アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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息子、小学校でハーフの洗礼を受ける

今日、ふと息子が私に言った。

「ママ、ナニコレ珍百景なんだけど」
何が?と尋ねると、
「学校でね、ほとんど毎日ね、誰かに聞かれることがある」とのこと。

ではクラスメイトに聞かれる質問とそれに対する息子の答えを見ていこう。


第一問
Q「英語しゃべれる?」
A「しゃべれるよ」
 答え:× 
息子は英語を話さない。
なぜ嘘をつくのか。英語学習が始まったときにウソがばれて、自分の首を絞めることになるのだよと言ったら、
「話せるじゃん!アポー!オォーレンジ!ピィーチ!」と果物の名前を3つ言った。
それは話せるとは言わないと伝えても諦めない。
「バターはね、バロー(BTSの曲が大好き)だよ!」
いや、単語4つ知ってるだけじゃ話せるとは言えないのだよベイベー。
なぜ、英語は話せないけどフランス語はちょっと話せる(正しくは、話さないけど理解できるのだけど)と言わないの?と聞くと、
「フランス語よりも英語がいいもん。英語習いたい。」と。
お父さんが聞いたら泣くよ。
そして私がフランス語で(フランス語話そうぜ!)、そしてすぐさま英語で(英語がいいなら家で英語で話してもいいんだぜ?)と
ブロークン・マルチリンガルの能力をひけらかしたら、
「ママはフランス語も英語もしゃべんないで。ママのしゃべり方ヘンだから」と一蹴されて泣いた。

第二問
Q「どこで生まれたの?」
A「スイス」
 答え:〇
彼はスイスで生まれた。雪の舞い散る冬の日に無痛分娩で誕生した。
果たして小学一年生の何パーセントが”スイス”という国を認識しているのだろうか。
私も自分がスイス人と出会う前は、「ヨーロッパにある中立の小さい国。あとハイジ」くらいのイメージしかなかった。
私がスイスに住んでいたと話すと、スイスは北欧だと思っている人が一定数いる。
あと、言語はスイス語?ともよく聞かれる。国語が4つもあるのでちょっと説明が面倒。
息子が「スイス」と答えたあとの友達のリアクションが気になるし、
息子が「スイスってどこにあるの?」などと質問返しされたときの回答も気になる。
(みんな知らないと思って適当なこと言ってそう・・・)

第三問
Q「ナニ人?」
A「スイス人」
 答え:△
彼はスイス国籍と日本国籍の両方を取得しているので、スイス人であり日本人でもある。
これは彼に説明し、次回もし同様の質問を受けた場合は、「スイス人と日本人だ」と答えたら?と提案すると、
「スイス日本人って言う!」とのことだ。はいどうぞ。


そして私は息子に聞いた。
「なんでみんなあなたにそういう質問をしてくるんだと思う?」と。
すると、息子は「髪が茶色いからかな」と答えた。
クラスメイトの中には、「髪は黒い方がいい。日本人だとすぐ分かるから」と言ってくる女子もいるそうで、
何だか複雑な気持ちになった。

人口の4分の1(また増えてる⁉)が外国人と言われるスイスにいれば、小さいころから当たり前に多様な人種と生活していくことになるので、
こういう発言は良くも悪くも日本らしいと感じる。
息子が初めて行ったスイスの保育園にも、多数派はヨーロッパ系ではあるが、アフリカ系、アラブ系、そして息子を含むアジア系の子供たちがいたし、
先生だってスイス人だけではなく、めちゃくちゃ訛りの強いイタリア人女性もいたりなんかして、雰囲気がよかった。
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日本も私が子供のころに比べれば外国人居住者が増えているとはいえ、スイスとは比べ物にならない。
ハーフの子育てについて数年前に心配していたことが現実味を帯びてきたようだ。
お母さんは見守るし、話聞くよ。
ただ、嘘はつかないでおくれ。英語は話せるんじゃなくて、単語を4つ知ってるに訂正しておくれ。

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