アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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スイスと日本の服装やファッション、そして外見に関する嗜好の違い

先日ツイッターで『海外で女性が太ももを見せながら歩くのは「私を買って!」と言ってあるくのと同義』という内容のツイートに対し、多くの海外在住者が反論していて話題になっていた。


そこで今日は私の住んだスイスの都市の人々と東京の人々の服装や外見について、私が気づいたことをお伝えしたい。

スイス人の服装

上記のツイートに関しては、結論から言うとスイスでも当然そんなことはない。

スイスの気候は東京に比べると気温も湿度も全体的に低く、夏も比較的過ごしやすい。そしてスイス人たちはこの短い夏を謳歌するため、早い段階から薄着になり始める。

若い女子中高生たちは皆こぞってキャミソールやタンクトップにデニムのショートパンツとサンダルになる。夏はもうコレばっかり、それ制服か!?とツッコミを入れたくなるほど。
もちろん個性的なファッションを楽しむ人たちもいるが、日本人に比べるとスイス人のほうがシンプルな人が多い印象。

そして、スイス人のファッションは見た目より動きやすさ重視なのかもしれないと察する。
幅広い年齢層で人気なのがアウトドアテイストな“もうそのまんま山に行けますね!”スタイル。

具体的に何を着ているかというと、Tシャツやタンクトップにジーパンやショートパンツとここまでは普通だが、夏以外はその上にウインドブレーカーのようなものを着ている人がやたら多い。
日本で、特に若い年齢層の女性で街中でウインドブレーカーを着ている人はジョギングしている人くらいな気がするが、スイスではよく見かける。

あとはハイキングシューズのような靴を目にする機会も多い。
たまたまこれから山に出かける人がはいているだけなのかもしれないが、スイスでは自然が身近にあるので 着るものも自然とカジュアルでアウトドアテイストになる傾向があると思う。

日本でよく見るけどスイスでそんなに見ないアレやコレ

1、スーツ姿の人々

はい、もちろんスイスにもいます、スーツの方々。でも日本の都市に比べたら格段に少ない。チューリッヒはやや多めな印象。
スイスで普段からスーツ姿で働いている職業で真っ先に思い浮かぶのが銀行だが、(その次はZARA)それ以外のいわゆる普通の会社員でスーツで出勤している人たちは日本に比べるとかなり少ないのではないだろうか。それかスーツで出勤するような会社に勤めている人は自家用車で通勤するため街中を歩かないのかもしれない。

2、制服姿の学生

こちらもたまーに見るが珍しい。制服があるのは裕福層の外国人が多く通う私立の学校がほとんどなイメージ。
日本で女子高生がブランド化されるのは制服に因るところが大きいに違いない。
日本人の私にとってはスイス人の若者を見ても、それが小学生か中学生か高校生かそれ以上なのかを見分けるのは困難を極める。


スイスでよく見るけど日本であんまり見ないアレやコレ

1、タトゥー

日本にももちろんいるが、あのイメージが付きまとうし、それに伴い様々な規制があるため(温泉や銭湯に入れない等)ファッションタトゥーを入れている人もそんなにたくさんは見かけない。

一方、スイスではタトゥーを入れている人を本当によく見かけるし、当然タトゥーショップもちらほらある。日本より人々が気軽にタトゥーを入れていることが伺える。
そして日本人の我々を喜ばせる漢字タトゥーも大人気。
今でも夏が来るたびに蘇るスイスの思い出のひとつは、屋外プールに泳ぎに行ったら隣のレーンで美しいフォームで平泳ぎをする女性のうなじに大きく『安全』という文字が彫られていたのを目撃したこと。
うん、絶対に溺れなそう。

2、オバサマやふくよかな体系の女性の肌見せ

これもスイスと日本の大きな違い。欧米諸国はどこもそんな感じだと思うが、オバチャンだろうが暑ければ肌を見せるし、それが当たり前なので周りの人たちも全く気にしない。

また、ぽっちゃりした女性やぽっちゃりを上回っている女性もショートパンツを履いている。
以前、勤め先のスイス人女性の上司(細身)から「どうしてあなたはショートパンツ履かないの?ショートパンツかわいいし涼しいのに」と言われたことがあった。自分の脚が好きではない私は「人様に見せられるようなキレイな脚してないから」と答えると、「は!?それ本気で言ってんの!?」と訝しそうな目で見られた。

この『体型に対する他人の目を気にし過ぎる』日本人の悪習は、海外の人には本当に理解し難いようである。
また、日本では久しぶりに会った知り合いに対し挨拶代わりに「痩せたね!」「太ったね!」などとコメントする人がいるが、それにも私の旦那は驚いていた。

美白 VS 小麦肌

その他、見た目に関することで日本とヨーロッパで正反対だなと思ったのは肌の日焼けに対する人々の考え方。

日本の女性たちは美白にこだわり、いかに肌を白くするか日々頭を悩ませている人が多いが、スイスを始めヨーロッパの国々では夏になれば芝生やビーチに寝っころがって焼き始める人が多い。

もちろん紫外線は肌に良くないのを気にして無理に焼かない人や、私の旦那のように日に当たっても真っ赤になって終わるタイプの人もいるが、日本でよく見かけるようなアームカバーをしている人や、顔を覆いつくす黒いサンバイザーをしている人はまずいなかった。
私のスイス生活で一度だけ見たことがあるが、日本人かどうかは見分けられなかったがアジア人風の女性で、周りの人たちの注目を独り占めしていた。

また、以前フランスに住んでいたときは、フランス人の友人に「日本人の女の子はなんでそんなに肌を白くしたいの?病気みたい」と言われたこともあった。
日焼けすることに肯定的な人が主流だと初めて知り、目からウロコだった。

着たいもの着たい

今回のツイートに対するコメントで「日本でも着たいものを着よう!」と言っている女性も多く見られた。
私もそれに賛成だが、その一方、もとのツイートに対して「いいね」した人が多数いたのも事実。
暑くて薄着しただけで「触られてもしょうがない」などと見なされる社会は本当に悲しい。(触る人はどんなに着てても触るんじゃないだろうか。)

ところで私はスイスで本当にそういった仕事をされている『プロ』の女性たちを何度か見かけたことがあるが、私が見た人たちはキャミソールにショートパンツ姿などでは無かった。
彼女たちは本当にわかりやすい服を着ていた。
そして私がはいたらその瞬間に足首骨折間違いなしの嘘みたいにヒールの高い靴を履いていた。

しかも石畳の上で!!!

プロを舐めてはいけない。