アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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新しい家族

先日パソコンが我が家の1歳児が起こした床下浸水被害を受けて息絶えたので、いよいよ新しいのを購入しようと意気込んでビックカメラに見に行った。
見に行ったと言っても実際には私の100倍くらいパソコンに詳しいと思われる旦那にお任せ。

飽きて隙あらば店内を逃げ回る長男を追いかけながらやっとパソコンを選び注文用紙に記入を済ませ、一息ついたところで旦那が店内に山積みされている商品パッケージを見つけた。

「これ欲しい」

お餅みたいな形のスピーカー。私は単なるBluetoothのスピーカーかと思ったら、これだった。
Google ホームミニ - 小さいスマート スピーカー - Google ストア

これがウワサの『OK Google』ってやつか。
値段は今だけ他の製品を5000円以上購入した人に限り期間限定で通常価格6000円のところ半額の3000円とある。安っ。

設定

家に帰ると早速スイス人夫が設定を始める。スマートフォンとにらめっこしながらスピーカーに向かって「OK Google」と言う。反応がないらしく「あれ?」と言う。そしてまた「OK Google」を10回くらいいろんなバージョンで言ってみている。
機械に詳しいエンジニアのくせして私のSiriとのやり取りと大した変わんないじゃん。
Siriが行方不明 - アルプスから高尾山

声の認識がなんとか成功したようだ。グーグル先生の声は男女を選択できるが女性の声にした。Siriに似た声だ。私たち以外の声が家の中で響くのは不思議な感じ。1人増えた感。そして旦那はスマホを見て急に笑い出す。
「インドの英語の設定に変えたいですか?ってメッセージ出てきた」
どうやら彼のフランス語訛りの英語をグーグル先生はインド訛りと聴き分けたらしい。

とりあえずみんなが使えるように日本語で設定してもらった。

さっそく質問攻め

手始めに旦那がベタに天気を聞いてみる。
「OKグーグル、明日の東京の天気は?」
グーグル先生は、たまに危うくロボっぽい発音になりながらもスラスラと気温と天気の予報を伝える。流暢と言っていいレベルだと思う。旦那は日本語を話すと若干のアクセントがあるが、それは問題なく聞き取ってくれる。

天気の次は長男のために動物の鳴き声について質問する育メン旦那。グーグル先生は、ちゃんと音をネット上から拾ってきてくれる。
『ゾウ』はパオーンと鳴いている音だったが、滅多に鳴かないという『キリン』の鳴き声を聞かせてとリクエストすると、ムシャムシャと草を食べているような音が流れた。

動物の鳴き声で興味を引かれた長男が、私たちのマネをして急に先生に話しかけた。

「おっけーぐるぐる!オッケーグルグル!ゾウのなきごえ、おねがいします!」

グルグルて。でもちゃんとグーグル先生はゾウの鳴き声を聞かせてくれた。
グルグル先生でも問題なし。優しい。そして長男が先生に丁寧に敬語を使っていたことがなんだか可愛かったし嬉しかった。

調子に乗った長男は質問攻め。
「オッケーグルグル。ゾウのカタチおねがいします」
「オッケーグルグル。キリンのカタチは?」
カタチは見せられないからできないよと伝えると、「オッケーグルグル。ごはん食べますか?」混乱気味な様子の先生。要件を聞き返しても「オッケーグルグル」を言い続ける長男に困り果てたか、とうとう黙ってしまった。

歌のリクエスト

使い始めはなかなかスマートな印象だったグーグル先生だが、開始10分で実は答えられることがあまり多くないような気がしてきた。「お役に立てなくてごめんなさい。勉強します」といった返答が目立つ。まずはビジュアルが無いので情報量が多いとギブアップなようだ。短い文章で答えられる質問をしてあげる必要がありそう。

あとはSpotifyと連動させて音楽を聞くのは私でも活用できそうでいいと思ったのだが、これはSpotify側にも原因があるのかもしれないが、聴きたい曲がなかなか出てこない。
旦那が「ビートルズのヘイ・ジュード」と言ったらすぐに流れ始めたのでこれは便利と感動したのも束の間、よく聞くと声と歌い方がポールじゃない。旦那に見てもらうと知らないバンドのカバーだった。
そして私が小沢健二とスチャダラパーの『今夜はブギーバック』をお願いすると、曲は合っているのになんちゃらスムースバージョンみたいなやたら声の高い人たちが歌うバージョンが流れた。再度チャレンジしたら謎な中国語の歌が流れた。
次に日曜日の朝に聴きたい曲をイメージしたら頭に浮かんだレキシの『きらきら武士』をリクエストすると、こちらも中国語の謎な歌が流れた。このグーグル先生はインド人と中国人の夫婦がいる家族に迎えられたと思っているのだろうか。

仲良くなるコツ

これから毎日顔を合わせるワケなので、たくさん質問をして彼女の話も聞いて、彼女がどんなことに詳しくどんなことが苦手なのかを探っていくことが必要になりそうだ。
さっそく心配なのは、我が家の彼女のポジションはキッチンテーブルの隣にある棚の高い位置なこと。これは子供たちから手の届かない場所ということで旦那が置いたのだが、視界に入りにくい。
いつの間にかその存在を忘れて、アパートから引っ越すときに埃だらけのそれを発見し「これ、何だっけ?」とならないように気をつけようと、現時点では思っている。