私の旦那は出張で家を空けることがある。
期間は大体1週間前後、頻度はまちまちだが2ヶ月に一度くらいだろうか。
そして今日はまさに旦那が留守の夜。
旦那が家を空けることで様々な変化がある。
1、夕飯に手を抜ける
旦那は食事にうるさいタイプではないが、やはり一家の稼ぎ頭を労うべく主菜、副菜、汁物、主食は食卓にそろえる。
これが子供と私だけだとどうなるか。
あるときは白米にみそ汁、あとは納豆、目玉焼き、のり、キムチなど、一気に旅館の朝ごはん化する。
そしてまたあるときは、パスタや焼きそばなど、一品ドーン+野菜のスープで済ませる。
使う皿も少なくし、後片付けまでとことんラクに済ませようとする。
2、洗濯物の量が減る
人一人分減るのだから当たり前だが、旦那は体が大きいので服も大きい。
彼1人分の服が減っただけで洗濯機にかなりの余裕が生まれる。
何なら毎日している洗濯が2日に1度で済むかもしれないが、ここぞとばかりにシーツや毛布など大物を回しまくる。
3、家の中が静か
これは旦那がおしゃべりなタイプな訳ではない。
おしゃべりな私が話す相手がいなくなって話さなくなるため。
長男もよく話すが、いつもは私と旦那の会話に割り込むことが彼のモチベーションになっているため、自分が自由に話せる環境だと普段より話さなくなる。
人間の無いものねだりは3才児ですでに始まっているようだ。
4、鏡を見る時間が増える
いつもは自分の顔をゆっくり見る気にならない私だが、旦那がいないとなぜかスキンケアをいつもより念入りにしたくなったりする。
それにしてもシワやシミに悩み出す日がこんなに早く訪れるなんて25歳のころは考えてもみなかった。
SK2は50代のためのスキンケアかと思っていた。
使ってみたいけど無職の私は旦那の金で買うのに抵抗があるので未だピテラ未体験。
こんな感じで旦那の留守もなかなか悪くないのだが、あまり長く留守にされると困る。
以下理由。
①晩酌の相手がいない
ビールが大好きな私は1人でも飲むが、やっぱり誰かと乾杯してから飲むビールはより美味しい。
②愚痴を言える相手がいない
朝から晩まで子供2人と過ごせば事件の1つや2つ起こるものである。
今日は長男のオシッコがトイレからはみ出て掃除が大変だったんだよ。
次男のオムツを替えようとしたらウ◯コしてて、私の着てたパーカーのヒモがオムツの中に垂れちゃって汚れたよ。
油断してたわー最悪だー。
とか、これどっちもノンフィクションで今日起こったことだし誰かに聞いてほしいし、お疲れ〜大変だったね〜と言ってもらえるだけでもうちょっと頑張ろうと思える。
③子育てを手伝ってくれる人がいない
何を隠そう旦那は育メンである。
ズボラな私を見かねてか、自らどんどん動くので本当に助かっている。
子供と遊ぶだけでなく、オムツ替え、食事、着替え、歯磨き、寝る前の読書タイムだって誰かに給料もらってんの?ってくらい気持ち込めて登場人物ごとに声色変えて読む。
④喜びを分かち合う相手がいない
例えば今日は10カ月になる次男がバイバイをし始めた。
とってもかわいいのに、一緒に喜んでくれるはずの旦那はいない。
しかもバイバイの仕方が両手を顔の高さまであげて手首をクルクルと回す、そう、柳沢慎吾のサイレンそのものなのだ。
いや、残念ながらこれは旦那がいても分かち合えないだろう。
日本の文化に精通している外国人はたくさんいるが、柳沢慎吾を知っている外国人はどれくらいいるのだろうか。
以前、スイスで日本が好きだというスイス人青年に会った。
ジュネーブ大学で日本語を専攻したそうで、とても流暢に敬語で私に話した。
そんな彼はつい先日まで日本全国を旅行していたらしく、旅先での出来事や日本人の優しさについて私に熱く語り、それは私を大いに喜ばせた。
そろそろお別れの時間となり、彼はキラキラした笑顔で私に挨拶した。
「お話できて良かったです。
ありがとうございました。
アバヨっ!」
日本で高度な挨拶を仕込まれて帰ってきた彼。
教えた人はギャグならギャグだと教えてあげて欲しかった。
挨拶として教えたならどんな人にどのような場面で使うべき言葉なのかを教えることを怠ってはいけなかった。
あまりに予想外の展開にフリーズしてしまった私は、彼にその言葉のもつ力の大きさについてきちんと説明してあげることができずに彼を見送ってしまった。
傍観者は共犯者。
彼の行方は誰も知らない。