アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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スイスでもU.S.A.

このブログを読んでくださっている方々の中にはスイス在住の日本人の方も多いようで、
メルシー!ダンケシェーン!グラッチェ!(以下省略)

私がスイスに住んでいたころは日本の流行りにとても疎くなっていた。
もともと流行りには疎いのだが、日本にいると街中やスーパーで流行りの曲がかかっていたりするので嫌でも情報が入ってくる。
それが海外にいるとどうだろう。自ら探しに行かない限り、全く情報が入ってこないのである。
あ、ピコ太郎だけはジャスティンビーバーが彼を国際的スターにしてくれたおかげで例外的にこの山のふもとスイスまで情報が届いた。


スイス在住の日本人の方々、今、というか去年の夏から日本で流行りに流行っているこの曲をご存じだろうか。

www.youtube.com

そう、我らがDA PUMPが史上空前の大旋風を巻き起こしているのである。
あれ、DA PUMPってなんかメンバーが一人、また一人と問題を起こして消えてったんじゃなかった?
私もそう思っていたが、いつの間にかボーカルのISSA(イッサ)が新しい仲間を引き連れて復活していた。
え!4人より多くね?

そして気付けば街中でDA PUMPのこの大ヒット曲『U.S.A.』を耳にするようになっていた。
試しにYoutubeで何度か動画を見てみる。サビのメロディーはキャッチーすぎて一度聴いたら最後、頭の中でループするし、ジャンプしながら腕を振る、通称"いいねダンス"は一度見ただけで踊れてしまう。
この曲は私たちの想像を遥かに超える恐ろしい中毒性を秘めていた。

「カ~モンベイビーアメリカ」

我が家の4歳になる長男が隙あらばこのサビのメロディーを歌うようになるまでに時間はかからなかった。
朝起きたらまず何よりも先にGoogle Homeに話しかける。
「オッケーグーグル!ダパンプ流して!」

Google Homeに曲をリクエストするときに歌手名を言うと、その歌手の曲のプレイリストが流れてくる。
今現在、『ダパンプ』を指名すると一曲目に流れてくるのが噂の『U.S.A.』である。
この長男の朝のルーティーンが始まってもう4、5カ月は立つだろうか。
毎朝同じ曲を聞かされる私、夫、そして1歳半の次男。
次男は、兄がこの曲を流しながら狂ったように歌い踊るのを見ているうちにすっかり侵され、
今では長男の「オッケーグーグル!ダパ…」のタイミングで食事中だろうが椅子の上に立ち、猪木さながらコブシを振り上げてスタンバイするようになった。
挙句の果てにうちのスイス人夫までつられて歌い始める始末。

実はこの曲、DA PUMPのバージョンはカバーでオリジナルはイタリア人が歌っているらしい。
全然アメリカ人じゃないんかい。同じく我が家では1ミリもアメリカ人ではないスイス人が気持ちよく歌っているのが頷ける。


神出鬼没

長男は朝のルーティーンに飽き足らず、外出先でも唐突に「カ~モンベイビーアメリカ」と歌い踊るようになった。
ある日、スーパーマーケットで買い物中に長男を見失い、「カ~モンベイビー…」と聞こえてきたのでその方向へ急ぐと、なんとそこにいたのは長男と同い年くらいの別の男児であった。
どうやら発作が出てしまうのはうちの子だけではないらしい。


そしてある日、幼稚園のお迎えに行くと、そこには「カ~モンベイビーアメリカ」と歌い踊る男児が。
これはもう幼稚園の先生が気の毒にさえなってくる。
思わず先生に「この曲、もうお腹いっぱいじゃないですか?」と聞くと、先生は「保護者の中には幼稚園で踊らせていると思っている方もいるようです。踊らせてないんですが」と、困り顔だった。

勘違いしてほしくないのだが、私はDA PUMPが好きだ。SPEED世代ど真ん中なので、DA PUMPもデビュー当時から聞いているし、SPEEDほどファンではないにしろ売れた曲はほとんど知っている。
しかし、この曲を毎日聞かされ、キャッチーすぎるおかげで頭から離れなくなると話は違ってくる。
スーパーで買い物をしていると、有線か何か定かではないが店内でもいまだにこの曲が流れてくるのだ。
発売は去年の6月である。もうそろそろこの曲よくないですか。

スイスでもU.S.A.

そして実は今、我々一家はスイスにある夫の実家に帰省中なのである。
昨日は家族みんなで山の方へ遊びに行き、山に囲まれた町にあるとてもスイスっぽいレストランでスイス料理を堪能した。

食事を先に終えた息子が口ずさむのはやっぱりU.S.A.。
みんな食べ終わり会計を終え席を立ち、入り口まで例の"いいねダンス"をしながら移動する息子。

アルプスの山々にこだまする「カ~モンベイビーアメリカ」。
いや、ここ全然アメリカじゃないし。
歌って踊る子供は茶髪だけどアジア人顔だし。

周りのスイス人たちに白い目で見られながらの楽しいスイス珍道中が幕を開ける。