまま尋常じゃなく痙攣していたので、
これはただ事ではないと思い飼育員の方を呼んだら、
「これだけでは暑さなのかただ緊張しているだけなのか判断できかねますが、ご報告ありがとうございます」と言われた。
私たちのせいで震えていた可能性を突き付けられて狼狽した。
気になって1時間後くらいに見に行くと、もう震えていなかった。
(ウサギ、なんか、ごめん。)


そして実家に帰ってたくさん遊んだ。
海にも繰り出して、釣りもした。
私がウハウハ言いながらサビキで小アジを釣っていると、隣で息子が
「今日も一日がんばったから」
とバケツを泳ぐアジ1匹ずつに労いの声をかけつつ海に還しているのに途中で気づいた。
釣っても増えないアジ釣りに夢中になりすぎて気付けば私はこんがり焼けていた。
隣の白人旦那は露出したとこだけ真っ赤になって、紅白幕みたいになっていた。

東京へ帰り、私はママ友の1人と偶然会った。
「実は家族でグアムに行ってきて」
そういう彼女の肌は真っ白だった。
はたから見たらグアムに行ったのは間違いなく私のほうだよな、と自分の真っ黒に焼けた腕を撫でた。


こまめに更新しないと書きたいことがたまっていつも以上に支離滅裂なブログになることがわかってきたところで話を戻すと、
結局長男の爪には苦いマニキュアを塗ることにした。

どてっ。


これ、偶然ながらスイス製。このマニキュアのメーカー自体はスイスやフランスではよく見かけていて私もスイスにいたころから使っていた。
この爪噛み防止マニキュア。苦いといってもどの程度か興味をそそられて自分でペロっと試してみた。

うん、すぐに浮かんだ似た味のものは『生のゴーヤ』。
ゴーヤサラダが好きな方にはきっと逆効果なのでご注意を!
ちなみに息子はたまに癖で口に手を運ぶが苦いのですぐに出すようになった。
そして爪がキラキラ輝いているのにご満悦でめでたしめでたし。


さてと。明日は何して遊ぼうかな。
震えてたウサギのお見舞いにでも行こうかな(←ネタ切れ)。

在日スイス人は何をする? スイス建国記念日 IN ジャポン

8月1日はスイスの建国記念日である。

本国スイスでは全国各地で花火が打ち上げられ、持っている人はタンスに眠るエーデルワイス柄のシャツやサスペンダーを引っ張り出して身にまとい、老若男女皆どんちゃん騒ぎ、したりする人もいる。


そんな自国の一大イベントの日に遠いアジアの国ジャポンに住むスイス人たちが数人集まった。彼らが建国記念日に開催したスイス風ホームパーティーをレポート。

まずはスイス名産の白ワインで乾杯

スイスではワインの生産が盛んである。ラヴォー(Lavaux)という地区のブドウ畑は世界遺産にもなっているワイン産地だが、スイスの物価が高いためか日本ではそんなにスイスワインを見かけない。

それでもこの特別な日に自国のワインで乾杯すべく、もちろんスイス産の白ワインがこの日のためにストックされていた。


グラスにワインを注ぐスイス人。

そのグラスを手にするスイス人たち。

「サンテ!(乾杯!)」

「ヴィヴ ラ スイス!
(スイス万歳!)」


ワインを味わうスイス人たち。

「セ ボン(美味しい)」

「セ ボン!(ウマい!)」

「セ トレ ボーン!
(チョーうめぇ!)」

「セ トロ ボーーン!!
(うまい、うますぎる!!)」


褒めちぎるスイス人たち。
いつもはフランスやイタリアのワインで妥協しているが、今日は我らが誇るスイスのワインを味わえる。

盛り上がってスイスの国歌を思わず口ずさむが、実は国歌を知っているスイス人は多くない。出だしの歌詞しか知らないので途中からハミングになるがメロディーさえも怪しく、結局カラオケの曲を入れ間違えた人みたいにあやふやになりフェードアウト。
これお決まりのパターン。

猛暑日だろうがチーズフォンデュ

昨日の東京の最高気温は35度。立派な猛暑日だったが出てきたのはチーズフォンデュ。

チーズフォンデュは日本で言うところの『鍋物』のように、一般的には冬や寒い時期によく食べられるスイスが誇る伝統料理。
8月1日はスイス人にとって特別な日なので何としてでもチーズフォンデュを食べなければ。

エアコンの設定温度は17度。
完璧だ。


会場に着いたばかりの人たちは食べる前から汗だくだが、熱々でブクブクのフォンデュをつつく。(いろんな意味で地獄。)

でもスイス人たちはまた「セ ボン」の大合唱。暑かろうが汗だくだろうが久々に食べるフォンデュの味は格別なのである。

そんな彼らを前にすると、私なんかがチーズフォンデュを食べてはいけないと思えてくる。
わざわざ海を越えてやってきたスイスのフォンデュ用チーズ。こんな暑い日にフォンデュかよなんて思ってしまう外国人の私にフォンデュを食べる資格は無い。
この目の前に広がるチーズの海は聖域だ。

邪悪な心を持った人間はこの聖域に近づいてはならない。


そんなことを思いながらスイス人たちがチーズをぐるぐるとフォークでかき混ぜているのを見ていると、肩の辺りが冷えてきた。設定温度は17度だからだ。

もう鳥肌立つまであと一歩。ついさっき「フォンデュかよ」と思ったのは誰だったのだろう。いま、私はフォンデュを欲している。

“チーズのぐるぐる”を見つめていたことによる催眠か。私は今「死ぬ前に食べたいものは?」と聞かれたら迷わず「チーズフォンデュ」と答えるだろう。


そして天の声に促されるまま溶けたチーズの海にフォークに刺したパンを投入。


ぐるぐるぐる。 

ぐるぐるぐる。


こうやってつけて、

うまい!!


この後もうひとつのスイス伝統料理であるラクレット(これも溶けたチーズっす)も始まったが、フォンデュですっかり目が回ってしまった私は旦那と子供を家まで連れて帰る責任感に苛まれやむなく家路についた。


ということで日本にいるスイス人が建国記念日にすることは以下の通りだった。

  • スイス産白ワインで乾杯 
  • 国歌斉唱(Aメロのみ)
  • エアコンを17度に設定してチーズフォンデュ
  • エアコンを17度に設定してラクレット


オーストラリアなど南半球に住んでいるスイス人のほうが、季節が冬であるおかげで建国記念日のチーズフォンデュがより美味しそうで羨ましいと思った夜だった。

記憶力との戦いと、マシューとの戦い

そろそろ再就職したいと目論み、コソコソと応募書類を作成してたり送付したりしている私には心配事がある。

それは30代の女性が白髪の増加と共に直面する恐怖。


MO・NO・WA・SU・RE =

物忘れ


30代も半ばになると記憶力低下の言い訳がありすぎる。
妊娠 出産 加齢 育児ストレス

もう妊娠中から「自分はこの先の人生やっていけるのか」と不安に感じた。日本人女性の平均寿命を考えると、この先約50年ある。30代の今の時点でこの調子じゃ60歳になるころには

「日本人の主食って何だっけ?今朝食べた気がするんだけど……」

みたいなことになるに違いない。末恐ろしい老後の生活。


ちょっと緊張していたりパニくったシチュエーションだと自分の電話番号さえ忘れる。これはもうそろそろ医療機関で検査をしたほうがいいレベルに近づいているのではないだろうか。


しつこく居座る昔の記憶

こんなにハイレベルな物忘れをしている私だが、以前は決して記憶力が劣った人間ではなかったはず。


私は中学生のときに映画と音楽にはまった。
雑誌を買い漁っては好きな俳優やバンドの名前を記憶していった。その熱は20代半ばくらいまで続いただろうか。

映画

洋画の2大雑誌といえば『ロードショー』と『スクリーン』。海外の俳優の名前表記が違ったりしたが、そのどちらも覚えていた。スクリーンの名前表記はネイティブの発音に似せた表記のようで、ちょっと特殊なものもあった。

レオナルド・ディカプリオはレナード・ディカプリオ

ユマ・サーマンはウーマ・サーマン

え、本場ではウーマなの??   
うま?   ・・・馬?  このあたりから様子がおかしくなってきた。
(ちなみにフランス語では「ウマ・トゥーマン」みたいに聞こえる。
トゥーマン!!)

そしてなんと言ってもこれ。
マシュー・マコノヒーは
マシュー・マコナヘー 



マコナヘー!??



マコナヘーに関しては響きが印象的過ぎるおかげかもしれないが、これらのことは20年近く経った今でも覚えている。マコナヘーの知識は残念ながらこの数年間で披露する機会はなかったし、この先も無いだろうから今日を最後に忘れ去ってしまってその代わりに新しい有益なことを記憶したいくらいだが、マコナヘーは私の脳にこびりついて離れない。きっと死ぬまでマコナヘーは忘れないんだ。そしてこの先「マチュー・マコノヒー」という名前を耳にするたび私は心の中でつぶやくだろう。

(マチュー・マコナヘーとも言うけどね)、と。


音楽

音楽も大好きで、邦楽洋楽問わず歌の歌詞も覚えていた。
テレビの音楽番組の中で好きな歌手やバンドが演奏しているところだけを録画したVHSをたくさん持っていた。まだYOUTUBEなんて無かったので、テレビの前に張り付いて一生懸命にこの“つぎはぎ”ビデオを作って何度も何度も見た。

これは今から20年も前の話なのに、未だにその当時に聞いていた歌の歌詞は自分でも驚くぐらい覚えている。自転車に乗りながら口ずさむのは90年代のヒット曲ばかり。引退した小室哲哉の作った歌も小林武史の作った歌も私は歌い続ける。
90年代の音楽はサイコーなんだぜぇ。

ロッケンロー。


幼稚園で必要になる記憶

ハーフの子を持つ親である私は、どうやら幼稚園のクラスメイトの親たちに覚えられやすいらしいことに最近気付き、焦っている。

私は決して目立つタイプの人間ではない。どちらかというと黙っていると影が薄いタイプだ。(しゃべり出すと失言したりするので誰かの印象に残る可能性は高くなる。)
顔だってサッパリ弥生人顔だ。先日、上野の国立科学博物館に行き、弥生時代の人の蝋人形を見た。私が彼らの代わりにガラスケースの中に入っても生身の現代人が入っていると誰も気づくまい。私の顔はシンプルな日本人顔で、スルーされやすいはず。

それなのに。
幼稚園や近所でよく挨拶される。みんな私の息子の名前を覚えてくれている。私も何度も話したことのあるお母さんや、ファッションや顔に特徴があったり誰かに似ている人は結構すぐに覚えられる。

でも子供の名前まで覚えるのはなかなか難しい。名簿はあるが、お迎えやイベントのときにたまに見かけるだけの子供たちの顔と名前がどうも一致しない。
向こうが私の息子の名前を呼んでくれているのに、私が相手の子供の名前を言えないのが不自然だし、覚えてないことがバレていそうでばつが悪い。


先日、ある親子の集まりに参加したとき、一人のお母さんに挨拶をした。私は初対面だと思い、「はじめまして。ですよね?」と保険で(ですよね?)を付けて言ってみたところ、案の定「あ、もうお会いしてます」という返事がきた。私の頭上だけスコールが降っているんじゃないかってくらい汗をかいた。

「あ、そうでしたっけ!?失礼しました!!」

その場にいた私の知り合いのママ友が、前回ショッピングモールでばったり会ったときに一緒にいたのが彼女だよと説明してくれた。しかも彼女の子供の名前が私の子供の名前と同じだと紹介されたのだった。これでやっと思い出した。

「あああ!そうでしたね!すいませーん!」

もう笑うしかない。すると彼女は付け加えた。

「そのあともう一度お会いしています。幼稚園のイベントの日に帽子を落としたのを拾っていただきました。」


はいはいはいはい。
確かに幼稚園のイベントで帽子を拾いましたわ。そしてそれを探していたお母さんに渡したんですわ。

2度も会って、しかも話までして子供が同名という共通点まである人のことを覚えていないって。これは認知症と名のつくものなんじゃないだろうか。

いやきっと違う。私は気がついた。
私は人の顔をちゃんと見ていないのだ。いつもチョロマカ動く息子に気をとられ、人と話していても心ここにあらずなのだ。
本当に申し訳ない。もうちゃんと顔を覚えた。こんな失礼な女に笑顔でたくさん話をしてくれた優しい女性だった。


問題なのは『物忘れ』よりも、『覚えられない』ことなんだ。


もう私はみんなに顔を覚えられないようにサングラス常用するか。そしてカゲでみんなに「タモリ」っていうコードネームで呼ばれるのも悪くない。


んもう!こんなこと言ってる場合じゃないわ。このままじゃ『感じ悪いヤツ』というレッテルを貼られてしまう。


その前にこんなに記憶力ヤバい30代を雇ってくれる人がいるのだろうか。
カモフラージュするために、私のこれまでの人生の賜物である長期記憶を武器にしよう。
90年代ヒットソングメドレーがソラで歌える人材をお探しの会社をご存知の方、
ぜひご一報を。



なんとかしてよマコナヘー!!




欧米ではイクメンが当たり前?

先日、私の旦那のイクメンっぷりを紹介した。

www.heidima-blog.com


これを読むと、「欧米人は日本人に比べてイクメンが多いのかな」という印象を受ける人がいるかもしれない。
結論からいうと、私の印象ではおそらく皆様のご察しの通り。
「日本よりは多いが、そうでない人ももちろんいる」

スイスにおけるその理由を考えてみた。






日本よりイクメンが多い理由


男性の残業が日本よりはるかに少ない


日本に帰国して驚いたのが、女友達とお互いの旦那の話になると、毎日のように終電まで働いているという話を未だによく聞くこと。
昔の職場の友達から聞いた話が特にひどかった。彼女の旦那さんは職場と家が近いせいで終電も関係なく深夜2時まで会社にいるという。

こんな話はスイスでは聞いたことが無い。

と言ったとたんに思い出したが、そんな長時間労働している上司が2人いたが、2人とも日本人男性だった。


とにかく子供がとっくに寝ている時間まで会社にいなければいけない父親たちが育児に参加できるはずがない。土日だって疲れて休むことになるだろう。
たまに、そんな疲れ果ててあくびが止まらない父親が土日の公園で無理やり子供と遊んでいるのを見かけて、よっぽど

「私がお子さんと一緒に遊んであげますから木陰で寝ててください」

と声をかけようかと思うが、不審者扱いされても切ないので心の中で全力で声枯らしてエールを送るに留めている。
(最近、自分のこの「たまたま出会った見知らぬ人に声かけたい欲」とどう付き合っていいかわからずにいる。)


一方のスイスでは、私の周りで日をまたいで働いていた知り合いは、バーで朝方まで働いている男性と、ホテルに勤めている彼の奥さんのカップルだけだった。飲食店やホテルなど深夜まで働く職種ももちろんあるが、彼らは一日に15時間も働いているわけではない。バー勤めの男性は自分の出勤前に息子を保育園に迎えに来ていた。


スイスの残業の実態について旦那に聞いてみたところ、仕事によってはプロジェクトのために残業を強いられたりする職種もあるが、それはあくまでも期間限定の話で、日本のように長時間労働を連日のように強制したらすぐに訴えられて問題になるそう。
ちなみに私の旦那の職種は就労時間が比較的フレキシブルなので、私は大変助かっている。



そんなスイスの労働環境下ではプライベートな時間が多いので、もちろん父親だって子供と過ごせる時間が長い。日本でよくいそうな「たまに家にいて遊んでくれる人」にはなりにくいと思う。


欧米にもいる『非イクメン』

自分の旦那のイクメンっぷりを目の当たりにし、(ラッキー!)と当たりくじを引いた気になっていたら、周りのスイス人夫を持つ日本人妻たちも口々に言っているのを聞いた。「やっぱりこっちは日本人夫に比べて家事と育児に協力的だからいい」と。

ふむふむ、ウチだけではないのね。やっぱり日本より男女平等に関する意識の高い欧米の男性はイクメンだらけなのかと認識しそうになっていた矢先、そうでない人たちにも出会った。

スイス人もそれ以外の国の人も見た。たまたまかもしれないが、彼らに共通していたのは【趣味を諦めきれない】ということだった。

子供ができても自分の趣味を最優先にしてしまう。依存性のある趣味だったりするので本人だけの力ではどうすることもできなかったのかもしれない。

そしてもうひとつ彼らに共通していたのが、【子供が成長し、ある程度コミュニケーションがとれるようになると、それ以前より積極的に子供に関わろうとする】ことだった。

やはり母親には『妊娠』という母性本能を目覚めさせる期間が十分に与えられるが、父親が自分が目の前にいる赤ん坊の父親であることを“自覚”するまでに要する時間の長さには相当な個人差があるように感じた。



確かに笑いもしない新生児の相手は辛いと感じるのも理解できる。
どんなに美味しい母乳を出そうがどんなにキレイにお尻を拭いてあげようが、うんともすんとも言わない。
喋れないなら目で伝えてくれてもいいんじゃないかと思ったりするが、母乳をあげ終わると寝てしまっていたり、お尻をピカピカに拭いて新しいオムツを装着したとたんにブリっと音がすることだってある。
当てつけかよと言いたい気持ちになるが、彼らに罪はない。
私はある日の午前2時にこれを3回繰り返されたことがある。私は何とも言い表せない気持ちで、ただオロオロと涙を流した。
いや、正しくは大声で泣きわめき、その声で目覚めたオムツ替え大好きな旦那にバトンタッチした。


ちなみに、そんなうちの旦那は子供が生まれる前から父親になる準備のため本を読んだり母親学級にも同伴した。


そして、私と一緒に妊婦していた。






なぜこの写真が存在するのか今となっては謎である。



最後に、私は日本に帰国して、日本の父親が思っていたより育児に参加している印象を受けた。
父親が子供を連れているのもよく見かけるし、うちのイクメン旦那の上をいく日本人のスーパーパパも知っている。
本当に頭が下がる。あたしにゃでぎねぇ。


とりあえず私は育児を頑張っているお父さんたちを見たら、心の中で腕もげるほど振り回してエールを送っている。


(そんなことするより自分もっとやれ)

嫌われる『イクメン』と、我が家のイクメン

イクメンフォトプロジェクトというのがあるらしい。
IKUMEN PHOTOS|育児を楽しむ|育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト

ツイッターでハッシュタグを付けてイクメンの瞬間を投稿することで参加できるコンクールのようだが、これに対する批判的なツイートが多くて驚いた。

『イクメン』という呼び名を嫌う人々

まずやたら目につくのは「『イクメン』っていう言葉が嫌い」という一文。
嫌いな理由として多いのは、
「父親が育児をするのは当たり前のことだから」。

そして私が興味深いと思ったのは、女性だけでなく実際に『イクメン』張本人である男性たち自身の中にもその言葉に嫌悪感を抱いている人がいること。「『アイドル』じゃなくて『アーティスト』って呼んで欲しい」と言うアイドル歌手みたいだ。


それはさておき、父親が育児をするのは当たり前のことというが、『当たり前』の定義ってなんだろう。
それができない人が多数である状況で『当たり前』とは言えないのではないだろうか。もちろん当たり前になって欲しいし当然のことであるべきだが、共働きの家庭でも家事と育児は女性が担当なんて話はよく聞く。そんな夫に「育児に参加しろ」と言ったところで何をどうしたら『育児』と名のつくものになるのかさえピンとこないのかもしれない。
そう考えると、『イクメン』という言葉があった方がアイコンとして目指すべきイメージが湧いてイイんじゃないかと思ってしまう。

嫌われる要因になっていそうなイクメンたち

ツイッターでイクメンアカウントをちらほら見かけるが、中にはアピール強めなイクメンがいるのも確か。
育児参加が当たり前でないからアピールしてもいいに違いないが、確かにそれを毎日当たり前にやっている母親たちに嫌悪感を抱かせてしまいそうだなと思う。
例えば「めちゃくちゃ疲れて帰ってきたけど子供たちをお風呂に入れてあげた」とかいう類のツイートは、「いや、そんなんいつもやってるし、いちいちアピールうざい」と思われそうだ。


そのほかにイクメンフォト関連のツイートで見かけたのが、投稿された写真のほとんどが「遊んでるだけじゃん」という批判。
きっと「遊んだだけで子育てした気になってるんじゃねぇぞ」ということなのだろう。

私は旦那が子供と遊んでくれるから自分のやりたいことができるわけで、是非遊んでやってくれと思う。
夫が家事をしても、子供が起きている時間帯に自分の趣味に没頭するのは不可能。
むしろ私は今一日中子供といるので、もう遊びつくした子供たちと旦那の帰宅後も遊び続けるより、私は1人でダラダラと静かに洗濯物を畳むからあっちで遊んどいてねと思う。
いや、できれば洗濯物も畳みたくないけどね。

そんな私の旦那はどこに出しても恥ずかしくないイクメンである。

我が家のイクメン

あらかじめ断っておくが、別に旦那自慢をする気はない。
しかし非常に協力的というかむしろ向こうが主導権を握っているほど子育て熱心な旦那なので、これから書くことは自慢みたいに聞こえるかもしれないのであしからず。
(そんなんだから今のところ可能性は低いが、もし近いうちに離婚なんてことになったら親権は旦那にもってかれるであろうと思っている。)


私は彼がこんなに子煩悩になるだなんて、結婚する前は予想していなかった。基本的に落ち着いていて人間はできているほうだと思っていたが、子供がほしいと熱望したこともなかった。
しかし、3年半前に長男が産まれてからそれは始まった。
生後すぐに、いきなり2週間の育児休暇を取った。職場もそういったことに理解があったのでラッキーだったが、彼は「自分は母乳は出ない(あげれない)から」と言って、オムツをめちゃくちゃ替えた。
そして暇さえあれば抱っこをし、見つめては微笑みかけ、後ろ髪を引かれる思いで2週間後に職場に戻ったが、その日帰宅した旦那はニコニコ笑いながら第一声こう言った。

「今日、仕事中にズボンにシミが付いてると思ったら、昨日の夜○○(息子)を抱っこしたときに付いたウンコのシミだったよ!あははは!」


こいつヤバイぞと思った私の予感は的中した。



その後も仕事を終え帰宅するとすぐに子供に走りより、オムツのチェックをし、お風呂に一緒に入り、着替えさせ、寝る前は本を読む。
私はかろうじて食事を作って洗濯は洗って干すが、それ以外は食事の後片付けも洗濯物を畳むのも、部屋の掃除も彼に任せきりだった。

ある晩、私が寝ているとふと暗がりの中に大きな影がユッサユッサと揺れているのに気付き全身の毛が逆立ったが、それは子供の夜泣きに私よりもはやく目覚めた彼が子供をあやしている姿だった。
よく「夜泣きで起きてるとなりで旦那が爆睡してるの見るとムカつく」という母の声を聞くが、私は夜泣きで起きなかったりすることもある、奇跡的にマイペースな母親になった。


とりあえずどんどんやる彼、そしてどんどんやらなくなる私。


そんな私たちを知る友人の一人が旦那を見て「もうそろそろ乳出るんちゃう?」と言うのも無理はない。
私は彼が母乳を出せないことを可哀想に思う。
出すべき人は私でなく彼だ。


彼がこうなったのは私がズボラ過ぎるからなのではと思ったこともあった。私が図らずも彼を「育ててしまった」のではないかと。
それも少なからずある気はするが、それだけならもっと文句が出そうである。

文句はほとんど無いが、たまに彼から出る“提案”は躾に関すること。

「ねぇ、子供に大きい声で怒るのやめない?」

「子供が片付けないからって毎回『おもちゃ捨てるよ!!』って言うのやめない?だって、本当は捨てないんでしょ?」




はい、すいません。


でもうちの旦那って本当にすごいなと思うことが、私が専業主婦なのに家事も適当にしかやらないことに関して全く文句も言わず、それどころか私が子供たちを見ているおかげで自分は働けていると真顔で言えてしまうこと。
家事を完璧にして家で私たちが彼の帰りを待っているときより、子供たちと土にまみれて公園で遊んできたため帰宅時にご飯ができていないときのほうが嬉しそう。
そして彼は帰宅すると自分も空腹なのに子供たちに率先してご飯を食べさせ、床の食べ散らかしたものを掃除し、洗い物も自分がやるから私に休んでいろと言う。

ちなみに彼はたぶん、「ツイッターでイクメンツイートする時間があるならその分もっと子供と一緒に話したい」とか言いそう。
げ。本気で言いそう。



改めて文字にすると怖いな。
数年後にものすごい見返り求められるかも。

とりあえず愛想尽かされない程度に家事しないと。

そして「おもちゃ捨てるよ!!」って言いそうになったら「おもちゃ隠すよ!!」って言わないとな。
これ子供がらみだからポイント大きそうだぞ。



次回、『欧米ってこんなイクメンだらけなのか!?(仮)』に続く。