下の子はもうすぐ4歳になる。
保育園に自転車で迎えに行くと、家までの帰り道でその日あった出来事を話してくれる。
家に着けば長男が待っているので、自転車に乗っている時間が束の間の私と彼、2人だけの時間。
今日の帰り道、急に息子が言った。
「今、バイクに乗りながらタバコ吸ってる人いた!」
「そっか。危ないね。」
「うん!タバコは柔らかいから強く持てないからね!」
私も夫も元喫煙者だが、子供たちが生まれる前にやめていたので、息子のタバコのことを知っているような口調に軽い違和感を覚えつつ、
「ところで、タバコって何だか知ってる?」
と聞くと、息子から思いがけない返答が。
「A君(息子の保育園で1番の仲良し)が園庭でタバコ吸ってたよ。」
いやいや、4歳の男の子がタバコを、しかも事もあろうに園庭で吸うなんてありえないだろう。
「本当に⁈ タバコだったの?どんな色してた?」
「なんかねぇ、クロかった」
それって電子タバコ?はたまたやたら匂いのきつい外国のやつか⁈
「黒かったんだ?それって普通のタバコじゃなくて、電子タバコっていうやつかなぁ?」
「ちがう、ただめちゃくちゃ汚いだけ!」
これは。
4歳にしてシケモクの味を覚えてしまったのだろうか。
園庭に吸い殻が落ちていることもなかなか考えにくいが、A君が自分の体を大切にする選択をすることを願わずにいられない。
カブトムシが大好きな、愛くるしい顔した男の子なのである。
いやいや、彼は吸ってないだろうよ。
息子よ、お前は何を見た。
そういえば禁煙しようとしてたとき、我慢できずに一度捨てたシケモクをゴミ箱から拾って吸ってたな。
ザ・中毒。
週末まで折り返し地点の水曜日。
マズくてうまいシケモクの味を思い出す水曜日。