アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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幼稚園の参観日が期待以上に見どころ満載だった

初めて子供の通う幼稚園を参観した。
もちろん育メンスイス人旦那も行く気満々だったので家族みんなで乗り込んだ。

うちの子の通う幼稚園は、指定された期間内であれば都合のいい日に好きな時間帯で幼稚園にお邪魔できるという自由な参観スタイル。
我が子は内弁慶の気があるため、親と離れた状態の彼がどんな様子なのかを観察することには興味があった。
あまり他の子と遊ばないのではないだろうか。きっと先生にベッタリだろう。
そんなことを想像しながらいざ幼稚園へ。

息子どころじゃない

着いた途端、通りすがりの年長の子供が話しかけてくる。
「ねぇ、誰のお母さんなの?」
息子の名前を出すが「ふ〜ん」とおそらく息子のことを知らなそうな雰囲気。
そして私のお腹にくっつく次男に興味津々で近づいてくる子どもたち。
「ねぇ、その赤ちゃん出してぇ!」
リクエストにお答えして抱っこ紐から出すと、まだ2、3歩しか歩けない1歳児の片手を引いて散歩しだす年少の男の子。
次男は彼に引っ張られるままに足を必死で動かす。繰り返すが彼の実力はまだ2、3歩。
それなのに片手だけ強引に横方向に引っ張られるせいで次男は私たちが見たこともない足の運びを披露した。
なんかもう、『マイムマイム』だ。

そして何故か私たちのとなりにピッタリくっついてくる息子のクラスメイトの男の子。ちゃんと話をするのはこの日が初めて。
懐っこくてとてもかわいいのだが、私たちが走り回る息子を追いかけあちこち移動すると彼も同行して一緒に私たちの息子を眺めていて不思議な空気感だった。

見たくなかった息子の本性

忘れるところだったが私たちは我が子を見に来たのだ。
園庭を所狭しと走り回る子どもたちの中に彼を探す。
障害物が仕掛けられたコースがあり、子供たちは順番にトンネルをくぐったり台に登ってジャンプしたりしていた。
このコースは人気なようで、30人近くの子供たちが列に並んでいた。その中に息子の姿もある。
いよいよ彼の番。いつも通りの笑顔で楽しそうに障害物をクリアしてゴールした。
すぐにもう一度やりたいのかまた列に並びなおす。
と思いきや、彼は大胆に割り込んで並ばずに先頭に立った。
スタート地点にいた先生がそれに気付き、ちゃんと並ぶように注意する。すると息子は、言われた通り最後尾の方へ。
と思いきや、先頭から4、5人目のあたりにまた割り込む。その後ろにはまだ20人以上いるのに。
私と公園に遊びに行くときはいつも「順番だよね」と言っているじゃないか息子よ。
私はあなたをそんなキツネ野郎に育てた覚えはない。

となりでそれを見ながら爆笑する旦那。
言っときますが我が家は文句なしの連帯責任ですから。

息つく間もないランチタイム

会社員なら一息つけるランチタイムが幼稚園では山場。
うちの幼稚園は弁当の日と給食の日があるが、この日は給食だった。
そして先生たちは自分たちの食事に手を付けられないまま教室内を忙しく走り回る。

まずは飲んでいた水をこぼす子。これ基本。
箸やらフォークやらを落とした子は何人いただろう。私たちが気づいただけで10人弱だろうか(うち1人は我が子)。
その他にもいろいろ起きる。
大好きな唐揚げを丸ごと頬張り長いこと味わった挙句に飲み込めず、ただミンチ状態にして唸りながらもといた場所に戻す子。
デザートは最後と決まっているのに、嫌いなおかずが入っているせいでデザートに辿りつけないことに絶望し、この世の終わりのように泣き叫ぶ子。
すごい勢いで完食したあとにパンのおかわりを先生にお願いし、パンを待っている間にテーブルに突っ伏して寝落ちする子。
嫌いなものを食べるのに躊躇しすぎて動きが止まったせいで座ったまま白目剥いて半分寝てる子。
何の前触れもなく奇声を発する子。そして何故か一人がやると周りもやるっていう3歳児の生態。

ご飯が終わった子からまた遊び始める。
そこで我々は偶然目撃した。子供たちが走り回る広場で体格の良い男の子とプリンセスみたいな女の子が衝突するのを。2人とも地面に転げる大事故。女の子は顔面強打で顔を抑えながら泣きじゃくるが、一方の男の子は先生に「どこぶつけたの⁈大丈夫⁈」と聞かれても「は?何の話してんの?」みたいな顔してキョトン。
そこではもう『警察24時』並みに次から次へと事件が起きていた。

先生からの評価

帰りの時間になり、みんなそれぞれ自分の荷物をまとめて席に着く。
床にバッグを放り投げたまま荷物もまとめずに私のほうを見てニヤニヤする息子。
やっぱり親がいると甘えか照れ隠しかフザケちゃうんだな。いつもはちゃんとしてるんだろうけど。
そう思って私もニヤニヤしながら「ちゃんと帰る準備してよぉ」と小声で促すと、担任の先生が私の方を見て言った。
「○○くん(うちの息子)はいつも帰りの準備が一番遅いんです(困り顔)」

私は眉毛下げて微笑むしかなかった。

そして前日渡した幼稚園からの“お手紙”が今日もバッグのお手紙入れに入ったままだったことも指摘された。私が抜き忘れたのだ。

蛙の子は蛙。私はしょんぼりするしかなかった。

帰宅後すぐに何のお手紙が入っていたのか急いで確認したら、子供向けミュージカルの割引価格の広告だった。
お手紙って言われたらもっと重要なやつかと思うじゃん。
私のしょんぼり返して。


すんません、以後気をつけます。