アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

MENU

インド人を見たら日本人が全員心配性に見えた

私はインドに行ったことがないがよく聞く評判は、
『ハマる人はドハマり、そうでない人は二度と行かない』というもの。
これには衛生事情なども大いに関わっていると思うが、先日インド人と日本人の気質の違いを垣間見る機会があり、これも合う人とそうでない人がいそうだなと思った。

車内がインド

土曜日の夕方、私達は高尾行きの中央線に乗った。
席はほぼ埋まっているが立っている人はまばら。
そして一瞬、あれ、うちら乗ったの何線だっけ。てかここ東京よね?日本よね?となるくらい視界に入ったほとんどがインド人だった。
子供から大人まで合わせて30人くらいいそうなインド人の旅行客グループ。
見渡したら周りにはそのグループに属さないインド人でない人たちもいたが、見渡してしまったのでそれに気づいた優しいインド人青年たちが子連れの私達に席を譲ってくれた。

どこまで行くんだろう

スーツケースを持っている人たちも何人かいたし、観光客だと思われる。
でも今から終点の高尾まで行って山に登るわけではないだろう。サリー着てるし。
でもインドじゃ登山もサリーなのかな。
そんなことを妄想しながら、となりの旦那に何となく言った。
「きっと高尾山には行かないよね」

旦那は答えた。
「きっと新宿まで行くんでしょ」

うん、新宿行きそう。
これからみんなで新宿でご飯でも食べるんだろう。

次は新宿

車内アナウンスがまもなく新宿に着くことを告げる。
インド人たち、降りる素振りナシ。
あれ、新宿じゃないのか。じゃあ中野かな。高円寺って柄じゃないもんな。
また私は勝手に妄想しながらインド人たちを横目で気にしていた。

そして電車が新宿駅に止まった。

ガイド、立ち上がる

電車が完全に停車しドアが開いた。
するとガイドらしきインド人男性が急に立ち上がり、訛った英語で言った。
「は〜い、皆さん、ここで降りますよ〜」

すると30人近くのインド人たちは慌てる素振りも一切見せず、次々と立ち上がって電車を降りていった。

あ、そしてやっぱり降りたのは新宿だった。大正解。

スイス人に確認

これはいいものを見た。
となりのスイス人に聞いてみないと。

私「ねーねー、今の見た?」

旦那「うん」

私「ガイドの人、電車が止まるまで何にも言わなかったよね。これだけの人数がいるのに次で降りることを前もって言わないのって日本人にとってはありえないよね。スイスだったらどうかな。なんか言うよねぇ?」

旦那「うん、次に降りるよって駅に着く前に言うかもね」

私「だよねだよね」

旦那「でも日本人は降りる駅の3つ前の駅から言うよね」

私「……言うかも」

3つは言い過ぎかもしれないが、「次の次の駅で降りますからね〜!」とかすごく言いそう。

心配と安心は紙一重

このインド人たちのリラックス感を目の当たりにし、私は日本人は心配しすぎなのではないかと思った。極端に言えば、降りる駅の3駅前、インド人はまだ楽しく談笑しているところを我々日本人は次の次の次で降りることを心配しながらもうソワソワしなければならない。
これは人生損しているのでは?
でももしこのインド人ガイドが日本人観光客を率いてしまったらクレームの嵐に違いない。
「もっと前もって言ってよね!」
「急に言われて降りそびれたらどうするのよ!」
「電車にカメラを忘れたの、あなたのせいですから!」

そう、私達は安心が大好き。
早めに心配することが安心に繋がるんだ。

そしてこういう感覚がスイス人と日本人は比較的近いと思う。

真面目気質の日本人と比較的真面目なスイス人

思い返せば外国人との気質の違いを初めて強く感じたのは若い頃に行ったメキシコだった。
そこには待ち合わせに1時間近く遅れても悪びれない人々がいたが、彼らにとってそれは当たり前のことのようだった。
そしてスイスに隣接するイタリアやフランスもスイスに比べると時間にルーズなイメージ。
スイスからイタリアへ何度か電車で旅行したが、国境を越えるとなぜかどんどん電車が遅れていった。しかも10分とかじゃない。定刻で出発し5時間後に着く予定が到着は1時間半遅れ。ちなみにスイスの電車はほぼ時間通り。
あとラテンの国でありがちなのが、窓口などが時間通りに開かないのに閉まる時間はきっちり厳守っていうやつ。

ヨーロッパで真面目な国というとドイツを想像する人が多いと思うが、私の印象ではスイス人もラテンの国々に比べたら真面目だと思う。
そして同じスイスの中でもドイツ語圏の人たちはフランス語圏の人たちを怠け者だと思っているらしい。
それでも私の旦那は私より真面目で几帳面だ。
そんな彼は私を「仕事に関してだけ無駄に真面目」だと評する。
この評価、すごく日本人らしいじゃないか。

時間だけに限らず、物事に対する「ちょっとした感覚」が違う人間と生活を共にするのは慣れるまで相当のストレスが溜まると思う。
私と旦那はいろいろな文化の違いを肌で感じながら共に生活し散々喧嘩もしたけれど、ひどくない方なんだろうなと思う。

何だかインドに興味が湧いた

最後に私が電車で見たインド人がたまたまマイペースなだけだったのか心配になり(ほら、私は真面目な日本人)、ネットで「インド人 気質」でググってみた。
インド人にありがちな29個の性格の特徴 | 生活百科
一番目に出てきたサイトの一番最初にあった、『時間を守らない』と。
そしてグーグルの『他の人はこちらも検索』という検索候補に気になる単語の羅列を見つけた。

『インド人 彼氏 嘘つき』

皆様ご苦労されているようで。


そしてこんなのも。

『インド人 美人 なぜ』

なぜ!?人々よ、なぜって来るか。


インダスの、賜物なのかなぁ(遠い目)。




追記:
柄じゃないと言ってしまったが早速こんなの見つけてしまった。東京とインド人のこと、これから勉強しないとな。
lifemagazine.yahoo.co.jp