アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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「最近ママちょっと疲れ気味だわ」 「なんで?」

私には3歳と1歳の息子たちがいるが、近頃やっつけられてきた。特に長男から。
彼は話をするのが大好きで、寝ているときと電車の動画を見ているとき以外はほとんどずっと話している。
トイレに入ってもドアを開けたまま私たちに向かって話しながら用をたす。

この時期が来た

そして始まってしまった。「なんで?」
何を言っても私の言い分を聞いているのかいないのか、とりあえず「なんで?」と返してくる。
一生懸命説明するものの、あまり気が長くない私はそれだけでもダメージを受ける。「なんで?」と聞いてくる時期がくるのは聞いていたが甘く見ていた。ひとたび「なんで?」が始まると何を言っても10回位連続で「なんで?」と聞いてくる。3歳児には会話の文脈もヘッタクレもない。

その上、イライラする私に追い打ちをかけるように私が他の人と話すのを邪魔する。電話中でもとなりから「マーマーマーマー」と大声で邪魔してくる。
あまり大人と会わない生活を送っているんだから旦那がいるときくらい大人同士で話させてよと思うが、必死に会話に割り込んでくる。だから重要な話は息子が寝たときしかできない。
そして私がたまに友達に会うために出かけても、子供たちを連れて行くと長男が話を遮ってくるので話に集中できず、結局せっかく友達と会えたのにゆっくり話もできずに欲求不満のままお別れすることになる。

もうムリだ

そんな口から先に生まれてきたような3歳の長男が最近、何の前触れもなく「もうムリだぁ〜」と言い出した。
ハっとした。これ、私のマネに違いないのだ。
私はイライラしてくると溜め息混じりに、「もうムリだぁ〜」と呟いているっぽい。
昨夜も眠くてぼーっとしながら夕食を食べていた私に長男が聞いてきた。
「ねぇ、もうムリなの?」
またかと思いつつ「何のこと?」と聞き返してみたが、また彼は同じことを繰り返しただけだった。
そうね、そう思うときもあるね。こんな適当な母さんでもストレスは溜まっちゃうのかしらね。

体は正直

しかしこんなに手抜きして溜め息ついて音を上げながらゆるーく子育てしているのに、こんな私が子育て辛いって言っちゃっていいのだろうか。毎日イライラしすぎて動悸が激しくなったりするのに違和感を感じつつも、今がそんな時期なだけでそのうち治まるだろうなんて漠然と考えていた。

そんなある日、起き抜けに蕁麻疹が出たので皮膚科に行くと、優しそうな女医さんが「蕁麻疹の原因のほとんどは疲れとストレスです。何か思い当たることありませんか?」と聞いた。
「えっ、ストレス…?子育てですかねぇ」なんてスカして答えたが、心のうちで私は拡声器で叫んでいた。

「全国の皆さーん!私の蕁麻疹の原因は、疲れとストレスだそうですよーーー!これは子育て、子育て、子育てによるストレスに間違いないんでございますよーーーー!!」

もう皮膚科から我が家まで選挙カー手配して凱旋してやりたかった。
先生、私の疲れとストレスについて言及してくださってありがとうございます。こんなへっぽこ母でもストレス溜める程度に子育て頑張ってるってことですね。これはぜひ旦那に報告して私を労ってもらわないと。
うはははは。

「いい加減にしなさい」の呪縛

皮膚科の待合室で会計を待っていると、となりに母親と娘2人の親子がいた。姉の方は5、6歳、妹は2歳くらいだろうか。母親は受付で話をしていて、娘たちだけが2人椅子に座っていた。だが妹は飽きてきたのか立って動き始める。それをいちいち姉が制するのだが、その言葉遣いは違和感でしかなかった。
少女は母親の口調をそのまんまマネしながら妹を叱っているのだ。
「あなた、ちゃんと座ってなさいよ」
「何度言ったらわかるのよ」
「いい加減にしなさい」

この、「いい加減にしなさい」を私は子供が生まれる前に果たして口にしたことがあっただろうか。
上司がミスを連発する部下に言いそうなフレーズだが、私はそんな偉いポジションに立ったこともないし、外国人の旦那に言ってもニュアンスが通じないかもしれないし、おそらく言ったことが無かったと思う。
今では週1で言っているかもしれない。もちろんできることなら言いたくない。
この言い方、上からすぎて嫌悪感しかない。せめて「いい加減にしてみよっか?」「いい加減にしてみちゃう?」とか提案型でいきたいところだ。

そして今日、幼稚園のお迎えのときにたまたま話をした息子のクラスメイトのお母さんは、彼女の娘が妹に向かって「いい加減にしろ」と言い出したと悩んでいた。彼女はおっとりしていて上品でいつも綺麗にしているお母さんで、娘に優しい笑顔で接しているところしか見たことがなかった。彼女の口から「いい加減に“しろ”」が出るなんて誰が想像できましょう。

3歳児の記憶力

実際に子供と生活してあらためて驚かされるのがその記憶力。「もうムリだぁ〜」の一件でお分かりかと思うが、3歳児の記憶力を甘く見ると痛い目に合わされる。
長男は、私がご飯を食べようと言えば遊んでいるだけなのに「いま忙しいからできない」と言う。
歯磨きしようと言えば遊んでいるだけなのに「いま仕事してるからできない」と言う。
そして先日、もう寝なさいと言うと「いまブログかいてるからできない」と言った。
ぎょっとした。

どこでブログなんて言葉を覚えたんだろうと思ったが、おそらく旦那が家に帰ると私に「今日は何したの?ブログは書けたの?」とか聞いてくることがあるので、それを覚えたのだろうと思う。

長男がかいていた『ブログ』がこちら。





ビッグバン‼︎
皆さま良い週末を。