アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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私が3歳の息子に「もうムリだぁ〜」なワケ

先日、3歳児の長男がある日突然「もうムリだぁ〜」と言い出したという話をした。
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そんなことをブログに書いてからまだ2週間と経っていないのにまた“もう無理”なシチュエーションが2回もあった。
うちの長男 a.k.a ミスター・あまのじゃくの事件簿。


1. アイスが食べたい事件

ショッピングモールに買い物に行った。
長男はショッピングモールのキッズスペースで遊ぶのは大好きだが買い物に付き合わされるのは大嫌い。でも私はいくつか必要なものがあったので、なんとか長男をなだめながら買い物を強行していた。すると痺れを切らした長男が泣き喚きだした。

「わ~ん!アイス食ーべーたーいーー!!」

残すは食料品の買い物だけになっていたが、このまま続行するのは厳しいと思った私はとりあえずアイスクリームを食べさせてご機嫌取りをすることにした。

モール内にあるサーティーワンに到着。
長男もアイスクリームにありつけることに安堵したのかすっかり泣き止んだ。
彼がイチゴ味のアイスがいいと言うのでそれを注文しに向かった。すると色とりどりのアイスクリームが並ぶショーケースの前に『チャレンジザトリプル』のキャンペーンの看板があった。これはアイス2つ分のフレイバーの値段で3つのフレイバーが頼める、つまりアイス1個分がサービスになるというキャンペーンである。
(長男と一緒に食べるといつも取り合いになるから多いに越したことはないだろう。)
私はチャレンジザトリプルを注文し、3つのアイスを長男と2人で分けることにした。フレーバーもリクエストがあったイチゴ味の他にも彼が好きそうなものをチョイスした。

「はい、お待たせ」
長男にアイスを渡すと嬉しそうな顔を見せる。やっと機嫌が直ったと安心したのも束の間、2口ほどアイスクリームを食べた彼は信じられない一言を口にした。

「アイス食ーべーなーいーー!!」

いやいやいや、3分前までアイスが食べたいと泣いていた子供はこの子にそっくりだったけど、あれ!?あれれ!?

とりあえず疲れて甘えん坊モードになっているだけかもと思い、スプーンですくったアイスクリームを彼の口元までもっていくが、ぶんぶんとものすごい勢いで顔を左右に振りアイスクリームを断固拒否する。無理やり食べさせようとしたらますます激しく号泣しだした。

彼に食べさせることは諦め、私は溶け出したトリプルなアイスクリームに向き合った。

ポップな色が眩しい。
なんでサーティーワンって名前なんだろう。私サーティーファイブだけど全然あなたに親近感沸かない。
もしかしたら『31歳までは美味しく食べられます』って触れ込みなのか⁈負けてたまるか。
食べ物を残すのが好きではない私は、文字通りトリプルにチャレンジした。5年前なら喜んで平らげたであろうアイスクリームが2つ目からなかなか喉を通らない。
うぅっ。

押し寄せる甘さに私は無の領域に達した。そして気づいたらそこには空になったカップがあった。チャレンジ成功だ!
すると隣りでふくれっ面でその様子を見ていた長男が言った。

「わぁーん!!アイスクリーム食べたかったのにぃぃぃーーー!!!うわあああぁーーーん‼︎‼︎!」

私(もうムリだぁ~)


2. 座りたい事件

先日、午後4時半くらいに息子たち2人を連れて電車に乗った。帰宅ラッシュの前だったので車内はそんなに混んでおらず、でも席は埋まっている状態だった。
電車に乗った瞬間、長男が駄々をこね始める。

「ママ~、座りたいよぉー!」

私たちはドアの近くに立っており、近くの席に座っている人たちは寝ていたり音楽を聴いていたり、とりあえず動く気配はない。その電車には30分くらい乗る予定だったが、私は長男に「もうちょっとで降りるから頑張ろう」と声をかけた。しかし長男はグズグズし続けて床に座ってしまう。別に周りの人に迷惑もかけていないししばらく床に座らせておこうと思い、私は彼の隣りにしゃがんでいた。

すると停車駅に着き、一番端の座席に座っていた男性が立ち上がった。
チャンスと思いその席を取りに行くと、同じタイミングで中年男性が席に座ろうとした。私は反射的に「どうぞ」と席を譲ろうとしたが、男性もふて腐れた長男に気づき逆に席を譲ってくれたので、有難く長男を座らせてもらうことにした。

長男が座席に座り後ろを振り向こうとしたので嫌な予感がした。
彼は電車に乗るとよく後ろ向きに立ち膝になり車窓からの風景を楽しんでいる。しかし一番端の席は後ろが壁になっていて窓がない。
そして案の定、始まった。

「外が見えない!外が見ーえーなーいーー!!」

気まずい。
せっかく譲ってくれたオジサンに申し訳ない。
長男の隣りには音楽を聞きながら眠っている若い女性。はい終了。代わってくれる可能性ゼロ。「ちょっとだけど外見えるよ~ほら~」などと何を言っても聞かないあまのじゃくモードになっている長男を一応諭してみる。いくら言っても反論が倍になって返ってくるだけなのだが。

すると私より年上と思われる優しそうな女性が長男に話しかけてきた。

「お兄ちゃん、一人でお座りできてえらいねえ。私あそこに座ってたんだけど、そこなら外が見えるから席交換する?」

奇跡としか言いようがない。こんなに優しい人が乗り合わせていたなんて。有難い気持ちと申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちと、いろいろな気持ちが混ざり合って、とりあえず私は腰を90度に折り曲げたまま促されるままに長男を連れて移動した。何度も頭を下げ、長男も彼女に無事に「ありがとう」が言え、やっと外の景色が思う存分堪能できる席を手に入れた。しかも外には綺麗な夕焼け雲が広がっている。
私、今なら泣ける。


しかし、本当の悪夢はここからだった。

「ママ~!おそとキレイじゃないー!外がぜんぜんキレイじゃなぁーいぃーーー!!!」

車内に響き渡る長男の鳴き声。先ほどの女性にも聞こえていないワケがない。
申し訳なさ過ぎる。気まず過ぎる。

デーモン閣下、私を今すぐ蝋人形にしてください。
でも閣下の姿は見当たらなかったので、(私は地蔵)と強く念じて目を閉じた。



こんなことが起きると私は「もうムリだぁ~」となるワケだが、世の母親たちはみんなこのようなエピソードを乗り越えて日々生活しているに違いないのだ。なんということだ。私はあまのじゃくの取り説が欲しい。


そのうち彼のショッキングな言動に頭がやられてバチンっとショートしてしまいそうだ。

頭から煙出てたら誰か教えてください。


しかしよく電車で人に助けられる。
生きにくい世の中かもしれないが、優しい人っているもんだなぁ。

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