アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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寝かしつけってナンデスカ? 一人で寝る子の作り方

先日、私が参加している親子参加型サークルのお泊まり会があった。
それで思い出した。
日本とスイスの育児において大きく違うのは子供の寝かせ方であることを。

夜になり消灯すると、母親達はみんな我が子の隣に添い寝した。
まあこれは布団が親子で一組だったから当然なんだけど。


日本では生まれたての赤ちゃんは親と同じ部屋にベビーベッドか赤ちゃん用布団で寝る場合が多く、ある程度大きくなると親と添い寝をする。
スイスのみならずヨーロッパの国々では生まれたての赤ちゃんにはすでに一人部屋が用意される。

そして、そこで1人でベビーベッドで寝る。


私は妊娠中も仕事をしていたのだが、ある日、日本人とスイス人のハーフである上司(ど若く見えるがアラフォー2児の母)から結構な勢いで迫られた。


「あなた、子育ては日本式で行く気じゃないでしょうね。自分の時間を大切にしたかったら絶対ヨーロッパ式がおすすめよ!後悔しないように気をつけるのよ!」


目の前に迫る出産のことばかり考えていた私はその後の子育てについて考える脳みその余裕は持ち合わせていなかった。
初めは何のことを言っているのか分からなかったが、聞けば『寝かしつけ』についてこれから母親になる予定である私に助言したいということだった。


「日本の母親達は子供たちと一緒に寝るでしょ?毎晩子供の隣に何十分も添い寝して、うっかり自分も寝ちゃったりして、そんなこと何年間も毎晩繰り返すのイヤじゃない?」


まぁ言われてみれば大変なことだ。
ヨーロッパでは寝かしつけをしないという噂は聞いたことがあったが、ちょっと子供に対して冷たい感じもする。
第一うちの小さなアパートには子供部屋にするための部屋は余っていなかった。
ヨーロッパ人なら迷わずより大きなアパートに引っ越すのだろうが、時間的にも経済的にもそんな余裕はない。


「うちは子供部屋が無いからヨーロッパ式は難しいかな」


引っ越せないんだから仕方ない。だが彼女は引き下がらない。


「部屋は一緒でもベッドは親と分けて、先に子供を一人で寝させることね。」




子供が生まれ、初めのうちは抱っこしているうちに寝た子供をベビーベッドにそっと置くというパターンが多かったが、先輩ママのアドバイスに従い、たまに起きている子供をベッドに寝かせ、「おやすみ~」と言って部屋を出たりしてみるようになった。
ドアを閉めると泣き始めると気づいたので、ドアは半開きにし、隣の部屋にいる私と旦那の声が聞こえるようにしてみた。
数分後に部屋をのぞくともうすやすやと寝息を立てている。

(おやおや、うちの子結構すんなり寝てくれるじゃん)


そして、ズボラで人生どうやってサボろうかとばかり考えている私は積極的に子供を一人で部屋に寝かせてみた。

たまに泣くこともあった。

ここですぐに部屋に入ってはいけない。ここでどのくらい待つかは個人差があるが、数分経っても泣き止まなかったら部屋に戻る。

そしてすぐに抱っこしてはいけない。背中をなでなで。手を握ったりも。


こんな感じで一人でベッドで寝る子ができあがった。
うちの長男は周りの親をやった経験のある方々によると手のかからない子に入るらしいから、それもあって結構すんなりと一人で寝るようになったのかも。


2歳になるころから部屋を薄暗くし本を読むという入眠儀式を取り入れ始める。
本を読み終わった後は、彼が起きていても親はおやすみと言って部屋を出る。

たまに寝たくないときは様々な注文がくる。


「ノドかわいた~。お水ちょうだ~い」

「おしっこ出るからトイレ行く~」

「ダンプカーといっしょに寝たいから持ってきて~」


2歳半のときに弟が生まれ、赤ちゃん返りが始まり私たちと一緒に寝たがるようになる。
注文は続く。

「パパにおやすみ言い忘れた~パパよんできて~」

「弟にもおやすみのキスしたい~」

「ノドかわいた~。お水ちょうだ~い」


そして何度もおやすみのハグを求められる。



最近は私が夕飯の後片付けをしている間に旦那が長男のために本を読むことが多い。

旦那は毎回のように息子の隣で寝落ちしてしまうので、結果、我が家ではヨーロッパ人が添い寝している。

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