アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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手抜きを極める

面倒くさがりな私は、大して忙しくもないのに出来るだけしないで済むことはしないで生きてきた。

そんな私がうっかりしていたのは外国人と結婚してしまったこと。
役所の手続きとか海外への引っ越しとか面倒なことだらけだ。

そしてこんな人間が母親になるとどうなるのか。
ちなみに母親になったのはうっかりではない。

もともと私は特に子供が好きなタイプではなかったが、自分の子供を持つことには興味があった。
そして私だって女の端くれ。
きっと『母性本能』というものが備わっているはず。
産めば本能的に母親として生まれ変わるかもしれない。
だらしない夫でも子供ができたら変わるのではと期待する奥様方がいるが、私はそれを自分自信に期待した。

ありがたいことに2人の子供に恵まれ、面倒くさがりでも2度の出産を無事に終えることができた。


出産直後は我が子のかわいさと家族が増えた幸せに酔いしれた。
新生児の何もできないその無力さと命の尊さが私の中にどうやら存在したっぽい母性を呼び覚ました。
世話をすることに義務感すら感じず、ただ毎日ひたすら乳をやりオムツを替えて日々を過ごす。

そして日々家事と育児に追われる生活を続けていると、徐々に本来の面倒くさがりな自分が戻ってきた。
いやでもやるべきことが増えるため、ますます家事をする際に手を抜ける箇所を探す。

この辺りから食器を毎回食器棚にしまうのをやめ、まだ畳んでいない洗濯物の中から探して服を着たりし始める。


そして育児までもが手抜きターゲットになるのに時間はかからなかった。
以下、私だけじゃない気がするけど私も実践してます手抜きポイント。

オムツ替えのお尻拭き

最初はオムツ替えのとき、おしっこだけのときも律儀にお尻拭きで拭いていたが、あるママ友が「おしっこのときは拭く必要がない。むしろお尻拭きに含まれる成分が原因でかぶれる子もいる」と教えてくれたので、喜んで拭かないことにした。

トイレ

ある日、外出先で私はトイレに行きたくなった。
日本ではよくトイレには子供を座らせるベビーチェアがあるが、スイスでは見たことない。
子供を抱っこ紐で抱っこしたまま用を足す。
今は日本にいるし、子供もベビーチェアが使える年齢になっているが、いちいち抱っこ紐から出したり入れたりが面倒なのでそのまんま。

どこでも授乳

ドラえもんみたいになってしまったが、これは特に外出したときのこと。もうどこでもする。歩きながらも。
理由は授乳のたびに場所を探すのが面倒だし、時間がもったいないから。
スイスにいたときは授乳室なんて見たことは無かった。
これはビックリしたが、スイスではひと目も憚らず公共の場で隠しもせずに授乳する母親たちが結構いる。
カフェや公園、レストランでも見たことがある。

私は日本で始めてその存在を知った授乳ケープも買ったものの、面倒くさくて持ち歩いていない。
さすがに丸出しする気にはなれないので、子供と外出するときはいつもダブダブのTシャツやセーターを着て、子供を抱っこ紐で抱っこし、授乳するときは服の中に子供を隠して授乳している。
これなら公共の場でも授乳ケープを使うより『授乳してます感』が出ないし、まじまじ見ないとただ抱っこ紐をつけている人にしか見えないようで、友人達も言われるまで気づかないと言う。
何より授乳のために自分のしていることを中断する必要がないので気に入っている。



以上は子育てに関することだが、それ以外のことで言えば、朝の洗顔もやめた。
嘘か本当か怪しいが、パリジェンヌがそうしているとテレビで見たのを真似し化粧水で顔を拭いている。
パリジェンヌって、ただパリに住んでる女ってだけなんだけどね。


夜の洗顔もどんどん簡易化されてきている。
まずは夜メイクを落とすのが面倒なので拭き取りタイプのメイク落としに変えた。
それさえ面倒になりファンデーションを使うのをやめ、化粧は眉毛とマスカラだけにした。

マスカラはお湯で落ちるタイプなのでクレンジングしなくても問題ない。

眉毛は何もしなくても安い眉用ペンシルを使えば夜にはもうほとんど落ちている。



シートマスクも使うことが面倒になってしまい、なくならない。



ここまで来てもまだ手を抜くことをやめられない。
コンディショナーもお出かけする日の前日しか使わない。
だから基本的に髪の毛はボサボサだが、最近では見慣れて何とも思わなくなってきた。

慣れって怖くない。素晴らしい。