アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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欧米ではイクメンが当たり前?

先日、私の旦那のイクメンっぷりを紹介した。

www.heidima-blog.com


これを読むと、「欧米人は日本人に比べてイクメンが多いのかな」という印象を受ける人がいるかもしれない。
結論からいうと、私の印象ではおそらく皆様のご察しの通り。
「日本よりは多いが、そうでない人ももちろんいる」

スイスにおけるその理由を考えてみた。






日本よりイクメンが多い理由


男性の残業が日本よりはるかに少ない


日本に帰国して驚いたのが、女友達とお互いの旦那の話になると、毎日のように終電まで働いているという話を未だによく聞くこと。
昔の職場の友達から聞いた話が特にひどかった。彼女の旦那さんは職場と家が近いせいで終電も関係なく深夜2時まで会社にいるという。

こんな話はスイスでは聞いたことが無い。

と言ったとたんに思い出したが、そんな長時間労働している上司が2人いたが、2人とも日本人男性だった。


とにかく子供がとっくに寝ている時間まで会社にいなければいけない父親たちが育児に参加できるはずがない。土日だって疲れて休むことになるだろう。
たまに、そんな疲れ果ててあくびが止まらない父親が土日の公園で無理やり子供と遊んでいるのを見かけて、よっぽど

「私がお子さんと一緒に遊んであげますから木陰で寝ててください」

と声をかけようかと思うが、不審者扱いされても切ないので心の中で全力で声枯らしてエールを送るに留めている。
(最近、自分のこの「たまたま出会った見知らぬ人に声かけたい欲」とどう付き合っていいかわからずにいる。)


一方のスイスでは、私の周りで日をまたいで働いていた知り合いは、バーで朝方まで働いている男性と、ホテルに勤めている彼の奥さんのカップルだけだった。飲食店やホテルなど深夜まで働く職種ももちろんあるが、彼らは一日に15時間も働いているわけではない。バー勤めの男性は自分の出勤前に息子を保育園に迎えに来ていた。


スイスの残業の実態について旦那に聞いてみたところ、仕事によってはプロジェクトのために残業を強いられたりする職種もあるが、それはあくまでも期間限定の話で、日本のように長時間労働を連日のように強制したらすぐに訴えられて問題になるそう。
ちなみに私の旦那の職種は就労時間が比較的フレキシブルなので、私は大変助かっている。



そんなスイスの労働環境下ではプライベートな時間が多いので、もちろん父親だって子供と過ごせる時間が長い。日本でよくいそうな「たまに家にいて遊んでくれる人」にはなりにくいと思う。


欧米にもいる『非イクメン』

自分の旦那のイクメンっぷりを目の当たりにし、(ラッキー!)と当たりくじを引いた気になっていたら、周りのスイス人夫を持つ日本人妻たちも口々に言っているのを聞いた。「やっぱりこっちは日本人夫に比べて家事と育児に協力的だからいい」と。

ふむふむ、ウチだけではないのね。やっぱり日本より男女平等に関する意識の高い欧米の男性はイクメンだらけなのかと認識しそうになっていた矢先、そうでない人たちにも出会った。

スイス人もそれ以外の国の人も見た。たまたまかもしれないが、彼らに共通していたのは【趣味を諦めきれない】ということだった。

子供ができても自分の趣味を最優先にしてしまう。依存性のある趣味だったりするので本人だけの力ではどうすることもできなかったのかもしれない。

そしてもうひとつ彼らに共通していたのが、【子供が成長し、ある程度コミュニケーションがとれるようになると、それ以前より積極的に子供に関わろうとする】ことだった。

やはり母親には『妊娠』という母性本能を目覚めさせる期間が十分に与えられるが、父親が自分が目の前にいる赤ん坊の父親であることを“自覚”するまでに要する時間の長さには相当な個人差があるように感じた。



確かに笑いもしない新生児の相手は辛いと感じるのも理解できる。
どんなに美味しい母乳を出そうがどんなにキレイにお尻を拭いてあげようが、うんともすんとも言わない。
喋れないなら目で伝えてくれてもいいんじゃないかと思ったりするが、母乳をあげ終わると寝てしまっていたり、お尻をピカピカに拭いて新しいオムツを装着したとたんにブリっと音がすることだってある。
当てつけかよと言いたい気持ちになるが、彼らに罪はない。
私はある日の午前2時にこれを3回繰り返されたことがある。私は何とも言い表せない気持ちで、ただオロオロと涙を流した。
いや、正しくは大声で泣きわめき、その声で目覚めたオムツ替え大好きな旦那にバトンタッチした。


ちなみに、そんなうちの旦那は子供が生まれる前から父親になる準備のため本を読んだり母親学級にも同伴した。


そして、私と一緒に妊婦していた。






なぜこの写真が存在するのか今となっては謎である。



最後に、私は日本に帰国して、日本の父親が思っていたより育児に参加している印象を受けた。
父親が子供を連れているのもよく見かけるし、うちのイクメン旦那の上をいく日本人のスーパーパパも知っている。
本当に頭が下がる。あたしにゃでぎねぇ。


とりあえず私は育児を頑張っているお父さんたちを見たら、心の中で腕もげるほど振り回してエールを送っている。


(そんなことするより自分もっとやれ)