アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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代々木公園 欧米人には天国 日本人にはカオス

先日、友人に誘われたピクニック de 代々木公園に一家で参加した。
代々木公園に行くと必ずと言っていいほど外国人と日本人が一緒にワイワイしている集いを見かけるが、私たちもたまーにそういうところに混ざっている。

私が代々木公園に行くのは帰国してから2度目だった。
前回訪れたのは3月上旬で、参宮橋門という原宿駅の反対側の入り口から公園に入った。
入り口付近には犬の散歩をする人たちがたくさんいて、奥に進むと早咲の桜が咲いており、そのまわりには記念撮影をする人たちが集まっていた。

変わるけど変わらない

今回は原宿駅から向かう。
私のようにたまにしか行かない人間にとって、原宿駅近辺は来る度に景色が違う不思議な場所。
今回は駅のホームが工事中。
原宿駅から代々木公園に行くには神宮橋を渡るが、そこでは一組のバンドが演奏をしていた。
(そういえば数年前まで見かけたビジュアル系のコスプレ族は今何処。)
バンドメンバーは20代くらいの男性3人と女性1人。男性ギタリストの真っ赤なエレキが印象的。
そしてサウンドはどこまでもポップ。もしやバンド名は『ハッピー』なんじゃないかと思うほどうきうきなギターポップ
カジヒデキとか懐かしい名前が思わず頭に浮かぶ。

“ハッピー”を横目に公園の入り口まで来ると流れてくる音楽がガラッと変わりロカビリー。
そしていたいた。代々木公園名物のツイストおじさんたち。
80年代に流行ったローラー族という人たちらしいが、激しくツイストする人たちの中には白髪リーゼントのおじさんまで。時代を感じる。
ちなみにどうでもいいがリーゼントはフランス語でバナーヌ(バナナ)。
半袖Tシャツ姿でも暑くて汗が出るのに、全身デニムで革靴を履いて踊るこの方たちも普段はスーツ着て会社員しているのだろうか。


代々木公園っぽい人たち

公園の中を進むとその眺めに思わず顔がほころぶ。
ここにいる人たちを見ると「ああ、代々木公園に来たんだな」と思う。
よくいるのは民族楽器を演奏する集団やジャグリングを練習する人。
他に目に入ってきたのは派手な服を着た女性とそれを写真に収めるカメラマン。
そして奇抜なダンスを教える男性とそれを習う3人の女性。

この日一番気になった人は『無料人生相談』という看板を掲げて一人で座る男性。
通りがかりに横目で確認できたその出で立ちはヒップホップっぽい(?)ファッション。
黒いタンクトップに黒いキャップ、そして黒いサングラスに微笑を浮かべている。
年齢不詳だが40は過ぎていそうな雰囲気。
他人の相談にのれるくらいなのできっと人生経験は豊富なのだろうが、無料と言われても近づくのに勇気が要る。


失って初めて気づく

そんな思い思いに休日を楽しむ人たちのあいだを通り抜けて友人たちのピクニック現場までたどり着いた。
そこには私たちの友人の他にもたくさんの人たちがいて、総勢20名はいそうだった。
その中にいた初めて会うアメリカ人の男性と何となく話し始める。
日本語が堪能な彼は日本に住んで12年になるらしい。
彼が日本に住んでいる理由の一つが、まさにこのピクニックのように外でビールを飲みながら友達と時間を過ごせるからだという。
私は彼と話すまで知らなかったのだが、アメリカのほとんどの州では公共の場での飲酒は禁止されているらしい。
そう言えば、私が2009年にワーホリで滞在したフランスでは人々は街のあちらこちらでビールやワインを飲んでいたが、その数年後にパリに遊びに行き思い出のポンデザール(Pont des Arts)という橋の上でピクニックをしに行くと公共の場での飲酒は禁止されていた。
法律が施行されたばかりだったのか、橋の上には警察官が何人も目を光らせ人々が背後に隠しているワインボトルを片っ端から没収していった。
大勢の警察官に睨まれながらのノンアルコールなピクニックは、私の人生におけるワースト・ピクニックの座を揺るぎないものにしている。


これらの国から日本に移住してきたお酒好きな外国人にとっては代々木公園のような場所は天国のようだ。
休日の真っ昼間から青空の下で友人たちと語らいながら飲むビールは最高なのである。


しかし日本でも東京オリンピックに向けて法整備が行われ、もしかしたら喫煙同様、飲酒に関する法律も変わってくる可能性もあるかもしれない。
公共の場での飲酒が禁止になると何が起きるか。

お花見でビールが飲めなくなる。

これは非常に悲しい。
そんなお花見いらない。

alpestakao.hatenablog.com


そうそう、スイスもまだ公共の場での飲酒は禁止されていない。
スイスからこの楽しみをとったら本当にチーズとジャガイモとチョコレートしかなくなる!


あと山!