アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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スイスの家庭料理って何?

今日、帰国後知り合った友達にスイスの家庭料理は何かと聞かれた。

答えが出ずに5秒間も黙ってしまった。


スイスといえば何?と聞かれれば、もう何十回と答えた単語がすぐに何個か出てくる。

まずはチーズ。
スイスを代表するチーズといえば日本語で表記&発音するのがややこしいGruyère。
グリュイエールとかもっと簡単にグリエールと書くらしい。

現地では私も未だに雰囲気で発音しているが、みんなちゃんと理解してくれる。
チーズ愛の強さのなせる技だろう。

そしてチーズを使った料理と呼べるか微妙なラインの料理たち。
チーズフォンデュや最近日本でも耳にするようになったラクレット



そしてチーズの次に出てくるキーワードはチョコレート。

日本ではベルギーチョコの方が知名度が高いような気がするが、スイスはチョコレート消費量はドイツに続き世界第2位。
世界主要国チョコレート生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート | 日本チョコレート・ココア協会
そしてミルクチョコレートはスイスで開発されたもの。

スーパーマーケットに行くと、そのチョコレートのラインナップに驚く。
日本でもチョコレートを使用した様々なお菓子が販売されているが、スイスでは板チョコの種類が非常に多い。

日本では板チョコと言えばブラックチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート以外はあまりピンとこないが、スイスでは、板チョコに色々なものが入っている。様々な種類のナッツ、ドライフルーツ、お米のパフ、唐辛子まで、多種多様なものが存在する。

もちろん板チョコ以外にもたくさんの種類のチョコレートが大々的に設置されたチョコレート売り場に並ぶ。
日本に帰国するたびにどれをお土産に持ち帰ろうか悩んでしまって時間がかかる。



前置きが長くなったが、問題はスイスの家庭料理である。

毎度のごとく言語圏や地方によっても違うと思うが、5秒考えて出てきたのはこれまた発音がしにくいRosti(レシュティ)という名のジャガイモのパンケーキだった。

これは千切りにしたジャガイモをフライパンで焼くシンプルな料理だが、よく肉料理の付け合わせに食べたり、あとはベーコンや目玉焼きなどと合わせてこれ自体をメインとして食べたりする。


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これに何人の日本人観光客が引っ掛かったのだろう。
レシュティは真ん中ですね。



それ以外に家庭でよく食べるものはなんだろう。
ソーセージ類はよく食べる。
あとはグラタンやパスタなど、ヨーロッパのどこでもよく食べていそうなものばかりが頭に浮かぶ。

私の話を聞いた友人は、彼女の知る日本在住のドイツ人が、日本では毎食のように違うものを食べるので疲れると話していたという話をしてくれた。

スイスはドイツ語圏の面積が一番大きく、食文化に関してもドイツから多大なる影響を受けている。

ジャガイモと肉と少しの野菜、そしてチーズがあれば他に何もいらない。
そう考えるスイス人は少なくなさそうである。
私の旦那もそれで幸せだったが、日本で食の楽しみを覚えた。
でもスイスにいれば毎晩のようにチーズを食べては幸せに浸っている。

日々の献立に頭を悩ませている日本の主婦たちは、ドイツ人主婦たちとは旦那の愚痴ネタで盛り上がれないかもしれない。



一方、スイスのお隣フランスでは食の都パリなんて言われてるしさぞかし手の込んだものを食べていると思いきや、以前、私の友人のパリジャンにフランスの典型的な家庭料理は何かと質問したところ、「ステーキとフライドポテト」と答えが返ってきて肩透かしを喰らった。

フランス人だからって毎日のようにフレンチレストランで出てくるような洒落たものを食べているわけではなさそうだ。
そのくせに、フランス人は食事の度に前菜、メイン、チーズやデザートというように、食事がコースになっていないと文句を言う人は非常に多い。

私のフランス人の友人は、私が食事の前に酒を飲みながらおつまみとしてチーズを食べることを良しとしなかった。

そして私がパリの汚いけど行列ができるラーメン屋で汗水足らしてバイトしていたとき、
「餃子を前菜で」と注文する客がやたら多く、初めは私もラーメン屋で前菜なんてフランス人ってとことん気取ってやがんのプププ~なんてバイト仲間と笑っていたのだが、うっかりラーメンと餃子が同じタイミングで出されたりすると怒って帰る客までいたことには閉口した。


食にうるさいフランス人夫に手を焼いている日本人の友人を見ていると、芋とチーズで喜んでくれるスイス人夫で良かったと思う。
こともたまにはある。