アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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汗ばむ小児科

暴れる子供を2人連れての小児科はなかなかスポーツである。
 
ただでさえ日本の子育てシステムに不慣れなため何をするにも過剰に緊張してしまう。
本人なりに必死で元々そんなに無い『気』を使おうとする。
 
スイスの小児科では、息子の名前を言えばすべてのことは自動的に進んでいった。
まず前回の記事にも書いたがは母親がペンを握る機会はない。
初診でも問診票もかかなければワクチンの為のアンケートもなし。
すべては医者の質問に口頭で答えるのみ。
そして体温のみならず体重も身長も毎回のように測る。
 
ズボラ母代表の私としては大変ありがたい。
 

ところがここは日本。紙社会。
何をするにも書類が必要なことがやたら多くて今回帰国し改めて面食らい祭り。
 
緊張して火照る私にとってはサウナ並みに暑い小児科の待合室。
暴れん坊長男は待合室のスクリーンに流れるアニメのDVDに夢中。
よし。落ち着いて仕事ができそうだ。
 
問診票も書き終え一息つき、受付に持っていく。
年配の女性が想定外の質問を投げかけてくる。
女性「えーっと、お子さんの生年月日は~?」
私「(えっ、問診票に書いたばかりだしっ!)
はい、えっとぉ、しょ、しょ、しょうわ~」
女性「え?あっはっはっは!昭和じゃないですよねぇ~!!」
私「あ、じゃないですよね~昭和は私ですね~」
 
(ちっくしょー帰国してから必死で和暦で我が子2人分の生年月日覚えたのにぃ〜。)
 
待合室に響き渡る受付のおばさんの笑い声。
すでにサウナの中なのにその中で激辛カレーを頬張ってしまった人並みに汗が噴き出る。
まぁいいや。こんなのベッタベタな誰にでも起こる間違いよ。
 
 
 
診察室に突入である。
小児科医と看護婦が2人して息子のあっち押さえてこっち向かせてだのしきりに私に指示を出す。
看「お母さん、左手でお子さんの背中を抱えて右手で頭を抑えてください。」
すでに軽めパニック。
アカ上げてっ!シロ上げてっ!
ってやつやらさせてる人同等のパニック度。
 
子供の機嫌を取るために医者のデスクに置かれたとなりのトトロのオルゴール。
メロディーの速度も速けりゃちょこんと付いているトトロも超高速回転。
私の気を煽ってくる。
 
小「インフルエンザは出てないねぇ。風邪だな。
今の体重はいくつぅ〜?」
私「(よし、予習して来たぜぇ!8.3キロ〜!)
 
は、はい。
(8.3 8.3 8 3 はち さん
はちさん…
 
さ、さ、3.8キロです!」
 
看「え、えっとぉ〜、この子がですか・・・?」
 
 
3.8キロなんて産後1カ月足らずの新生児の体重である。
うちの子は8カ月。
 
ちーん。
 
もう疲れた。帰りたい。
 
 
 
診察を終え待合室に戻ると、再びDVDに釘付けな長男。
よし、保険証も受け取ったしさっさと帰ろう。
「はい、帰るよ〜」
長男動く気配なし。
怒鳴るものか。
ここはさっきのベタでダサい昭和ミスを払拭すべく、小児科の待合室で子を思いやる母アピールモードに入る。
ここは彼が大好きなおもちゃいっぱいの子供のパラダイスに誘い出してスマートに退散するとしよう。
 
気合の一声。
 
私「〇〇〜、今から武道館行こうかぁ⁇」 
長男「ブドウカン⁇ えぇ?
ジドウカン行くのぉ〜⁇児童館なのぉ?」

 
誰も聞いてませんように。
 
武道館て。
何ででしょう。毎回のように児童館と言おうとすると口が勝手に武道館と動くのは。神様、私何か悪いことしましたか。
間違える度にさぶいダジャレ言ってすべっちゃった人の心境になる。もう自分に不意打ちを喰らわされるっていう訳わかんない状態。
10年以上前、何故か友達のゲイカップルと私で日本武道館にクリスティーナ・アギレラ観に行ったなぁ。。
 
ふぅ。
次に小児科行くときはどんなボケかまそうか考えておかないと。
 

スイスにいたときは小児科医が爽やかイケメンすぎて、それはそれで汗かいてたな。
 
先生、元気にしてるかなぁ。