アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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スイス人と付き合い始めてビックリしたこと 〜習慣編〜

私とスイス人の旦那は、知り合ってからしばらくの間は友達だった。
それが付き合うことになり一緒にいる時間が増え、今まで知らなかった習慣や体質の違いに驚くことがあった。

これからスイス人と付き合う予定がある方に緩衝材としてこの記事をご活用いただけたらこの上ない幸せである。

今回は比較的マイルドな習慣編。
ちなみに彼はフランス語圏の出身なので他の語学圏とは習慣が違うことが予想されます。


①食事会が長い

フランス語もままならなかった私にとって家族や親戚との食事会はただでさえ憂鬱なイベントなのに、これがとてつもなく長いのであった。
午前11時前後からアペロといわれるものが始まる。
アペリティフ、つまり食前酒を飲みながらちょっとしたスナックやおつまみをお供に立飲みしながら皆が揃うのを待つのである。

正午過ぎに皆が着席し食事がスタート。
前菜、メインとたっぷりと時間をかけて会話しながら食事が進む。
フレンチレストランでコース料理なんて数えるほどしか食べたことのない初心者の私は、うっかりこの時点でお腹いっぱいにしてしまう。
この後にスイス人にとってはある意味メインディッシュよりメインなチーズが出るのに。
ハードタイプからカマンベールのような柔らかいものまで様々な種類のものが最低でも5種類はあった。


てか待てよ、私。

今では当たり前になり過ぎてスルーしてしまうところだったが、チーズが食事のコースの中で1つの枠をもらってしまっていること自体が事件だった。
そしてチーズが終わってやっとデザートが出てくる。

推定時刻はすでに午後2時過ぎ。
デザートを食べ終えて解散かと思いきや、今度はお茶菓子が出てコーヒーやお茶を飲みながら話し始める。
これが永遠より続くのではと途方にくれた。

隣に座る彼は私に何となくどんなことを話しているのか説明してくれるが特に興味の持てない内輪ネタ。

皆が帰る5時頃には作り笑顔のせいですっかり硬直した頬の筋肉が痙攣していた。


②挨拶に時間がかかる

女性が人と会うときの挨拶はビズ、つまり英語のキスに当たるが、実際は頬と頬を合わせるもの。
左右交互に3回も。
ちなみにお隣のフランスでは2回。
そして男性同士の挨拶は基本は握手。


これは友達2人くらいに会うときならいいのだが、パーティーなどで大人数いたとしても皆に出来るだけビズしてまわらないといけない。

字面から私が義務感に駆られて仕方なくビズしていることがバレていることはさておき、日本人の私は初対面の男女といきなり肌を触れ合わせることに抵抗があった。

私は女性なので相手が女性ならば選択肢はほぼビズしかないが、相手が男性ならば初対面は握手で次に会うときからビズという場合もある。
距離感を推し量るのが難しい。
初対面だとしても例えば彼氏の親友ならいきなりビズ。
彼氏の同僚なら握手かなという雰囲気。

たまにこちらは勢いよく手を出したのに相手は顔を近づけてきて気まずい思いをしたりする。


ある時は彼の非スイス人の同僚が数人いて、そのヨーロッパ人たちに次々とビズで挨拶をしていたらラスボスはまさかの中国人。
一瞬、私も彼も戸惑ってフリーズしたが流れ的にビズしないのも可笑しいかなと初対面のアジア人男女2人が苦笑でビズしたこともあった。


そして悩みの種はいつも帰るとき。

パーティーがお開きになる前に帰るとしても皆に挨拶回りしてから帰らなければならない。
別れの挨拶のために皆に声をかけているのに、そういえば今日あまり話せなかったね、最近どうしてる?なんてここから近況報告が始まることなんてザラ。

サヨナラの挨拶回りは帰りたい時間の30分前には始めるべし。


③父親の頬にもビズ

彼の両親に初めて会ったときのこと。
彼が彼の父親に会ったときに、男同士なのに頬にビズの挨拶をしていて正直引いた。
そして母親とももちろんビズ。
そして彼の実家に泊まったとき、彼は朝のオハヨウも夜のオヤスミも両親とビズしていたのを見てマザコン⁈ファザコン⁈と私は心穏やかではなくなった。

自分の精神衛生のために勇気を出してそのドン引きした気持ちを彼に打ち明け、それは当たり前のことであると説明された。
日本でも家族同士の関係は家庭によって様々あると思うが、私は思春期を過ぎてからは両親とボディタッチなどあり得ないような家庭環境で育ったため、あまりにも家族同士の関係が近いのにショックを受けた。
私の個人的な推測だが、このギャップに戸惑う日本人は多いのではないかと思う。

今でこそ家族みんな仲が良くて微笑ましいと思うし、彼の家族は私にもとても暖かく接してくれるのでありがたいが、受け入れるのに時間がかかったような覚えがある。




以上、初めはビックリしたけどすべて慣れました!と言いたいが、何とも思わなくなったのは③だけ。
未だに①に関しては混雑時2時間制の居酒屋で家族会できたらいいのにと切に願うし、②に関してはいつのまにか姿を消す忍者のようにドロンできたらと切に願う。
③が何ともなくなったのは、彼がマザコンでもファザコンでもないと確信したからではなく、ヨーロッパ男性の大半はマザコンでファザコンだという事に気付いたから。


スイス人でこの程度のビックリレベル。大した事ありません。
習慣の違いは。


そしてこれは家の庭でアルペンホルンの練習をする旦那の親戚。


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ほら、大したことない。平凡な日常。

遠くの山がスイスっぽすぎて合成写真みたいだけど、これが日常。
いじってないスイス。


次回、これよりもうちょっとだけ刺激的な体質編へ続く。