アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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ユニクロとGUのレジの話で拗れる

週末、久しぶりにユニクロで買い物をした。
下着や靴下などが入ったカゴをレジに持っていくと、店員はそれらをカゴから取り出し「計5点で◯◯円でございます」と言った。
何か手順が抜けたような、テンポが狂う感覚があった。
あれ、最近の日本のレジのバーコードリーダーは“ピッ”とかいわなくなったのか。

たいして気にしていなかったが、今日GUでまた靴下を買いに行ったら同じことが起きた。
レジの店員は商品についているタグのバーコードを読んでいない。
カゴから商品を出したタイミングで合計額が言い渡された。

すごい!はやい!

スイスというのどかな国から戻った私は浦島太郎状態で、きっとここに住みつづけていたら何とも思わなかったであろう日本のテクノロジーの進歩に感動しちゃうのである。

alpestakao.hatenablog.com

気になってネットで調べたら見つけた。
ICタグで瞬時に清算ができるらしい。
www.youtube.com

これはスイス人の旦那に報告しなくては。
そして帰ってきた彼にその話をした。

旦那「ああ、それならワタシは11年前のシーテック ジャパン(ざっくり言うとテクノロジーのイベント
CEATEC JAPAN 2018 ( シーテック ジャパン 出展募集 公式サイト ))で見てるよ」



これが噂の『エンジニアと一緒になるんじゃなかった』と思う瞬間である。
今更そんな話してるのかとウトい私を小馬鹿にしたような口調。

所詮、ウトい私には分からないが、分からないなりに彼の興味を察して話題を振ると「それワタシがやってることと違うよ」と素人な私を突き放し、今回のように専門外だろうけど興味あるかもと思うことについて話すとそんなの知ってるぞっていう態度。
ああ、どうして私はいつも彼にやっかいな話題を振ってしまうのでしょう。

そして私もそこで止めりゃいいのに続けてしまう。

私「でもその技術がレジで実用されてるのは見てないんでしょ?すごいはやかったよ」

旦那「あそ。だいぶ前から技術はあったけど高かったから企業も最近まで導入できなかったんじゃないかな。また人手がいらなくなるね」

私「……」



最近、脱主婦が頭をちらつく私。
求人が増えているニュースも聞くかたわら人員削減している大企業があるのも現実。
数年後には就職先が見つかっているといいのだが。
その前に次男の保育園がない。
さて、何から手をつけよう。


とりあえず仕事もないのに手当たり次第に靴下を買うのをやめることから始めよう。
最近、子育てのストレスと自分で稼いだ自由に使えるお金がないストレスから、やたら靴下を買ってしまう。
靴下なら値段も高が知れているし、消耗するので買うことに罪悪感が少ない。
でもすでに買いすぎて私のタンスの靴下コーナーに収まりきらない。
買ったら古いのは捨てるべきなのだろうが、穴が空いていないものは捨てるのがもったいない。
いい加減にしようと思っていたら、今度は息子の靴下を買ってしまうという症状に陥っていた。
そしてこっちも捨てれない。
洗っても落ちない土汚れで茶色くなった靴下たち。
最初はショッキングだが徐々に見慣れて最初から茶色っぽい靴下だったかのような錯覚に襲われる。
捨てどきを逃してしまったタンスのジャガイモたち。
さすがに息子が気の毒になった私が買った息子の靴下を見て旦那が言った。

「ああ、ワタシも靴下買わないといけない」

これは私に買い物をお願いしているという意味にとっていいのだろうか。
彼は服に興味がないのでそういうことにしよう。

気持ちよくあと数足の靴下が買える。
ありがとう、エンジニア。


よーし再就職したら思いっきり靴下買ってやるぞー。
あ、その前に靴下用のタンスも買わないと。

美容院の葛藤

2人の暴れまわる息子がいる我が家は常に散らかり放題。そのため頻繁に掃除機をかけなければいけない。
これは多少の埃には目をつむりがちな私のようなズボラ主婦にとっては、結果的にありがたいことと思うことにしている。
掃除機をかける目的は主に子供たちが食べ散らかし床に落ちたものをキレイにすることなのだが、その際やたら目につくのがあちこちに落ちている私の髪の毛。


ああ。
髪を切りに行きたい。


7ヶ月前に美容院で胸の下まであったロングヘアをショートカットにした。
その後一度も美容院に行けてない。
メンテナンスしていないショートはイケてない。
一ヶ月ほど前、耐えきれずに自分で襟足の髪を5cmほど切ったら頭が三角形になった。
東京のどこかで黒い三角形が歩いているのを見かけたらそれは私かもしれない。

自慢じゃないけど

私が唯一これは他人に負けないと自信を持っているもの、それは髪の毛の量である。
太い、硬い、うねる、という三重苦を背負っているのに、スイスにいたころはやたらこの髪質をうらやましがってくる猫っ毛スイス人女子たちがいた。

「あなた、髪が多くていいわね。コシもあるし」

そういわれるたびに私はあなたのような猫っ毛が羨ましいわと返していた。
私は物心ついた頃から髪が多かった。
美容院に行って美容師から言われなかったことがない。
「髪の毛多いですね」と。

あるときは「今まで出会った中でお客様の髪の多さは5本の指に入ります」と願わずもランクインした。
そしてまたあるときは「髪の毛多いねぇ〜。お父さんはヤマアラシ⁈」と客との距離感を掴むのが苦手な美容師に笑えない冗談を言われた。

人生は似合う髪型探しの旅

前回は久しぶりの日本の、しかも初めての土地での美容院に緊張していたが、美容師の男性は気さくで控えめでとても好感が持てた。
ヤマアラシの人とは対照的。
私がショートカットにしたいと告げると、彼は笑えない冗談を言う代わりに小声で「ツーブロックにしてもいいですか?」と言った。

つまりそういうことなのだ。

髪の毛が多すぎてショートヘアの収まりがつかないので、思い切ってベリーショートにするか、しないなら内側を刈って上から髪をのせるのが最良の方法となるらしい。
案ずることなかれ、美容師さん。
私がツーブロックを提案されたのは初めてではありません。

「はい、お任せします」
私はそう答え、手元の雑誌に目をやった。
そこには私の髪質じゃ到底できないようなふわふわパーマのロングヘアの女性がいた。
パーマは若い頃に何度かトライしたが、あまりフェミニンな雰囲気にはならず、ただ雰囲気だけで言うなら欧陽菲菲にはなれた。

この毛量を携えて生きるには多少の諦めが必要である。
ファッションに興味を持ちはじめた中学生のころは、雑誌の中で気に入った髪型のモデルの切り抜きを握りしめて美容院に行った。
自分の髪の量や硬さは自覚していたが、憧れは『外国人風くせ毛ショート』。
工夫すればちょっと寄せれるはずと、どこか夢を捨てきれない自分がいた。
そのせいで何人の美容師を悩ませただろう。
「お客様の髪質でこのヘアースタイルは難しいと思います」と言いにくそうに伝えてくれた美容師もいた。
「仕上がりは多少変わりますがよろしいですか」
そんなことも何度も言われた。

中学3年のとき、懲りずにハーフモデルの切り抜きを握りしめて美容師に行き、不可解な不揃いザンギリ頭になる。
切った直後は「これでいいんだ。これが個性だ」と謎に自分に言い聞かせていたが、誰がどう見たっておかしい髪型だったことに気づいたのは、出来上がった卒業アルバムに載った自分の写真を見たときだった。
それ以降、私は『外国人風』を封印することを心に決めた。

『◯◯さんみたいな髪型にしたい』が言えない

先日、テレビを見ていたらたまたま出ていた小松菜奈という女優がとても素敵なショートカットをしていた。
髪が切りたい私は「これだ!」と心の中で叫んだ。
しかし美容院で自分より10歳以上も若い女優の名前を出すのは何となく気が引ける。
若作りしたいアラフォーとか思われたらシャクだ。
他にショートカットがトレードマークの有名人いるかな。

すぐに思いついたのは芸能界の女帝、和田アキ子だった。
ショートにはしたいけど和田アキ子のショートは好みではない。
それ以前に彼女やたら髪がツヤツヤでサラサラだから私の髪じゃ無理。
その次に思いついたのが片桐はいり
2人とも小松菜奈からのギャップがすごいのは置いといて、誰かの名前を出すと(この人、その人みたいになりたいんだな)と思われるような気がして恥ずかしい。
小松菜奈の髪型にしたいけど私は小松菜奈になりたいわけではない。
いや、なれるもんならなりたいけど、なれないことは分かっている。
とりあえず三角形が普通のショートカットになれば小松菜奈にはならなくとも今よりマシな母さんになるはず。

ちなみにこんな母さんから生まれた長男の髪質は私のに似ている。
まだ3歳なので質感はサラサラだが硬くて量も多い。
ただ色が茶色いのでボサボサでも気にならない。
次男は髪があまり生えていない状態なのでまだ何とも言えない。
もし長男がこのままずっと私のような髪質で成長して、『外国人風』のヘアスタイルを注文したらどうなるのだろうか。
髪がどうなろうが顔が外国人風なら外国人風に見えるのだろうか。
いや、そんなことより次男の髪が無事に生えるのかが心配だ。
今のところ左耳の後ろの毛だけがくらげの触手のように伸びつづけている。


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代々木公園 欧米人には天国 日本人にはカオス

先日、友人に誘われたピクニック de 代々木公園に一家で参加した。
代々木公園に行くと必ずと言っていいほど外国人と日本人が一緒にワイワイしている集いを見かけるが、私たちもたまーにそういうところに混ざっている。

私が代々木公園に行くのは帰国してから2度目だった。
前回訪れたのは3月上旬で、参宮橋門という原宿駅の反対側の入り口から公園に入った。
入り口付近には犬の散歩をする人たちがたくさんいて、奥に進むと早咲の桜が咲いており、そのまわりには記念撮影をする人たちが集まっていた。

変わるけど変わらない

今回は原宿駅から向かう。
私のようにたまにしか行かない人間にとって、原宿駅近辺は来る度に景色が違う不思議な場所。
今回は駅のホームが工事中。
原宿駅から代々木公園に行くには神宮橋を渡るが、そこでは一組のバンドが演奏をしていた。
(そういえば数年前まで見かけたビジュアル系のコスプレ族は今何処。)
バンドメンバーは20代くらいの男性3人と女性1人。男性ギタリストの真っ赤なエレキが印象的。
そしてサウンドはどこまでもポップ。もしやバンド名は『ハッピー』なんじゃないかと思うほどうきうきなギターポップ
カジヒデキとか懐かしい名前が思わず頭に浮かぶ。

“ハッピー”を横目に公園の入り口まで来ると流れてくる音楽がガラッと変わりロカビリー。
そしていたいた。代々木公園名物のツイストおじさんたち。
80年代に流行ったローラー族という人たちらしいが、激しくツイストする人たちの中には白髪リーゼントのおじさんまで。時代を感じる。
ちなみにどうでもいいがリーゼントはフランス語でバナーヌ(バナナ)。
半袖Tシャツ姿でも暑くて汗が出るのに、全身デニムで革靴を履いて踊るこの方たちも普段はスーツ着て会社員しているのだろうか。


代々木公園っぽい人たち

公園の中を進むとその眺めに思わず顔がほころぶ。
ここにいる人たちを見ると「ああ、代々木公園に来たんだな」と思う。
よくいるのは民族楽器を演奏する集団やジャグリングを練習する人。
他に目に入ってきたのは派手な服を着た女性とそれを写真に収めるカメラマン。
そして奇抜なダンスを教える男性とそれを習う3人の女性。

この日一番気になった人は『無料人生相談』という看板を掲げて一人で座る男性。
通りがかりに横目で確認できたその出で立ちはヒップホップっぽい(?)ファッション。
黒いタンクトップに黒いキャップ、そして黒いサングラスに微笑を浮かべている。
年齢不詳だが40は過ぎていそうな雰囲気。
他人の相談にのれるくらいなのできっと人生経験は豊富なのだろうが、無料と言われても近づくのに勇気が要る。


失って初めて気づく

そんな思い思いに休日を楽しむ人たちのあいだを通り抜けて友人たちのピクニック現場までたどり着いた。
そこには私たちの友人の他にもたくさんの人たちがいて、総勢20名はいそうだった。
その中にいた初めて会うアメリカ人の男性と何となく話し始める。
日本語が堪能な彼は日本に住んで12年になるらしい。
彼が日本に住んでいる理由の一つが、まさにこのピクニックのように外でビールを飲みながら友達と時間を過ごせるからだという。
私は彼と話すまで知らなかったのだが、アメリカのほとんどの州では公共の場での飲酒は禁止されているらしい。
そう言えば、私が2009年にワーホリで滞在したフランスでは人々は街のあちらこちらでビールやワインを飲んでいたが、その数年後にパリに遊びに行き思い出のポンデザール(Pont des Arts)という橋の上でピクニックをしに行くと公共の場での飲酒は禁止されていた。
法律が施行されたばかりだったのか、橋の上には警察官が何人も目を光らせ人々が背後に隠しているワインボトルを片っ端から没収していった。
大勢の警察官に睨まれながらのノンアルコールなピクニックは、私の人生におけるワースト・ピクニックの座を揺るぎないものにしている。


これらの国から日本に移住してきたお酒好きな外国人にとっては代々木公園のような場所は天国のようだ。
休日の真っ昼間から青空の下で友人たちと語らいながら飲むビールは最高なのである。


しかし日本でも東京オリンピックに向けて法整備が行われ、もしかしたら喫煙同様、飲酒に関する法律も変わってくる可能性もあるかもしれない。
公共の場での飲酒が禁止になると何が起きるか。

お花見でビールが飲めなくなる。

これは非常に悲しい。
そんなお花見いらない。

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そうそう、スイスもまだ公共の場での飲酒は禁止されていない。
スイスからこの楽しみをとったら本当にチーズとジャガイモとチョコレートしかなくなる!


あと山!


アジア人は若く見られるという噂

いつからだろう。
初対面の人に年齢を聞かれて、
「何歳に見える?」と聞き返さなくなったのは。

答えは初対面の人にあまり年齢を聞かれなくなってから。つまり7、8年前だろうか。

そう、思い返せば20代前半の頃はよく他人に年齢を聞かれた。
会社の飲み会に居合わせた隣の部署の上司や先輩にも聞かれた覚えがあるし、友達に誘われて行ったホームパーティーで出会った人々とも自己紹介がてら年齢の話もした。
そして今思い出すと自意識過剰で気持ちが悪いが、年齢を聞かれるとよく、
「いくつに見えますか!?」
などと聞き返していた。The 若気の至り。
そして気づいたら年齢を聞いてくる人はほとんどいなくなった。
たまに聞いてくるのは子供の関係で知り合うママ友くらい。
きっと私はもう「年齢を聞きにくい年齢」だと思われているか、あるいは私の知り合う人も「他人の年齢に興味がない人たち」になったのかもと推測する。
私自身は「たまに興味があるけど興味ないふりしたい」グループに所属。

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年齢はあまり気にしない印象のヨーロッパ人

私の旦那は彼の友達や仕事仲間の年齢をあまり知らない。

彼が思うに日本人の方が年齢を気にするのは礼儀を重んじるからではないかと言っていた。
確かに日本では自分より年上の相手には敬語を使うのが普通。
フランス語でも敬語にあたるものは存在するが、相手が“同年代”と見なせば年長者でもタメ語だし、20歳くらい年上そうな相手でも初対面でもタメ語でOKなこともあるらしい。
旦那曰くその判断基準は『雰囲気』だそう。

スイスで彼の地元の友達たちに会うときも、みんな同級生のように仲良く話して小突きあっているが、実は10歳近く年が離れている友人もいたりする。
日本では10歳も離れたらどうしても先輩後輩のような間柄になりがちなように思う。

このように我々日本人より年齢に執着していなさそうなヨーロッパ人。
そんな彼らにも年齢を気にせざるを得ないときがある。


ドイツの奇跡

私が初めてヨーロッパに住んだのは二十代後半。
フランスのパリにワーホリビザで1年間滞在した。
引っ越して間もなく、ヨーロッパ在住の日本人の友達を訪ねてドイツへ旅行したときのこと。
私たちは屋台でホットワインを買うことにした。
友達がお姉さんにちょっと緊張気味にドイツ語で話しかけた。

友達「ホットワインを2杯ください」

お姉さん「えっと、これ私も仕事だから聞かなきゃいけないんだけど、あなたたち何歳かしらぁ?」

友達「え。27歳ですけど」

お姉さん「あ!そうなのね。OK、OK、うふふ」

お姉さんは年齢を聞いてしまったことをちょっと恥ずかしそうにしていたが、聞かれた我々は人生でもう二度と経験できないと思っていた『年齢確認』をされ、その嬉しさに狂喜乱舞した。
当時の詳しいドイツの法律は知らないが、おそらく17歳以下に見られたようだ。
やはりアジア人が若く見えるという噂には信憑性あり。

スーパーの敵

ドイツでの一件から5年の月日が流れ、私は既婚者となりスイスに移住した。
その後、妊娠と出産を経て母親になった。
そしてあっという間に気づけば33歳。仕事も復帰し授乳生活も落ち着いてきた。

待ちに待ったビール解禁。


一人スキップしながらスーパーにビールを買いに行きセルフレジで支払いをしようとすると、年齢確認商品を購入したためスタッフが参りますとの表示が。
ルンルンでスタッフを待っていると、真っ赤なショートカットのおばちゃん(50代くらい)が現れる。
普段ならスタッフが私の顔を一瞥しレジの機械にカードをかざして無事清算が終了するのだが、今日のこのおばちゃん、なんだか私を睨みつけている。
私は彼女の方に顔を向け、33年の歴史が刻まれた顔を見せるがおばちゃんはカードを機械に近づけようとしない。


まさか。
緊張が走る。


おばちゃん「すいませんが身分証明書を提示してください」


私(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!)


可笑しくてニヤニヤするのを堪えながら財布から身分証明書を取り出しておばちゃんに見せた。

おばちゃん「えっと…あらま!…メルシー」

狐に化かされたような顔をしながらカードをかざしてくれた。
20代後半で年齢を聞かれたときは喜んだのに、30過ぎて聞かれると私の方こそ狐に化かされたような気持ちになった。
スイスは16歳からビールとワインが買える(つまり飲める)ので、おばちゃんは私が15歳以下だと判断したということ。実年齢の半分以下だ。
ちなみに私は童顔と言われたことは人生で一度もない。
おばちゃん、視力を調べた方がいいんじゃないか。


帰宅して旦那に速攻この話をしたのは言うまでもない。


このスーパーは我が家の最寄りなので週に2、3回は買い物に行く。
そして数日後、またセルフレジに赤いおばちゃんがいた。
前回から1週間ちょっとしか経っていなかったので私のことを覚えているはず。
同じようにビールを買い、おばちゃんを待つ。

私「ボンジュール、マダム」

おばちゃん「ボンジュール…
うーん…すみませんが身分証明書を見せてください」


私(オカワリキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!)
「…はい、どうぞ。
(おばちゃん…マジなのか…)」

おばちゃん「どれどれ……えぇっ!…あ、そうなの!…メルシー」


いやいやいや。
デジャブってこれのことを言うのだろうか。
真っ赤に染めたショートヘア、しかも前回同様にポルトガル語訛りだったからどう考えても同じ人だよな。
このおばちゃん視力か、はたまた頭か、しつこいが本当に調べた方がいいんじゃないか。


我ながら信じがたい話なのは、この後も何度かレジでこのおばちゃんに遭遇し、おばちゃんは私に身分証明書の提示を少なくとも5回は尋ねたこと。
おばちゃんは私が子供を連れて行ったときだけは何も聞かずにカードを機械にかざした。
そして最後の方は私もおばちゃんのコントに付き合うのに疲れていた。


まとめ

私の実体験によると多くのアジア人は実年齢より若く見られるというのはどうやら本当。
そしてアジア人はみんな同じように見えて見分けがついていない人が本当にいる。
(そんな予感はしていたが、そのレベルは予想を遥かに超えてエグい。)

同様に我々にとって他の人種は見分けがつきにくいことがあるのも事実。
私もおばちゃんが赤い髪でなければ同じ人だと気づかなかったのかもしれない。


いや、待てよ。

もしかしたら見分けがついていなかったのはおばちゃんではなく私の方で、実は私は毎回違う赤毛のショートカットのおばちゃんに遭遇していたのかもしれない。
そう思い始めたら怖くなってきた。
ストーリー展開がまるで『世にも奇妙な物語』じゃないか。



赤い髪のおばちゃんは時空を越えて私を悩ませる。

夏が来るぅ~ そして奴も来るぅ~

今日はここ最近にしては暑すぎず比較的過ごしやすい天気だった。
夏の前に梅雨が来ることなんて忘れて私の心はやたら夏モード。

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しかしこれからの季節、私にとって楽しみも増えるが心配事も増える。

夏の嫌われ者


人々は夏というとどのようなものをイメージするのだろうか。
私が夏と聞いて思い浮かぶのはビアガーデンや花火。どちらも好き。
そして何故か思い浮かぶのは“風鈴の音を聞きながら縁側に寝転ぶ”シーン。

これは私自身の経験ではなくテレビのCMなどでよく目にする夏の光景。
夏といえば縁側。
そして縁側といえばそう、蚊取り線香
夏といえば憎き蚊の季節でもあるのだ。


私のように無駄なところでセンシティブな人間は耳元で蚊の羽音を聞いてしまったら最後、気になって落ち着かなくなる。
寝床で聞いてしまうと一瞬にして眠気が飛んでしまう。
東京の郊外に住む我々の家のまわりには緑も多く、小川も流れているので蚊にとっては住みやすい環境に違いないのだ。

スイスに引っ越す前に、旦那に蚊取り線香を使ってみようかと提案したことがある。
私は特に蚊取り線香ファンなワケではなかったが、日本の伝統的なものなので外国人は喜ぶのではないかと思った。
すると彼から予想外の答えが。

「え。それって蚊が死ぬんだから人間にとってもいいワケがないよネ」

この言い方が無性に癇に障ったのを今でも覚えている。


しかし蚊取り線香である必要はなくともそろそろ何か蚊対策をしないといけない。
蚊に耳元で囁かれたくないし刺されたくない。
何より子供たちが小さいので蚊が運ぶ感染症も心配。
そして家の中に迷い込んでくる蚊の数は日に日に増えていく。


対策が進まない理由


そんな状況なのに、我が家では未だ蚊撃退グッズを揃えていない。
蚊が飛んでいるのを見かけるたびに素手で仕留めている。
何とも原始的な方法だが、蚊対策がはかどらない理由がある。

それは蚊に刺されないから。
家の中にいると結構な頻度で蚊を見かけるし寝ている間に蚊の羽音は聞くのに不思議と刺されないのである。


そしてあるとき気がついた。
私たちの可愛い息子(長男)が蚊に刺されまくっていたことに。


確かにたまに刺されているのを見かけたことはあったが、そんなに気にしていなかった。
しかし先日、長男と風呂に入ろうと全裸にしたところ10箇所近くも蚊に刺されているのを発見した。

私と旦那、そして間もなく1歳になる次男は無傷である。
これはどういうことなのか。


狙い撃ちされる長男と蚊に素通りされる私たち


我が家で蚊に刺されるのは決まって長男。
しかし何故。

なんとなく原因の見当はついている。
家族の中で長男の体温が一番高いから。そして汗っかき。
きっとこれだ。
ネットで調べてみると私の予想は外れてなさそう。
しかしおかしいのは私も蚊に刺されやすい人の条件(アルコール摂取等)を満たしているのに刺されないこと。

長男以外は蚊に見向きもされない理由を一人ずつ考えてみた。

私: 家族の年長者(フレッシュさに欠ける)。

旦那: 体毛のせいで蚊の足場が無い。
スイス人と付き合い始めてビックリしたこと 〜体質編〜 - アルプスから高尾山

次男: 蚊は赤ん坊は殺らない。あ、そんなことないらしい。ほとんど刺されたことがないのは単に長男の持つ蚊を惹きつける魅力に負けているから?それとも物理的に小さいから?


昨夜の出来事。
家族で夕食をとっているときに、私がふと隣に座る長男の顔を見るとコメカミで蚊がまさに血を吸っているのが目に入った。
私は脊髄反射並みのスピードでそのコメカミにいるヤツを平手で叩いた。
前触れもなく母親に叩かれた長男は何が起きたかわからず、その3秒後に泣いた。
ごめんよ息子。
その後それは蚊からあなたを守る為だったのだよと説明する。

私の手と彼のコメカミを洗う。刺されていたと見られる箇所は赤くも何ともなっていない。
叩いたことに心が痛むが結果的に息子を苦しみから救うことに成功した。



今朝、朝食をとる息子の横顔を見て唖然。
コメカミは赤く腫れていた。
顔を叩かれた挙句、かゆみにも苦しめられた息子。
母ちゃん、胸が苦しいよ。


3歳の長男が犠牲となり我が家の平穏な日々は保たれている。

父ちゃんと母ちゃん、明日こそ何か買ってみせるから待ってろよぉ!

最近スイスが恋しい理由 

まだ5月だというのに暑い日が続く。
週間天気予報を見ると最高気温は明日を除いて25度以上。
私が住んだスイスの町は、真夏の平均最高気温は24度。
そして湿度は日本より低いのでサラっとしていて暑くてもあまり不快感がない。
今の時点で毎日のようにTシャツを汗だくにしている私たち夫婦。
これから本格的に夏が到来したらサウナで生活するような状態になるのかと今から心配している。


最近そんな私たち夫婦は毎日のように呟いている。
「ああ。テラスでビールが飲みたい」と。


テラスぅ?また気取ったこと言っちゃって。
これだから海外帰りはウザいわ。
と、私もスイスに行ってなかったら思ったかもしれない。
私がここで言う『テラス』とはただ外で飲み食いする場所だが、たぶん日本でテラスと言うと真っ先に出てくるのは表参道や青山辺りの洒落たカフェやレストランにあるもの。
そこに座るのもお洒落なセレブやその世界に近づきたそうな人たちという(私の勝手な)イメージ。

あと日本でテラスがある場所と言って思い浮かぶのはスターバックス
こちらは気兼ねなく座ることができそう。

パリでよく見かけるのが通りの方を向いて座るタイプのテラス。
これは、一般人が座って大丈夫なのか?と心配になったりする。
パリのシャンゼリゼオペラ座界隈のレストランでアジア人観光客は通りに面したテラス席には通してもらえないなんて悲しい噂も聞いたことがある。


テラスはお洒落?

スイスをはじめヨーロッパの国々でテラスはそんな敷居の高いものでも何でもない。
それなりの大きさの町であればテラスは街中どこにでもあるもの。
いや、山の頂上のレストランなどはさらにテラス必須だし、きっと田舎の小さな村にもありそう。
もちろん場所によってはお洒落して友達とお茶している人だらけなところもあるが、学生、親子連れ、そして仕事帰りにお疲れ様の一杯をやっている人々もたくさん。


私の場合、週末前の仕事終わりに帰宅しようと職場を出ると足が自然とテラスに向いていた。
ちなみに私の夏の定番アウトフィットはTシャツにジーパンにビーチサンダル。
『汗』という名のパフュームも欠かさない。

そして私がテラスに座ってビールを飲んでいると、私の後に仕事を終えた同僚もまるで私と彼女の間に磁力が存在するかのようにテラスに辿りつくのだった。
そしてお互いの旦那の愚痴をつまみに飲む。
すると旦那から「帰りが遅いがまたいつものところにいるのか」と私のケータイに連絡がくる。
そして数分後に彼が合流し、つまみは仕事の愚痴に変わる。

テラスとはそういう場である。


ここ東京で『テラス』探し


私が「テラスでビールを飲みたい」というときの『テラス』に相応する場所はどこなのか考えてみた。
それは決して表参道や青山にあるようなものでない。
テラスに行く目的はリラックスしてビールを飲むこと。
真夏にあんなところに座ったら、緊張でますます汗が吹き出て高いビールを何杯もおかわりし一瞬で散財するはめになるだろう。
だからと言って気軽に利用可能なテラスがあるスターバックスに行ってもビールはない。

残念ながら今うちの近所にはテラスが見当たらない。
もっと都心に住んでいたら新橋のガード下や浅草のホッピー通りなんかに行きたい。
表参道のそれに比べたらそっちのほうが私の求める『テラス』に近い。
しかしそこへ足を踏み入れたら美味しそうなおつまみの誘惑が待ち構えている。
もちろんそれを食べながら飲むビールは最高なのだが、それは毎日できることではない。
忘れるところだったが私には子供が2人いるし、今は無職で旦那の稼ぎで食べている。
同じ理由でビアガーデンも行きにくい。
もっと気軽に立ち寄りたいのである。


そこで思い出した。
日本にはPRONTO(プロント)という店があることを。
PRONTO -プロント-
プロントの検索結果画面に表示される説明文は以下の通り。

一つの文化とも呼べる、新しいくつろぎの場の創造。それがプロントの役割です。

己のポジションが唯一無二だとどうやら自覚していそうなことを文面から感じ取ることができる。
頼もしい。
ここはカフェでもありバーとしてアルコール類も出している。
そして安い←これ至極重要。
ここなら“ちょっと一杯”が気軽に出来る。
そして私が喉から手が出るほど求めている『テラス』がある店舗も‥‥ある!
もちろんうちの近所には‥‥ない!


テラスが好きすぎるフランス人

天気がいい日、レストランのテラス席には人が溢れかえり、トイレに行こうと店内に入るとガラガラということがよくある。
ヨーロッパの人々は本当にテラスが好き。
スイスでは夏が短いので、みんな暖かい季節を存分に楽しもうとしている。
まだ肌寒いと感じる気温だろうが、7月にもなれば水辺もない公園に水着で寝転がる人が出没しはじめる。
湖沿いにも、水着で寝転ぶ人はもちろんのこと、鳥肌だらけになって奇声を発しながら湖に入る若者や、黙って入る若くない者たちが現れる。
湖沿いにも季節限定のテラスが出現し、みんな湖畔で最高に気持ちの良いときを過ごすのだ。


一方、おとなりフランスのパリでは一年中テラス席が人気。
テラス席にも暖房があり、冬になればもちろん中に比べればだいぶ寒いのだがそれでもテラスに座りたがる人も少なくない。
夏は言うまでもなくテラス。
ちょっとビックリしたのは真夏にテラスで寿司を食べる人たちを見たとき。
照りつける太陽はテラスのパラソルをちょうど良くよけて寿司をまぶしく照らしていた。
そしてフランス人は会話を楽しみながらゆっくり食べる人が多い。
というより会話が弾みすぎて口に食べ物が入るチャンスが少なめだったりする。
もう何十分と放置されたであろう寿司のネタはもちろん乾いている。
あれ、よく見たら、もう魚に火入ってない!?それとも、あぶり!?



なんだかテラステラスと言いすぎて気が遠くなってきた。
今夜とりあえず旦那が帰ったらテラス席のあるプロントがある町の不動産情報でも見てみるか。
いや、先日「ベランダでビール飲めばいいじゃん!」と言った彼に言っても無駄だな。


うちのアパートのベランダの幅、50cmあるだろうか。

国際結婚の醍醐味 言葉の壁

先日、夫婦間のコミュニケーションに関する記事を書いたばかり。
alpestakao.hatenablog.com


その中でコミュニケーションがうまく行かない原因を“言葉の壁以外”で挙げたばかりだが、私たち夫婦に言葉の壁は、もちろんある。


話が噛み合わない

私はブログに旦那のネタを書きまくっているので、たまに彼にどんなことを書いているのか話すことがある。
昨日もそんな話になった。

私「今日はSiriのことをブログに書いたんだ。私のSiriが出てこなくなっちゃった話」
(↓これのこと)
alpestakao.hatenablog.com

旦那「あ、そうなの?」

私「あ、でも今はもう大丈夫になったんだけどね」

旦那「え、なおったの?すごいじゃん!よかったね!」

私「‥‥まぁね。‥‥でもそんなに使わないけど」

旦那「‥‥え。‥‥そうなの?」

私「う、うん。別に使わなくても普通に検索したほうが結局速いし」

旦那「はぁ? ‥‥‥‥あああああ!!あははははは」

私「‥‥‥」


何が起きたのか全く理解出来なかった私。
ポカンとする私に旦那が大笑いしながら説明し始める。

「シリってSiriのことね!尻だと思った!あははははは」

ということで私のお尻の問題のことだと思って話を聞いていたらしい。
それが治ったと思って喜んでくれたのだった。

(↓これのこと)
alpestakao.hatenablog.com


まとめ

言葉の壁を乗り越えるために私たちが気をつけていること。

  • 言葉の壁はあって当たり前ということを念頭に置く

自分の考えや心境を相手に伝える際に、わかりやすい言葉を選んで丁寧に伝える努力を怠らない。(できるだけ。)

  • 分かったふりをしない

相手の言うことが理解できていないのに「アーハン」とか流れで相槌を打たないこと。
流れで「アーハン」って言っちゃった後でも「で、なんつった今?」と理解できるまで聞き返す。(余裕があるときは。)

  • 相手に遠慮せずに突っ込む

相手の話を理解した上で相手の言い分に間違いがあると思ったら質問や意見する。
この際、攻撃的になる必要は全くないし、相手の主張もきちんと最後まで聞く。(機嫌がいいときは。)

  • せっかくなので楽しむ

日本人同士だって話が噛み合わなかったり勘違いが起こったりすることがあるので外国人同士なら日常茶飯事。
衝突はお互いのことをより良く知るチャンス。
後でネタになるので真面目に取り組むこと。(間違いない。)



そんな我々、今日は高幡不動尊金剛寺にお遍路に行ってきた。
お遍路といえば四国八十八カ所の巡拝だが、なんと高幡不動尊では同じご利益があるお遍路を一時間で出来ることになっている。(これ大丈夫なのか。)
ご利益てんこ盛り! 東京・山内八十八ヶ所巡りは1時間で四国八十八ヶ所の価値あり!? | 東京都 - 観光・地域 - Japaaan
詳しい業務提携の仕組みは分からないが、四国に行くお金も時間も節約できるならと行ってみた。

子連れでも問題ないお遍路の道のり。
もうすぐ紫陽花が見頃を迎え、6月からはあじさいまつりが開催されるよう。


無事にお遍路も終えたし、私のおシリも良くなるといいな。

最近ブログ内容がどんどん赤裸々になってきた気がする。


ブログ名を『セキラ・ラ・ランド』に変えようかな。