アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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大人のポテトサラダとフランス語

私はポテトサラダが好きだ。
サラダなのに食べごたえがあって高カロリーなところが好きだ。
基本のポテトサラダは玉ねぎ、きゅうり、人参、ハムなどが使われることが多く、それはそれでとても美味しいのだが、たまにはちょっと大人風にアレンジしてみるのも悪くない。

今日は私が先日作った2種類のポテトサラダを食材のフランス語と共にご紹介したい。
ちなみに私の料理はいつも目分量なのでポテトサラダを知っている人、作ったことがある人向けのレシピになっている点をご了承いただきたい。

ピクルスのポテトサラダ

スイスではピクルスをよく食べる。
代表的なスイス料理のラクレットのお供には必ずピクルス。
フランス語では『Cornichon』
ネット上で調べると日本語では『コルニッション』になっているが、私個人の意見では(ッ)は省いて『コルニション』と発音したほうがフランス語に近いと思う。
もっと言えばフランス語の『r』の音は喉の奥から出すので、フランス語を話すときはローマ字読みの『ラリルレロ』がなんと『ハヒフヘホ』の音に近くなる。
つまり『コルニション』は『コフニション』そして語尾の『ション』は、あのフランス語の代名詞である鼻母音なので、鼻から抜けるような『ォン』の音が欲しい。
この単語が上手に発音できるだけでフランス語がペラペラに話せるような気になる。

そのくらいフランス語らしい単語、コルニション。
フランス語では他人を侮辱するときに『バカな人』という意味でも使われる。
ついでにジャガイモは『Pomme de terre(ポムドテール)』で直訳すると『土のリンゴ』。
もっとカジュアルに英語のポテトのように『Patate(パタット)』ということもあるが、この単語もコルニションと同様に『バカな人』という意味で使われることも。
フランス人は野菜をなんだと思っているのかと突っ込みそうになったが、日本語でも『おたんこなす』、『どてかぼちゃ』、『イモくさい』など野菜を使った他人を卑下する言葉があるので万国共通なのかもしれない。

そんなおバカな人たちを使ったピクルスのポテトサラダ、作り方はいたって簡単。

まずは材料(量はすべてお好みで)

  • ジャガイモ
  • 玉ねぎ(粗みじん切り)
  • コフニション(5ミリ幅に輪切り)
  • 粒マスタード
  • マヨネーズ
  • お酢
  • 胡椒
  1. ジャガイモを皮付きのまま圧力鍋で10分間蒸す
  2. ジャガイモが触っても火傷しない熱さになったら手で皮を剥き、好みの大きさに切る
  3. ボールにマヨネーズとお酢を合わせたもの、粒マスタード、玉ねぎ、コフニション、切ったジャガイモを入れ混ぜる
  4. 味見をしながら塩、胡椒、なんならマヨネーズとお酢を美味しくなるまで足す

ポイントはジャガイモは皮付きのまま加熱してアッチッチと言いながら手で皮を剥くこと。
ジャガイモを生の状態で皮を剥いてから蒸すより早い!安い!うまい!
あ、安くはないが不器用なせいで皮を分厚く剥いてしまい無駄になる部分は少なくて済むのでやっぱり安い!
もうひとつのポイントはコルニフォンを厚めに切ること。
フォルニコンは歯ごたえ命!


アンチョビのポテトサラダ

アンチョビとはカタクチイワシの塩漬けのオリーブオイル漬け。
これもヨーロッパではよくお目にかかる。
アンチョビという名前、初めて聞いたのはいつのことだろうか。
アンはいいとして、おかしいのはチョビだ。ちょび髭のチョビ。
それがフランス語になると、『Anchois』となる。
これフランス語に馴染みのない人はスペルから読み方を推測するのが難しいと思うが、まさかの『アンショワ』と読む。
アンチョビもなかなかだが、アンショワ。
この『アン』も鼻から抜ける鼻母音。
『アンショ』まではすんなりくるのに『ワ』で一気に裏切られる感じがたまらない。
ある意味、『(小声で)アンショ……
ワーーー!!!』だ。

そんなお茶目なアンチョビを使ったポテトサラダの作り方いってみよう。

まずは材料(量はすべてお好みで)

  • ジャガイモ
  • アンショワ(みじん切り、あるいはペーストを使用)
  • 玉ねぎ(粗みじん切り)
  • にんにく(おろしたもの)
  • マヨネーズ
  • お酢
  • 胡椒

作り方はピクルスバージョンと一緒なので割愛させていただく。
ポイントは胡椒。是非あらびきで、食べたらガリガリするくらい入れてもらいたい。
“大人の”ポテトサラダなので。
あとご注意頂きたいのがアンショワの塩辛さ。
初めてアンショワの缶詰を自分で購入して食べたとき、その小ささに思わずまるごと口に放り込んでしまったが、あまりの塩辛さに寿命が縮まったと思った。
食べた人が「ワーーー!!!」っとならないよう、味見だけは忘れないようお気をつけいただきたい。