アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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7年ぶりに日本で仕事の面接を受けたら落ちた

再就職したいなぁとある日突然思い立ってから数週間が過ぎた。

次男の保育園も認可ではないがなんとか入園できることが決まり、あとは私が仕事を見つけるのみとなった。長男の幼稚園の延長保育が難しい関係でフルタイムで働くことは難しそうだが、週3日くらいのパートから始めたいところ。

応募

数日前からインターネットで転職サイトに登録してみたりしながら求人情報を探してみるが、オフィスワークのパートの求人はそんなに多くない。
いや、そこそこあるのだが、そのほとんどは都心が勤務地。通えないことはないが、久しぶりの東京での再就職で無理をして結局通勤が苦痛になるという事態は避けたい。
そして主婦のための求人情報を扱っているウェブサイトに一社、電車で30分ほどで通える会社のパート求人を見つけた。子育て中の主婦でも子供のためのイベントなどのための休みが取りやすいとある。働く母を応援しているようで素晴らしい。
ダメ元で応募してみた。

すると翌日、面接に来て欲しいという内容のメールが届いた。しかも明日でもいいですかと。都合が悪ければ日にちを改めてくれるそうだが、私はメールをもらった時点で心臓がバクバクしたので、これは先延ばしにしたら心臓がもたなそうなので翌日の夕方に面接をお願いした。

面接当日

そして今日である。
朝からもちろん緊張している。
緊張し過ぎてニヤニヤしている。長男のイタズラに怒っているときと次男に首の皮を力いっぱいつねられているときだけは気が紛れるが、すぐに面接のことを思い出してバクバクした。

今日もまた30度越えの東京。おまけにジメジメしている。白シャツに黒いスラックスを履いて三角形に広がる髪を後ろで一本に束ねた。帽子をかぶって片手にキラキラな手袋はめたらマイケルジャクソンだ。

そうだ、アホ毛が飛び出るのを抑えるたびに旦那のハードジェルを使おう。めんどくさがりやな私は、洗面台の下の棚にあるそのジェルを、しゃがんだまま手に出そうとした。するとチューブからジェルが垂れて、まさかのズボンのファスナー全開のところに入った。下着に十字架のシミが出来た。まぁいっか。おまじないとしよう。

旦那が帰宅したので、私は子供を託していざ面接へ。
駅に向かう途中、等身大より若干小さめのシマウマの人形を押しながら歩道をゆっくり歩く若い男性二人組を見た。シマウマの足元には台車がついているようだった。
こんなとこにシマウマ。
これはいいことありそうな予感。

面接開始

ドキドキしながら面接会場に着いた。
そして面接官の顔を見たら今までのドキドキは何のためだったのだろうと思うほど一気に緊張から解放された。

最初は会社の事業や具体的な業務内容についての説明を受ける。そして次に私が自分の職務経歴に関して話をする。
私が海外で就業していたことに関し面接官から質問を受ける。夫の仕事の都合でスイスへ引っ越しこの度日本に戻ってきた話から、気づけば夫と知り合った馴れ初めまで話していた。

そして面接官の表情が曇り始める。
理由はざっと以下の通り。

  • この先また夫の転職に伴う引っ越しがある可能性が高い。(夫の専門の話をしたら就職先が相当限られるであろうことを指摘された。)
  • 引っ越し先でまた子供たちが保育園に通える保証はない。
  • 私の事務職としての経験が浅い。

(事務は3年から使い物になるが、私は2度貿易事務の職についたが派遣な上にどちらも3年以下で辞めている。これで事務職の仕事探すのは難しい。)

ぐうの音も出ません。
履歴書と職務経歴書を返却されて肩を落としてオフィスを後にした。

落ちたかぁ。
パンツに十字架付いてたのに。
道端でシマウマに出会ったのに。

そして5分後、面接官から着信があった。
すんごい嫌な予感。カバンを探るとペンケースが無い!
すぐに折り返し連絡をし取りに行った。気まずさ120パーセント。
35歳にもなって面接で忘れ物。こりゃ呆れられるわ。
受けとって生まれから1番の早口で「お忙しいところ大変申し訳ありませんでしたありがとうございました」と言った。

落ちたけど良かった

私の久々の日本での就職活動はこんな散々な幕開けだった。とほほ。
そんな前途多難で一発目から未来への絶望感すら漂う面接だったが、この面接を受けて良かったと思うその理由。

  • とりあえずその場で返事をもらえたのは面接官の優しさ。あざす!そして不採用の理由も説明してくれた。勉強になります!
  • 面接に必要な備品が一気に揃った。(履歴書、職務経歴書から面接用の服やカバンなど超特急で準備した。)
  • 次回は今日より緊張しなそう。
  • 次回は落ちても今日よりショックが少なそう。

体力と気力と旦那の協力が続く限りまだまだ応募するぞ。
旦那が落ちたのは自分の仕事のせいもあると言っていて辛かった。
落ちてゴメンよ。これからも落ちるからよろしくな。

とりあえず次男が水をぶちまけてこのタイミングでパソコンが壊れたのに、スマホで目をショボショボにしながら履歴書と職務経歴書を作った自分を褒めてあげよう。


そして落ちても帰宅後のビールは美味かった。