アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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日曜日に思いっきり買い物できるの⁉︎ 日本のここが素晴らしい②

大都会東京からスイスに引っ越した人の多くはしばらくの間そのギャップに戸惑うことになるだろう。
町の風景から食生活、飛び交う多言語など違いを挙げればキリがないが、私が1番ショックを受けたのはスイスの日曜日のことだった。


スイスに引っ越して初めて迎えた日曜日。
散歩にでも行こうと外に出た私たちは愕然とした。
近くの広場にも通りにも人っ子ひとりいなかったからである。
昨日は土曜日で市場もあり買い物する人々でごった返していたのに。
通りの店も全て閉まっている。
ふとドラゴンヘッドの映画が頭をよぎった。
人生の中で唯一劇場で金返せ!と叫びたくなった映画。

それはいいとして、何か事件でも起きて家から出るなとか警戒アラート発令中だったらどうしよう。
不安になりがらも大通りまでたどり着くと交通量はだいぶ少ないがたまに車は走っているし、数名の歩行者もいた。だが店はやはり閉まっている。
隣で旦那があーそういえばこんな雰囲気だったなぁと久々の故郷の日曜日を懐かしんでいる。

何とスイスでは日曜日は役所や郵便局は当然のことながらスーパーマーケットや衣料品店などほぼ全ての店が閉まっている。
例外は大きな駅の構内や近くにある店舗。
そしてパン屋は午前中だけ開けているところもあったりする。
レストランやカフェも開けているところもあるがそんなに多くはない。
以前お隣の国フランスはパリにワーホリで一年住んだが、さすが一流観光地。
閉まってる店もそこそこあったが人の多さゆえに寂しさは感じさせなかった。




日曜日にウィンドウショッピングどころか食料品の買い出しすらできないなんて、日本人ならにわかに信じられない、いや、信じたくない話。
けれどどんなに目をこすっても店は閉まっている。

引っ越したばかりの頃は土曜日のうちに多めにパンを買うのをしょっちゅう忘れ、日曜日に駅の近くまでパンを買いに走った。



そんな訳で日曜日は駅の周り以外は町中で人をあまり見かけない。
では人々はどこにいるのか。
旦那が言うには夏は湖沿いや山、冬は山でスキー。
夏になって湖に行ってみるとなるほど、泳いだり水着姿で日光浴をしたり、ワインやビールを飲みながらBBQをしたりする人々で賑わっていた。

これは後に私の夏のスイス生活における1番の娯楽となる。
だって居酒屋とかないんですよ奥さん。
お友達と飲んで語り合いたければ家か湖畔か。
この物価高の国でレストランで思いっきりお酒を飲めば家計は火の車まっしぐら。


私はある晩、スイスに居酒屋とカラオケが無いことが無性に悲しくなり真っ暗な夜の街で泣き叫んだことがある。
最初で最後のホームシックな瞬間であった。
夜の街が暗いのはこれまたびっくりレストランやバー以外のほとんどのお店は午後7時閉店だから。
夏は日が長いとはいえ、東京の夜の風景に慣れている者にとってはショックが大きい。
コンビニなんてもちろんない。たまにインド人やアラブ人の営業する商店が遅くまでやっていたりするが値段はもちろん高め設定。
もう日本のコンビニの素晴らしさたるや。
一時帰国するとコンビニを見かけるたび足を踏み入れてしまう気持ちは海外在住の方にはお分かり頂けるのではないだろうか。
帰るたび新発売やリニューアルされたお菓子や飲み物がキラキラ輝いて私を誘惑する。
コンビニは帰国者にとってアミューズメントパークなのだ。


おっとコンビニに話を持っていかれたが、このスイスのスーパーの閉店時間の早さについて旦那にやつ当たって文句を言ってみると、その分開店も早いので特に問題はないとか。
そしてお店で働く人にとっては良さそうだ。
サービス業でもオフィスワークしてる人と勤務時間帯はほぼ同じ。

でもね、たまにはダラダラとおつまみ食べながらお酒飲んで、ほろ酔いでカラオケ行っちゃう〜?なんて言いたくなる。

そして実はその町にカラオケは存在した。
ということで次回はスイスのカラオケ初体験レポート。
ああ興奮がよみがえる〜